「京大理系数学」2021年度個別試験分析

Z会の大学受験担当者が、2021年度前期試験を徹底分析。長年の入試分析から得られた知見もふまえて、今年の傾向と来年に向けた対策を解説します。

 

今年度の入試を概観しよう

分量と難度の変化

  • 難易度は易化。
  • 分量は変化なし。

2021年度入試の特記事項

  • 2019年度と同様に大問1が小問に分かれ、今年度は大問6も小問に分かれた。
  • 文理共通問題が全くなかった。

合否の分かれ目はここだ!

  • 大問1、大問2、大問4、大問5は方針がすぐに立ち、計算量も多くないので落とせない。
  • 大問3も手間はかかるが標準的な無限級数の和の問題で、差がつくとすれば大問6くらいだろう。大幅に易化しているので4完以上は確保したいところ。
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さらに詳しく見てみよう

大問別のポイント

 大問1  

問1は空間内の対称点を求める問題。2006年文系前期で類題が出題されている。空間図形の方程式に関する知識があれば早いが、ベクトルの垂直条件から順次計算しても大したことはない。

問2は球を取り出す確率の問題。n-1回目までに白、青、黄色の玉を少なくとも1回取り出す確率を考えればよい。

 大問2 

線分の長さの最大・最小問題。方針立てと立式に苦労するところはないが、途中の数式処理で差がつくかもしれない。

 大問3 

無限級数の和に関する標準問題。部分和をとって、極限をとればよい。手間はかかるが方針は難しくない。

 大問4 

曲線の長さを求める問題。2018年にもこのテーマの出題があった。公式通り計算すればよく、どちらかというと計算力が問われる問題。

 大問5 

図形と軌跡に関する問題。B、Cの座標を考えれば、∠BOC=120°とわかるので、点Aがどのような図形上を動くかはすぐにわかる。あとは、Aの座標をパラメータ表示するなどして垂心の軌跡を求めればよい。

 大問6 

問1は対偶を考えればよい。3n−2nが因数分解できることに着目して証明の方針を立てる。

問2は平均値の定理の利用に気づけば難しくないが、この発想に至らないと難しいのではないか。

攻略のためのアドバイス

京大理系数学を攻略するには、次の3つの要求を満たす必要がある。

●要求1● 手早く正確に計算をする力

京大では煩雑な計算を行う出題は多くないが、着想、論理展開に時間を奪われる出題が多い。それだけに、方針が立ったあとの計算は手早く正確に行うことが重要で、計算時間を短縮できれば、ほかの問題を解く時間に使うことができる。

計算力は日々の計算練習で身につく。日々の問題演習において、最後まで計算し、確認する習慣をつけることが大切である。

●要求2● 問題の構造を捉える力

京大理系数学において頻出の分野として、図形問題がある。図形問題には、初等幾何、ベクトル、座標幾何などいろいろな解法があり、 どの解法を取ればよいのかをまず考えてから解く必要があるものが多い。どの解法を使うのか、見方を変えてほかの問題に帰着させることができないかなどを発想できる力をつけることが必要である。

発想力は、京大の過去問など発想力を鍛えられる問題を解き、考える訓練をすることで身につけられる。

●要求3● 採点者に自分の考えを伝える力

証明問題において論証力が要求されることは言うまでもないが、求値問題においても、答えに至る過程を丁寧に説明する力が要求されるものが目立つ。記述式の試験においては、自分の頭の中では分かっていてもそれを採点者に伝えることができなければ、点数に結びつかない。論理的に無理なく、より簡潔に答案を書くための論証力をつけることが必要である。

論証力は自分一人で勉強を進めても身につきにくい。この力は、Z会の通信教育で別の人に採点・添削をしてもらい、その結果を復習することで身につけられる。

対策の進め方

まずは、各分野の完成からである。京大入試では様々な考え方が必要とされるので、苦手分野があれば、遅くとも高3の夏休みまでには克服したい。Z会の通信教育では、入試に必要な考え方を幅広い分野の演習を通して身につけることができるようになっている。

高3の秋以降は、それまでに身につけた考え方を、実戦的な問題演習を通して使いこなせるようにしていこう。受験生用のZ会の講座では、微積分、図形、整数、確率といった京大頻出分野の問題を中心に、論証力も養成されるように学習を進めていく。

共通テストが終わったあとは、これまでの学習の総まとめである。京大入試に即応したZ会の問題で、入試に使える計算力・発想力・論証力を完成させよう。

Z会で京大対策をしよう

Z会京大理系数学担当者からのメッセージ
  • 京大数学では数式処理力、発想力、観察力、論述力がバランスよく問われる出題構成が多くなっています。今年度のように、全体的に易化した場合は高得点が要求されるので、予定していた戦略を、当日臨機応変に変えるという柔軟性も重要になります。
  • また、大問6のように、受験生が苦手とする見方を敢えてつく出題も多く、これは「数学をきちんと勉強してきたか?」を見るのが狙いです。解法の暗記や、身についてないテクニックを用いるなどのうわべだけの学習に対する警鐘ともいえます。
  • Z会の京大コースでは、京大数学で問われる頻出テーマや分野を網羅するだけでなく、添削指導や豊富な解説で真の理解と応用力を育むことができます。1問1問を味わい尽くすように1年間取り組むことで、1年後には想像以上の学力が身につきます。

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