第16回 【入試制度】宮城県公立高校篇 ~小学6年生のあなたへ~

執筆者:原田兼人(Z会進学教室 仙台教室教室長/数学科)
記事更新日:2021年10月22日

【連載:高校入試を知る!】宮城県公立高校篇

今回はZ会仙台教室の教室長を務める原田より、宮城県の公立高校入試情報についてお伝えします。宮城県にお住まいの小学生の皆さん、日々の学習の参考にしてくださいね。

入試の概要

1回の試験で、共通選抜と特色選抜の2通りの選抜方法で合否を判定します。

最初にどちらかの選抜方法で合否判定を行い、その後、最初の選抜方法で合格圏内に入らなかった受験生を対象に、もう一方の選抜方法で合否判定を行います。

共通選抜と特色選抜の選抜順序については、各高校が定めます。仙台二高や仙台一高などのナンバースクールは、共通選抜→特色選抜の順序で選抜を行い、共通選抜で定員の80~90%、特色選抜で定員の10~20%の合格者を決めます。

※ナンバースクールとは:宮城県内の公立高校の、仙台第二、仙台第一、宮城第一、仙台第三、仙台二華以上の高校を指します。
共通選抜

「予習→授業→復習→添削課題」のサイクルで学習習慣と知識の定着を促す学力検査点と調査書点の相関図をもとに、その両方の満点により近い者を上位として、上位の者から審査し、共通選抜の募集人数分を選抜します。

■学力検査点(500点満点)
国語、数学、社会、英語、理科の学力検査点(各教科100点満点)の合計点

■調査書点(195点満点)
国語、数学、社会、英語、理科については、3年間の評定の合計
音楽、美術、保健体育、技術家庭については、3年間の評定の合計×2倍で、合計195点

学力検査点と調査書点の比重は、各高校が学校・学科ごとに設定します。

特色選抜

学力検査点、調査書点及び面接、実技、作文の得点を合計し、その合計点をもとに、調査書の記載事項も用いて総合的に審査し選抜します。なお、特色選抜の審査対象者は、特色選抜の選抜人数の120%から200%までの間で、各高校が定めます。

■学力検査点
国語、数学、社会、英語、理科の学力検査点の得点を、各高校が教科ごとに定めた倍率によって算出し合計します。

■調査書点
各教科・各学年の評定を、各高校が定めた倍率を用いて算出します。

■面接・実技・作文
面接、実技、作文の配点については、各高校が定めます。

まとめ

ここまで、共通選抜と特色選抜についてそれぞれの概要をお伝えしました。最後に、主に共通選抜についての二大柱となる「調査書点」と「学力検査点」についての学習対策法をまとめます。

・調査書点について

中学1年生の評定も対象となりますから、中学1年生から定期テストの勉強をしっかり行いましょう。中学3年生になって、挽回することは困難です。

また、主要5科目に目が行きがちですが、実技教科は評定が2倍されます。教科によってはテストのないものもありますから、提出物はしっかり出すようにしましょう。

・学力検査点について

ナンバースクール合格を目指す場合、380点から440点が必要となります。1教科にすると、76点から85点ですから、最低でも80点は取る必要があります。

80点を取ることが困難な科目が数学です。

過去5年間では数学の平均点が一番低く、45点から50点となっています。

また、正答率10%未満の問題に限ると、2020年度は4問で19点分、2021年度は3問で17点分です。目標を80点と設定すると、これらの難問以外は確実に得点する必要がありますので、ミスがあったら目標未達の可能性があります。

日頃できないことは本番でもなかなかできませんし、日頃やってしまうことは本番でも出てしまいます。日頃から、ミスをしないよう心がけましょう。

この記事の著者

原田兼人(はらだ・ともひと)

Z会仙台教室の教室長。
指導歴31年、中学受験から高校受験までの算数・数学の指導経験がある。
「教えないで教える」をモットーに、子供たちの思考力の伸ばす、能力を引き出す指導を心がけている。

仙台駅(仙台市)の学習塾・進学塾「Z会仙台教室」

 

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