未来を変えるきっかけ“意思表示”ができる人になるために_2016.10

2016年10月28日

カテゴリー : 教育情報全般

未来を変えるきっかけ“意思表示”ができる人になるために

「NPO法人僕らの一歩が日本を変える。」代表理事の後藤寛勝さんが、”若者の政治無関心”に危機感をもつに至った理由と、未来をつくりあげるために中学生のうちに何をしておけばいいのかをお伝えします。

 

◆”若者の政治無関心”を打開するために。

僕たちがNPOとして向き合っている課題は、”若者の政治無関心”です。日本では、若者の低い投票率や政治無関心の拡大が叫ばれています。この課題を解決するためには、若い人が日常的に政治に参加する魅力や、楽しさを仕組みとして生み出さなければいけないと考えています。そこで鍵となるのが、政治教育です。今の日本の政治教育では、政治的中立の観点から、政治の枠組みしか学ぶことができません。例えば、衆議院が何人、国会の期日は何日か、など。そうではなく「自分は社会の一員として何をすべきか」が学べる政治教育が今、必要とされています。18歳選挙権の成立や、政治教育が求められていることを背景に、僕たちは、全国の自治体で「票育」という政治教育のプログラムを展開しています。票育では、以下2つの力を得ることができます。

 

  1. 自分の住んでいる地域や社会の課題を発見する力
  2. 課題解決の選択肢を見出す力

現在は、このプログラムを中高生に提供できる大学生を”地域”で育成することに力を注いでいます。つまり、若者による、若者のための政治教育の展開です。  

 「票育」プログラムでは、投票経験もしてもらっている
「票育」プログラムでは、投票経験もしてもらっている

 

◆”好きや得意”が見つからなかった高校時代。

偉そうに語っていますが、僕は現在東京の中央大学に通う大学4年生です。僕は18歳から、22歳の大学生になった今も、”若者と政治がつながる場と機会をつくる”活動を続けています。しかし、元々こんな問題意識が自分の中にあったわけではありません。僕は、自分の好きなことややりたいことを見つけられない普通の高校生でした。おまけに、高校時代はボートの全国ベスト8を目指し、考えているのはボートのことばかり。そんな僕が「政治」に興味をもったのは、高校2年生の時。友人の進路選択がきっかけです。
僕の通っていた高校には、学業以外にも”自分の得意分野”を持っている人がたくさんいました。IT・農業・音楽・教育など、それぞれ「自分の好きや得意」を深く勉強していたり、賞やコンテストを受賞していたり。教室で、自分の好きな分野で夢を追いかけたいと語っている友人たちに心惹かれていました。しかし、進路選択の際、先生もその友人たちも口を揃え「今の日本では、夢より現実だ」と、得意分野よりも進学を優先してしまい、そういった話をする場も機会も次第になくなってしまったのです。違和感や寂しさを覚えた僕は、「多くの人の《好きや得意》を後押しできる社会はどうやったら作れるのだろう?」と考え、それが実現できる職業に就きたいと、初めて自分のやりたいことを思い描きました。勉強する中で、幅広い分野にまたがって、人の夢を後押しできる職業「政治家」に出会いました。社会の仕組みを変えることのできる「政治」を武器にできれば、世の中をもっとよくできるかもしれないと思ったからです。これが、僕が政治に興味を持ったきっかけです。「やっと、見つけた!」と心が躍ったことを今でも思い出します。

 

◆全ては、“意思表示”から始まる。

だからと言って、いきなり学生団体を立ち上げたり、NPOを起業したわけではありません。僕にとっての初めてのアクションは、「政治が好きだから、誰かと話したい!」という周りへの”意思表示”です。クラスの友達や先生、習い事の先輩など、いろんな人に自分の考えていることを話すことから始めました。次第に議論してくれる友人も増え、新聞を読む会を開催したり、勉強会に顔を出したりしていました。大学受験後も、上京して意思表示することを続けました。政治家の勉強会に参加したり、NPOやNGOのミーティングに顔を出したり、大学の研究室を毎日ノックしてまわったり。そんな中、今のNPOの仲間と出会い、同じ問題意識を持っている仲間がいることを知り、一緒に活動を始めることにしました。
小さなきっかけと意思表示で僕の人生は大きく変わりました。高校生の時の小さなきっかけや気づきが原点となって、今もこうして活動を続けることができています。そんな小さなことが、「好きや得意」を見つけられなかった自分を変えたのです。  

NPOの仲間と一からプログラムを作り上げて実行に移すのは大きな喜びとなっている
NPOの仲間と一からプログラムを作り上げて実行に移すのは大きな喜びとなっている

   

◆今、考えて欲しいこと。

だからこそ、中高生の皆さんに伝えたいことがあります。それは、自分の「得意や好きをみつけること」と、それを「意思表示すること」です。きっかけや気づきはどこにでも転がっているはずです。自分の捉え方次第で、日常で起こっていることが自分を変えるかもしれません。何より、僕自身がそうでした。 皆さんにとって、自分を変えるきっかけや気づきを見つける手助けになるといいなと思い、今回Z会Liberales(リベラレス)と協力して2016年11月27日(日)に無料イベント「2030年、私たちの選択 -21世紀型能力養成-」を開催する運びとなりました。まだ自分の好きや得意が見つかっていない人、それが見つかっていてさらなる発展を考えたい人、何か知らないけど面白そうだなと思った人、どんな人でも大歓迎です。一緒に楽しみながら、「僕たちが生きる未来」について考えてみましょう。 当日会場でお会いできることを楽しみにしています!

 

後藤寛勝さんより

▼NPO法人僕らの一歩が日本を変える。
▼書籍『18歳からの選択』
先日、50代、30代の先輩方と共著で『18歳からの選択』という本を出版しました。人工知能や、宇宙開発、地域コミュニティなど20のテーマの”論点”と”自分がとれる選択肢”がセットで学べる本です。
タイトルは18歳からとなっていますが、中高生のみなさんにもぜひ読んで欲しいと思っています。この本が、みなさんにとってのきっかけになりましたら幸いです。

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