第23回 【入試制度】神奈川県公立高校篇 ~小学6年生のあなたへ~

執筆者:齋藤篤志(Z会進学教室 横浜教室長/理科科)
記事更新日:2021年12月10日

【連載:高校入試を知る!】神奈川県公立高校篇

こんにちは。Z会横浜教室の齋藤です。この記事では神奈川県にお住まいで公立高校入試の受験を検討されているみなさまに、神奈川県立高校入試について概要をお伝えします。ぜひ学習や志望校選びの参考になさってくださいね。

一般入試 選抜方法と日程

<選抜方法>

神奈川県立の入試では、1度の選抜で2つの選考があります。募集定員の90%をまず1次選考で、残りの10%を(1次選考で選ばれなかった人の中から)2次選考で選抜します。

1次選考は以下の3つ(学校によっては4つ)の合計点の高い順に合格者を選出します。
 A.調査書(中2内申45点満点+中3内申45点満点×2=135点満点)
 B.学力検査(100点満点×5教科=500点満点)
 C.面接(100満点)
(D.特色検査(100点満点))

上記のそれぞれを100点満点に換算したのち、高校ごとに独自の係数を乗じることで、比重を決めています(ただしA+B+Cは1000点満点です)。

2次選考は以下の2つ(学校によっては3つ)の合計点の高い順に合格者を選出します。(1次選考から「A.調査書」を除くことになります。)
 B.学力検査(100点満点×5教科=500点満点)
 C.面接(100満点)
(D.特色検査(100点満点))

上記のそれぞれを100点満点に換算したのち、高校ごとに独自の係数を乗じることで、比重を決めています(ただしB+Cは1000点満点です)。1次選考とは別の係数です。

<選抜日程>

令和4年度(2022年度) 神奈川県公立高校入学者選抜の日程

募集期間:1月25 日(火)~2月1日(火)

志願変更期間:2月4日(金)~8日(火)

学力検査の期日:2月15 日(火)

面接および特色検査の期日:2月 15 日(火)、16日(水)及び17日(木)

追検査の期日:2月 21 日(月)

合格者の発表:3月1日(火)

調査書について

中2内申:45点満点+中3内申:45点満点×2=135点満点

中学校では、学期ごとに英語、数学、国語、理科、社会、音楽、美術、保健体育、技術家庭の9教科が1~5(5が最もよい)の5段階で評価され、通知表に記載されます。これらは内申点などと呼ばれています。高校入試では中2と中3の内申点が使われ、中3の内申は中2の内申の2倍の重みがあります。中2になったら頑張ろう、ではなく中1のうちから頑張りましょう。定期テストの点数だけでなく、提出物や実技、授業への積極性なども評価されます。高校入試では、実力のほとんど変わらない受験生がライバルになることを考えると、内申点もしっかりおさえておきたいところです。内申点が低いばかりに、志望校の変更を余儀なくされた…とならないようにしっかりと準備しましょう。

学力検査について

100点満点×5教科=500点満点

英語:50分。大問8題構成で、大問1がリスニング、大問2が単語記述、大問3が空所補充、大問4が語順整序、大問5が条件英作文、大問6~8が読解問題です。読解問題は資料を見ながら分析したり計算したりするなどの作業を伴うため、細心の注意が必要であり、時間もかかります。リスニングも10分程度かかりますので、大問2~5を15分程度で切り抜ける必要があり、迷わず解き切る力とスピードが必要です。

国語:50分。大問5題構成で、大問1が漢字・文法・俳句または短歌、大問2が古文、大問3、4が読解問題、大問5がグラフと対話文の問題です。読解問題は調子の波が出やすいので、大問1、2でしっかり得点を確保したいところです。大問5は特徴的な問題なので、事前の対策が必要です。

数学:50分。大問6題構成で、大問1は計算問題、大問2、3は小問集合、大問4が2次関数、大問5は確率、大問6が空間図形です。正答率が10%を下回る難問も毎年数問出題されていますが、トップ校を合格するためには捨てることはできません。

理科:50分。大問8題構成で、大問1~4は、物・化・生・地の小問集合、大問5~8は物・化・生・地の各分野から出題されます。とくに後半の問題文が長く、そこには問題を解くために大切な条件も書いてありますので、素早く正確に読み取る力が必要です。

社会:50分。大問7題構成で、大問1、2は地理、大問3、4は歴史、大問5、6は公民、大問7が融合問題となっています。近年は難易度の易化により、トップ校を目指すには満点を習ってほしいところです。また、大問7のような問題にはあらかじめ慣れておく必要があります。

面接について

出願の際に「面接シート」というものを提出します。志望理由、中学校の学習活動で頑張ったこと、教科等以外の活動で頑張ったこと、自分自身の長所などを記入し、これをもとに面接を受けます。受験生1人に対し、面接官は2~3人、時間は10分程度です。

特色検査について

特色検査(のうち記述型)を課す高校は以下の18校です。

横浜翠嵐、湘南、柏陽、厚木、川和、希望ケ丘、横須賀、平塚江南、横浜緑ケ丘、多摩、光陵、横浜平沼、鎌倉、茅ケ崎北陵、小田原、大和、相模原、横浜国際

このほか、市立横浜サイエンスフロンティア高校も独自の特色検査を課しています。

上記高校の顔ぶれを見ると、旧学区トップ校やそれに準ずる人気校は軒並み課していることがわかると思います。

大問4題構成で、試験時間は60分。大問1、2は全18校に共通の「共通問題」、大問3、4は各高校で選択して出題する「共通選択問題」からなっています。たとえば地理と英語、技術家庭や美術と数学といったように、教科をまたぐ総合的な力を要求される問題が並んでいます。実技科目も日々しっかり学習しておきたいところです。ちなみにZ会進学教室では中3の4月から特色検査対策講座を開講し、入試に必要な力をつけていきます。

メッセージ

高校受験というとまだまだ先の話のように思えますが、意外とあっという間にその日がやってきます。今日この記事を読まれた方は、今から少しずつ高校について調べたりしていけば十分間に合いますので、安心して高校受験に臨んでいただきたいと思います。Z会横浜教室の生徒たちは、ほとんどの方が部活動と学業をうまく両立しており、片道60分以上かけて通塾している方もいらっしゃいます。小6生のみなさんも、小6のうちから学習の取り組み方を身につけておけば、中学校に入っても慌てることなく充実した中学校生活を送ることができますよ。ぜひZ会横浜教室でお待ちしています!

この記事の著者

齋藤篤志(さいとう・あつし)

Z会横浜教室長、高校受験理科担当チーフ。これまで千葉、東京、神奈川で高校受験・私立中学受験・公立一貫中受検の指導経験を持つ。教え込むのではなく、生徒に気づかせる指導を心掛けている。

横浜市の学習塾・個別指導塾「Z会横浜教室」

 

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