執筆者:原田兼人(Z会進学教室 仙台教室長)
記事更新日:2021年8月6日
本質を理解せよ! 夏から始める算数の勉強法
今回はZ会仙台教室の教室長を務める原田より、「算数の勉強の仕方」についてお伝えします。夏の勉強について、ぜひご参考になさってくださいね。
解き直しこそが、勉強です。
子どもにとって、勉強は、やりたくないことの1つです。そのため、解いて終わり。または、解いて丸付けだけして終わり。つまり、解くことが目的となってしまっている可能性があります。
算数における勉強とは、解けなかった問題を解けるようにすることです。ですから、間違えた問題を解き直すことが重要です。
問題を解くことは、解けた問題と解けなかった問題を分類しているにすぎません。つまり、解くことは単なる作業です。子どもの宿題のノートを見て、作業で終わっていないか確認をしてください。
間違えることは、勉強の始まり。
ノートを確認する際は、「間違えた答えを消しゴムで消して、正しい答えに書きかえ、丸をする」ということがないかも、確認してください。
子どもにとって、間違えることは良くないこと、恥ずかしいことと感じていると、このような行動をしてしまいます。
前述の通り、勉強とは解けなかった問題を解けるようにすることです。つまり、間違えることは勉強の始まりです。
ですから、「間違えることは良いことである」という認識を持たせるようにしてください。
本質を理解することが重要です。
ノートを確認する際に、正解している問題にも注目してください。正解していても、感覚的に、なんとなく式を作って解いているだけかもしれません。
正解していても、なぜ、このような式になったかを確認してください。明確な説明があれば良いですが、そうでないときは、本質を理解していない可能性があります。この場合、中学生になったときに困ります。
中学生になると、数字ではなく文字で式を作ることがあります。何倍ですか?という単純な計算が、文字になるとわからなくなる可能性があります。
小学生では、3は6の何倍ですか?という問題が出てきます。これに対して、2倍と即答する場合は危険です。本当の答えは、0.5倍です。何倍の計算は、基準となるもので割る。今回は、6が基準なので、3÷6=0.5が正しい考え方です。この本質を理解していないと、中学生になったときに困ります。
中学生では、AはBの何倍ですか?という問題になります。本質を理解していないと、A÷BなのかB÷Aなのか、分からなくなります。このように、本質を理解してないと、中学生になったときに困るわけなのです。
この夏に、正しい勉強方法を身につけましょう。
この記事の著者
原田兼人(はらだ・ともひと)
Z会仙台教室の教室長。
指導歴31年、中学受験から高校受験までの算数・数学の指導経験がある。
「教えないで教える」をモットーに、子供たちの思考力の伸ばす、能力を引き出す指導を心がけている。