2021年3月2日

カテゴリー : 教育情報全般

新大学入試を含め、さまざまな教育ニュースを毎月配信する「教育＆入試トレンドニュース」3月号です。

 

主なニュース

【中教審答申が示す「令和の日本型学校教育」】

1月26日、中央教育審議会の総会で新しい時代の初等教育・中等教育のあり方を示す答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」がとりまとめられました。

新型コロナウイルスの感染拡大が社会環境の変化を加速し、未来はますます予測困難になってきつつあります。そんな時代にすべての子どもたちの可能性を引き出すために、指導方法や学習内容を一人ひとりに合わせて調整する「個別最適な学び」と、子ども同士で、あるいは多様な他者と協力しあって取り組む「協働的な学び」の2つを一体的に充実させていく。これが、答申が描きだす「令和の日本型学校教育」の姿です。「個別最適な学び」「協働的な学び」のいずれについても、実現のカギを握るのはICTの活用に他なりません。答申は、活用自体が目的化してはならないとしつつも、基盤的なツールとしてICTは必要不可欠だという認識を明確にしています。

　高校教育については、生徒の学習意欲を喚起し、可能性を伸ばすねらいから各学校の特色化・魅力化が強く打ち出されました。高校ごとの「スクール・ポリシー」の策定、「普通教育を主とする学科」の弾力化・多様化、大学や地域社会との連携強化などが具体的に盛り込まれています。

（参考）

▼「令和の日本型学校教育」の構築を目指して　（中央教育審議会）

 

その他ニュース

◆1月29日：大阪府立大学と大阪市立大学が統合し、2022年4月に誕生する予定の大阪公立大学（仮称）のロゴマークが発表されました。2つの大学、大阪府と大阪市を象徴する３つのシンボル「銀杏・桜・ヤシ」を融合したロゴマークで、カラーはゴールドとシルバー。選定にあたっては、両大学の在学生・卒業生・教職員によるWEB投票も反映されています。

（参考）
▼大阪公立大学（仮称）のロゴマークが決定しました！　（設置準備室HP）

 

◆2月8日：名古屋外国語大学が、2021年度の授業方針とサテライトキャンパスの開設予定を発表しました。既存のキャンパスで感染対策を徹底して対面授業を行うには教室や設備が不足しているため、名古屋駅北に建設される新しい大型複合施設内に総床面積 7,600 m²のスペースを確保し、秋からサテライトキャンパスとして利用する見通しです。

（参考）
▼2021年度授業実施方針及びサテライトキャンパスについて　（名古屋外国語大学）

 

◆2月8日：全国大学生協連・学生委員会が呼びかけ、インターネットを通じて行った「奨学金と高等教育に関するアンケート」の集計結果が発表されました。回答した全国の大学生・大学院生のうち、約2.4人に1人が奨学金を利用。奨学金を受ける理由で最多なのは「授業料を賄うため」（73％）ですが、「生活費を賄うため」という回答も65.8%に上ります。

（参考）
▼2020年度奨学金と高等教育に関するアンケ―ト　（全国大学生活協同組合連合会）

 

◆2月16日：国立大学協会が、「国立大学における教育の国際化の更なる推進について」の第８回フォローアップ調査結果を公表。2020年までの数値目標を見ると、英語での授業実施科目数などで目標を達成しましたが、外国人教員の比率（目標の約6.4％に対し現状は5.1％）や受け入れ留学生の比率（目標の10％に対し現状は7.0％）については達成に至っていません。

（参考）
▼「国立大学における教育の国際化の更なる推進について」第8回フォローアップ調査結果　（国立大学協会）

 

◆2月18日：大学入試センターが大学入学共通テストの実施結果の概要を発表。受験者数は全国で48万4114人、平均受験科目数は5.62科目でした。前身となるセンター試験以来、受験者数が50万人を割りこむのは実に27年ぶりのこと。共通テストへの移行を見越し、昨年の入試で現役志向が強まった結果、浪人生が減少していたことなどが影響していると見られます。

（参考）
▼報道発表一覧　（大学入試センター）