新大学入試って?大学入試改革の全体像 – 世の中の変化に対応できる力を –

2020年4月26日

カテゴリー : 大学受験

「大学入試センター試験」にかわり、2021年1月から「大学入学共通テスト」が実施されます。当初は、英語で民間の資格・検定試験を導入する、国語と数学で記述式の出題を盛り込むとされていましたが、いずれも見送られました。

 

新大学入試を三つの観点で理解

しかし、大学入学共通テストの位置づけはこれから進められる大学入試改革の一つにすぎず、改革の全体像をとらえることが重要です。背景には「世の中の変化にあわせ、中高生にどのような力を身につけてほしいのか」という大きなビジョンがあります。入試改革を理解するために、次の三つの観点を把握することが大事です。

一つ目は「高校と大学との接続」。さまざまな改革に取り組むねらいは高校までの教育と大学での教育を結びつけるために、大学入試のあり方を見直すことにあります。

二つ目は「学力の3要素」という考え方。これからの社会を生きていくのに必要な学力として、(1)基礎的な知識・技能、(2)思考力・判断力・表現力、(3)主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度――こうした学力を重視し、受験生が身につけているかどうかを評価します。

 

※試験の難易度の比較ではありません。

 

三つ目は大学側の「アドミッション・ポリシー(入学者の受け入れ方針)」の明確化。大学が「こんな受験生に入学してほしい」という人物像を打ち出し、その方向に合う入試にすることが求められています。

 

こうした考えを軸に、大学入試改革は「大学入学共通テストの導入」「個別の試験での記述表現力の一層の重視」「調査書などを活用した評価観点の多様化」など、さまざまな面で進められます。

みなさんが国公立大学、私立大学のいずれを志望しても、またどのような入試方法を選択しても、何らかの影響を受けることにかわりはありません。

 

【中学生へのアドバイス】高校入試のレベルをとらえる
中学生のみなさんにとって、大学入試は「まだ先の話」と思えるかもしれません。でも、思考力や判断力、表現力を評価する出題は高校入試でもみられ、その傾向は年々強まっています。
みなさんがすむ地域の公立高校の入試は、どのような形で出題されているのでしょうか。ここ数年分の問題に目を通してみることをおすすめします。もちろん解けなくてもかまいません。「こういう問題が出ているんだ」と入試のレベルを大まかにとらえることが大事です。

【大学入試を見据えてのアドバイス】常にアンテナをはっておく
大学入試改革の柱の一つ「アドミッション・ポリシー(入学者の受け入れ方針)」の明確化によって、大学入試はさらに多様化するとみられます。逆に言えば「志望大学や学部への入り口が増える」ともいえそうです。
一方、いろいろなタイプの入試が取り入れられることで、「自分に合う入試」を見きわめる必要があります。そのために欠かせないのが正確な情報を集めること。常にアンテナをはっておいてください。

(Z会中高事業本部・中村一貴)

※本記事は「朝日中高生新聞」に掲載されています。

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