2024年度「京大日本史」徹底分析 傾向と対策

Z会の大学受験担当者が、2024年度前期試験を徹底分析。長年の入試分析から得られた知見もふまえて、今年の傾向と来年に向けた対策を解説します。

Z会日本史担当者からのメッセージ

・2024年度も試験時間90分に対して、単答70問+200字論述2問というハードさは健在でした。Ⅰ〜Ⅲは史料や設問文をよく読んで答える出題も見られますが、標準的なレベルの知識問題が中心です。そのため、“焦らず設問文を読み、手際よく答えること” を心掛けましょう
・2024年度も、幅広い時代と分野から出題されました。京大の特徴である“全時代・全分野”に対応するため、教科書の脚注レベルも含め、知識の抜け漏れがないようにしておく必要があります
・Iの史料問題を解く際には、史料本文の内容や注記はもちろん、出典や設問文にも気を配り、史料の時期や概要を特定する必要があります。演習を積んで、史料問題に慣れておきましょう。
京大の論述問題は、端的な問題文の題意に即して必要な要素を取捨選択し、解答をまとめる必要があります。シンプルな問いかけであるからこそ難しい京大型の論述問題に、どれだけ取り組んできたかで差が出ます。
・京大で求められる幅広い知識、史料問題への対応力、題意に即した解答をまとめる論述力を伸ばすためには、十分な問題演習が必要です。Z会の「京大講座」は、バランスよく知識、史料、論述の対策を行えるようになっています。また、論述力を伸ばすためには、添削指導を受けることが効果的です。Z会の通信教育で京大対応の問題で演習を行った後、解答が設問の意図に沿ったものになっているか、要素に過不足はないか…などをZ会の丁寧な添削指導を通して確認し、論述力を伸ばしていきましょう。

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今年度の入試を概観しよう

分量と難度の変化 (時間:90分)

  • 出題構成・分量は変化なし。
    I…史料問題
    II…空欄補充型の雑題
    III…リード文形式の空欄補充・単答問題
    IV…論述問題(200字×2問)
  • 難易度はやや難化(昨年度比)。

2024年度入試の特記事項

  • 短文記述問題が1問から5問に増加し、どの問題も、史料から読み取った内容をもとに解答を作成する必要があった。
  • 2023年度に出題された選択式の単答組合せ問題は見られなかった。
  • 論述問題は、(1)が原始、(2)が近代からの出題であった。(1)では4枚の写真が出題され、論述の解答要素に組み込むことが求められた

合否の分かれ目はここだ!

  • I~IIIは概ね基本事項なので、取りこぼしをしないようにしたい。
  • ほとんどが記述問題であるため、正確な漢字で歴史用語を書けるようにしたい。
  • 最も差がつくのはIVの論述問題である。2024年度は「縄文時代における生業とその特質」「女工と近代産業発展の関係性」が出題された。(1)では写真が用いられ、(2)は見慣れないテーマが問われたため、戸惑った受験生は多かっただろう。設問文の主題と条件に着目して必要な情報を取捨選択し、解答をまとめられたかどうかが合否を分けるカギになった。

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さらに詳しく見てみよう

大問別のポイント

 大問 I 

<史料>
A:百済王敬福(『続日本紀』)
B:中先代の乱(『梅松論』)
C:自分仕置令

<全体像>
史料A〜Cすべて、未見史料であったと思われる。出典に加えて、史料中の用語や注記、設問文を参考に丁寧に史料を読み取り、内容を特定する必要があった。

<特徴的な出題>
史料読解問題がいくつか出題された。問(1)は、史料の後半部分から「百済王敬福」が従三位の地位を得た経緯を読み取り、簡潔にまとめることが求められた。また、問(7)では、時期などから中先代の乱に関する史料と見抜き、「御奏聞」が足利尊氏から天皇(後醍醐天皇)に対するものであったと読み取った上で、設問の要求に沿って解答を作成する必要があった。

 大問 II  

  • 古代から近・現代まで、政治・社会・外交・文化に関する知識が問われた。とくに文化史からの出題が例年に比べて多く、半分程度を占めていた
  • 一部で難度の高い出題が見られたが、基本的な問題が多いため、確実に得点したい。

 大問 III  

<リード文のテーマ>
A:中世の惣と土一揆
B:江戸時代における水運の発達
C:学生野球の歴史

  • B問(11)やC問(14)で詳細な知識が求められたが、概ね標準的な問題であった。Cは見慣れないテーマだったと思われるが、設問文や空欄前後から問われている内容を正しく把握すれば、ほとんどの問題で解答を導くことができただろう

 大問 IV  

(1):縄文時代における生業とその特質(200字)

  • 縄文時代の遺物に関する4枚の写真を解答の根拠として活用しつつ、縄文時代の生業について述べる問題。写真から遺物が何かを特定し、解答に盛り込むことが求められた
  • 写真で提示されている遺物の名称や用途を述べるとともに、縄文時代の生業である狩猟・漁労・採集が発達した背景にも言及したい

(2):女工と近代産業発展の関係性(200字)

  • 女工が生まれた背景や従事した産業、女工の働き方を踏まえて、女工が近代産業の発展にどのように関与したのかを述べる問題。見慣れないテーマであったため、解答の方向性に悩んだ受験生もいただろう
  • 女工が従事した産業や働き方は比較的書きやすい。松方デフレの影響により家計を助けるため女性が働きに出るようになったことを背景として説明し、さらに女工が従事した繊維産業が産業革命をけん引したことに注目して、解答をまとめる必要があった。

 攻略のためのアドバイス

京大日本史を攻略するには、次の3つの要求を満たす必要がある。

●要求1●全時代・全分野にわたる知識

京大日本史では多くの単答記述問題が出題される。幅広い時代・分野から出題されるため、全時代・全分野にわたる知識と、それを正確に記述する力が必須である。

●要求2● 史料の正確な読解

京大日本史では様々な時代の史料が出題されている。未見史料も必出なので、史料中のキーワードや出典・設問文をヒントに史料文を読解する力を身につける必要がある。

要求3● 設問の要求に沿った論述

例年200字の論述問題が2問出題されている。端的な設問文から設問の意図を的確につかむ力と、知識を取捨選択して論理的に解答を組み立てる力が必要である。

また、各時代・分野の重要テーマが出題されることもあるため、論述問題で頻出のテーマは、一通り解いておくようにしたい。

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