教育&入試トレンドニュース【2021年7月号】
2021年7月1日
カテゴリー : 教育情報全般
新大学入試を含め、さまざまな教育ニュースを毎月配信する「教育&入試トレンドニュース」7月号です。
主なニュース
【大学の入学・卒業時期は多様化へ】
6月3日、首相の私的諮問機関である教育再生実行会議が第十二次提言「ポストコロナ期における新たな学びの在り方について」をまとめました。表題から想像できるように、提言では教育のデジタル化などをめぐり、小中学校から大学まで、今後の課題がさまざまな角度から検討されています。加えて注目されるのは、大学の入学・卒業時期に関する言及です。
昨年、学校の休校が長期化したのがきっかけで、「秋季(9月)入学」への移行案が浮上した時期がありました。性急な移行は見送られましたが、将来に向けた検討が教育再生実行会議に委ねられたのです。小学校~高校の入学時期を変えることについては、国民生活や社会全般に大きな影響が及ぶため、提言は「国民や社会において十分な理解と協力を得ることが不可欠」とし、あくまで慎重な姿勢。一方、大学については事情が異なります。外国人留学生の獲得が課題となり、「新卒一括採用」のような伝統的な雇用慣行も思い切った変革を迫られている現状をふまえ、入学・卒業時期の多様化・柔軟化を進めていくべきだとしています。
(参考)
▼教育再生実行会議 提言 (首相官邸)
その他ニュース
◆6月2日:日経HRと日本経済新聞社は、企業の人事担当者から見た大学イメージ調査「就職力ランキング」の結果を発表。調査は今年2月~3月に実施されたものです。総合ランキング1位は昨年と同じで北海道大学。2位以下は京都大学、東北大学……と続き、上位10校のうち9校までが国立大学によって占められました。私立大学で唯一トップ10入りしたのは早稲田大学です。
(参考)
▼企業の人事担当者から見た大学イメージ調査 『就職力ランキング』 (日経HR)
◆6月7日:国際基督教大学(ICU)が夏季日本語教育(サマーコース)の修了証明書のデジタル化を実現したと発表しました。デジタル学修歴証明書はすでに世界標準となっていますが、日本の大学では初めてのケース。今後は学部・大学院の卒業証明書、修了証明書をデジタル化し、2022年4月からは成績証明書などを含む全ての証明書をデジタルで発行可能にすることを目指すとしています。
(参考)
▼世界標準の実現 日本の高等教育機関で初 デジタル学修歴証明書 発行開始 (国際基督教大学)
◆6月9日:世界大学評価機関のクアクアレリ・シモンズ(イギリス)が世界大学ランキング2022を発表しました。上位は英米の大学が占めており、1位は10年連続でアメリカのマサチューセッツ工科大学、2位はイギリスのオックスフォード大学です。アジアで最高の順位だったのはシンガポール国立大学(11位)。日本の大学では東京大学が23位、京都大学が33位でした。
(参考)
▼QS World University Rankings (Quacquarelli Symonds)
◆6月11日:大学入試センターが2022(令和4)年度大学入学共通テスト実施要項および2023(令和5)年度の大学入学共通テスト出題教科・出題方法・問題作成方針を公表しました。来年の共通テストの本試験は1月15日・16日、追試験は1月29日・30日です。今年1月に設けられた「第2日程」はなくなります。懸案になっている追試験会場の数については現時点で未定。今後、文部科学省が検討して決めることに。
(参考)
▼令和4年度大学入学共通テスト実施要項 (大学入試センター)
◆6月16日:厚生労働省は「薬剤師の養成および資質向上等に関する検討会」をオンラインで開催し、薬学部・薬科大学の定員抑制を検討すべきだとする提言案を公表しました。近年、薬学部・薬科大学の新設が相次ぎ、入学定員の総数はここ20年で4割も増加。定員割れに陥る大学も増えています。提言案は定員適正化に加えて、薬剤師の遍在を解消する方策の検討も重要だとしています。
(参考)
▼第10回薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会資料 (厚生労働省)
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