20年度東大・医学部 合格者インタビュー6

東京大学 文科三類合格

松井ひかりさん 東京学芸大学附属高校卒

「「自己管理」をテーマにした浪人生活。プレアデスの戦略面談で試行錯誤しながら自分に合った勉強スタイルを確立し、合格につながった」

プレアデスの本科受講生として通塾していただき、見事に東大合格を勝ち取った松井さんと、松井さんの授業を担当した能登原講師に、プレアデスでの学習や受験を終えた現時点での心境などについて、思ったこと、感じたことを率直に伺いました。2020年3月、東大合格者の喜びの声をお届けしたいと思います。

 

合格おめでとうございます。まずは今の心境を教えてください。

松井さん 合格して「やったぜ!」という気持ちよりも、この1年間を通して「引き上げてもらった」という感謝の気持ちが強いです。現役時代に合格していたら、こうは感じていなかったと思います。

能登原講師 私はほっとしています。実力としては十分合格圏内でしたが、ケアレスミスが多い分、本番で失敗してしまわないかと不安でした。

松井さん ケアレスミスについては、試験直前まで自分に言い聞かせてきました。「自分はミスをする人間だ」と紙に書いて、油断してしまわないように心掛けました。

能登原講師 1月〜2月の直前期に、ケアレスミスを絶対にしない、という意識を持ち続けることができたことが、結果として合格にも繋がったと思います。

東京大学を志望したきっかけは何でしたか?

松井さん 高校受験がうまくいった流れもあり、日本で一番レベルが高い大学を目指したいと考えるようになりました。はじめは周囲からの期待に影響を受けていた側面が強かったのですが、自分で積極的に調べたり、大学が開催するイベントに参加したりしているうちに、通いたいという気持ちが強まりました。高校生活と浪人生活の中で、その思いがぶれたことはなかったです。

「自己管理」をテーマにした浪人生活

プレアデスに通った約1年を通して、自分がどのように変化していったと思いますか?

松井さん この1年のテーマは、勉強もさることながら、「自己管理」だったと思います。高校3年時は、準備が間に合わなかったこともあり、合格を逃してしまいました。プレアデスに通いはじめたのは高校3年時の1月です。極端に苦手だった数学を、プレアデスの直前講習で受講しました。この頃は自己管理が上手くいっておらず、自分の授業の日程や宿題でさえ把握できていませんでした。浪人することが決まりましたが、どうしても勉強だけに終始してしまうのが嫌で、アルバイトをしたいとも考えていたので、自己管理ができない自分を克服しようと決意しました。

能登原講師 浪人時代のはじめから、松井さんは受験の先を見ていましたよね。

松井さん 自己管理をテーマに掲げて、プレアデスの戦略面談などを活用し、能登原先生と一緒に相談しながら勉強計画を立てていきました。夏頃までは、1週間単位でのスケジュールを決めたこともありましたが、立てたスケジュールを実行することができていませんでした。

能登原講師 理想的な勉強計画を立てることができても、その通り実行することは別の難しさがありますよね。

講師と一緒に試行錯誤する中で、自分にあった勉強スタイルを確立

– 自己管理について、転機はいつ頃訪れたのでしょうか?

松井さん 言葉にすると非常にシンプルなのですが、9月頃にスケジュール帳を買い換えたことが大きな転機でした。シンプルなレイアウトの手帳でしたが、自分が好きなデザインで、手帳を開くことが毎日楽しくなるようなものでした。そこに予定だけでなくTo Doリストなども全て集約させたことで、自己の把握ができるようになってきました。自分に合うフォーマットを見つけることができたのだと思います。また、能登原先生の手帳を見て真似した部分もありました。

能登原講師 私も自己管理は苦手だったので、必要最低限のことを集約型で手帳にまとめるようにしていました。自分に合うやり方が松井さんとも偶然フィットしたのだと思います。

松井さん 高校時代に似たような形でスケジュール管理をしていた時期があって、その型をより高めることができました。能登原先生が「こうした方が良いよ」というのを言わずに、ある意味で泳がせてくれたからこそ、自分に合うやり方を見つけることができたのだと思います。

能登原講師 確かに、私が全て指示していたら辿り着けていなかったかもしれません。

「最低限」とるべき点数を常に意識する

プレアデスの授業では、どのようなことを心がけていましたか?

松井さん 浪人生としても引き続きプレアデスに通い続けることを決めたのですが、その理由の1つは、得意科目と苦手科目の差の開きがとても大きかったことでした。英語など、自分が得意な科目を受講することに意味が見出せず、カリキュラムが固定で、全教科一括で受講する必要があるような予備校は向いていないと考えていました。自分で考えて教科を選ぶことができるので、苦手科目を重点的に教えてもらえる、という点でプレアデスに魅力を感じました。

能登原講師 私が担当していた数学では、「授業を聞いて終わり」ではなく「再現できるようにすること」を意識し、松井さんが解法を自分で説明できるようになるまでを目指していました。必要に応じて、同じ系統の問題を複数回の授業にわたって繰り返し扱ったこともありました。他の科目(英語・国語)でアドバンテージがあった分、時間をしっかり使って数学に取り組んでもらいました。一方、松井さんが得意な英語に関しては雑談程度に留めていて、本人に任せていました。むしろTOEICの点数を競い合うような仲でした。

松井さん 英語の勉強の進み具合などは、日頃の雑談の中で話す程度でしたが、それでも「勉強しないと」というモチベーションになりました。

能登原講師 全体的な面では、優先すべきことが何か、試験本番にどの科目で何点を取るか、という得点戦略を常に意識してもらっていました。また、浪人生ということもあって、9月以降に中だるみしないよう、毎回の模試を本番と思って受けるようにと伝えていました。

松井さん この「最低限の点数」という感覚が自分にとってとても良い指標になったと思います。「目標点数」が自分のベストコンディションで達成できるラインだとすると、どんな状況であっても確保しないといけない点数が「最低限の点数」です。この考え方は、日々の勉強においても大切だなと感じます。自身の体調や気分の浮き沈みといったコンディションを自分で認識して言葉にするようにしました。手帳を買い換える時期とも重なって、その頃から受験勉強というものに本腰を入れることができるようになりました。

具体的には、どのように変化したのでしょうか?

松井さん 以前は、気分が沈んでいる時や疲れた時は、プレアデスで自習していても続かず、諦めて帰宅していました。夏模試の失敗もあって勉強に本腰を入れてからは、自習室で最後の一人になるまで残ろうと決め、気分が乗らない時でも「ここまではやろう」と決めて実行しました。朝は強くないのですが、(得意な科目である)英語なら勉強できることが分かったのも、自己分析によるものだと思います。

能登原講師 自己分析をするようになってからは、自分の計画を自分に合った形で調節できるようになり、自己管理が上手になったと思います。

振り返ってみれば、普通の浪人生活では面白くないと思って試行錯誤をした結果、周りの人が(浪人生活で)得た以上のものを得ることができたのではないかと考えています。

受験に大切なことは何だったと思いますか?受験生の後輩にアドバイスをお願いします!

松井さん 自分のキャパシティを知ることだと思います。自分のテンションの程度によって、どれくらいの量の勉強ができるのか。受験勉強は一過性のものではなく、継続することが必要なので、毎日続けられるか、という点からも自分の性格を分析すると良いのではないでしょうか。

能登原講師 私は、松井さんが自分に合ったスタイルを確立したことに加えて、浪人生活の中でたくさんの失敗を重ねることができたことが合格に繋がったと思います。本番より前に失敗を積むことで、柔軟に対応できる力がついたと思います。

松井さん もう少し細かい点で言えば、どんなコンディションでも絶対に得点できる、と自信を持つことができる科目があると、精神的にも成績的にも支えになると思います。私の場合は、英語のブレが少なかったことや、自習室と本番で発揮できる実力に差が出にくかったことが支えになりました。

最後に、大学に入ってやってみたいことがあれば教えてください。

松井さん 中国語を本気で学びたいと考えています。以前から中国に興味があり、中国人の友人もいます。彼らと中国語で話せるようになって、コミュニティに入っていきたいなと考えています。

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