教育&入試トレンドニュース【2020年6月号】
2020年6月4日
カテゴリー : 教育情報全般

新大学入試を含め、さまざまな教育ニュースを毎月配信する「教育&入試トレンドニュース」6月号です。
主なニュース
【急浮上した「9月入学」案】
新型コロナウイルス感染症の影響で休校が長期化するなか、学校の入学時期を9月に変える案が浮上。安倍首相や萩生田文科相は「さまざまな選択肢」の一つとしながらも前向きな姿勢を示していました。
5月12日、東京財団政策研究所は9月入学への移行を求める共同提言を発表。休校が長引いた現状で授業時間を無理なく確保するため、来年6月までに卒業・学年修了を行い、入学と進級を9月にして次年度以降も継続すべきだと主張しました。海外では9月入学が一般的なので、国際交流をより活発にするためにも9月入学には利点があるとしています。
一方、日本教育学会は5月11日、慎重な議論を求める声明を出しました。小学校入学を9月に延ばせば義務教育開始年齢が世界的にも異例の遅さになることなどさまざまな問題点を挙げたうえで、拙速な導入は社会的混乱を招きかねず、いまは9月入学の検討よりも教育現場などへの支援を優先すべきだとしています。
そして、6月1日、2日に、安倍総理大臣は「緊急事態宣言が解除され、学びの保障を自治体などと取り組んでいるときに、今年度あるいは来年度の法改正を伴う形での制度の導入は難しい」と述べ、今年度や来年度からの制度の導入を見送る意向を関係議員に伝えました。ただし、すぐに導入されることはなくなりそうですが、検討は継続される模様ですので、今後も目が離せません。
(参考URL)
▼小中高生の教育機会均等のため、卒業を6月に、大学は秋入学へ (東京財団政策研究所)
▼「9月入学・始業」の拙速な決定を避け、慎重な社会的論議を求める (日本教育学会)
その他ニュース
◆4月28日:慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)は今年9月入学のAO入試において、新型コロナウイルス感染防止の観点から2次選考では「遠隔面接」を実施する予定だと公表しました。文部科学省も全国の大学に対し、今年度のAO・推薦入試でオンラインによる面接などを検討するよう要請しており、今後、面接試験のオンライン化が進む可能性も。
(参考URL)
▼総合政策学部・環境情報学部AO入試(2020年9月入学)の変更について (慶應義塾大学SFC)
◆5月12日:東京大学のHP上に、新型コロナウイルス感染症への対応について、五神真総長から学生・教職員にあてたメッセージが掲載されました。メッセージの中で総長は、いまは「新しい形の研究教育のあり方を創りだす、貴重な実験の期間」であり、テレワーキング、オンラインでの授業や診療などの取り組みは新しい社会(Society5.0)に向けた準備になると述べています。
(参考URL)
▼新型コロナウイルス感染症に関連する対応について 総長メッセージ (東京大学)
◆5月19日:新型コロナウイルス感染症の影響でアルバイト収入が減り、学業継続が困難になっている大学生・専門学校生のために、政府は収入が激減した学生に対し10万円(住民税非課税世帯なら20万円)を支給する「学生支援緊急給付金」の創設を決定しました。バイトで学費・生活費を賄ってきた学生の困窮は深刻で、各大学でもさまざまな支援策が打ち出されています。
(参考URL)
▼「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』 ~ 学びの継続給付金 ~ (文部科学省)
◆5月20日:北海道大学は現行のAO入試を名称変更して実施する「総合型選抜」の案内を公表。2022年度入学者選抜からは新たな「フロンティア入試」に移行し、タイプⅠ・タイプⅡの2方式に分けて実施することも合わせて発表されました。タイプⅡでは大学入学共通テストを活用しますが、タイプⅡでは共通テストを使わず、2次選考で理数系の適性検査問題を課します。
(参考URL)
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