教育&入試トレンドニュース【2020年12月号】
2020年12月2日
カテゴリー : 教育情報全般

新大学入試を含め、さまざまな教育ニュースを毎月配信する「教育&入試トレンドニュース」12月号です。
主なニュース
【オンライン面接にさまざまな課題】
全国高等学校長協会(萩原聡会長)は10月上旬、各都道府県協会を通じて「今年度の大学入学者選抜の実施状況の調査」を行い、その結果をふまえたうえで10月22日、文部科学省に要望書を提出しました。要望書ではとくに「オンライン面接」に関する課題を大きく取り上げています。
春以降、新型コロナウイルスの感染が拡大したことで、秋から始まった総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜(旧推薦入試)で多くの大学が「オンライン面接」を実施しています。しかし、全国高等学校長協会の調査によると、「事前に相談なく高校の施設を使用してオンラインによる面接を行うこととしている大学がある」「面接中に通信の切断があった場合には受験者の責任とすることとしている大学がある」「高等学校や受験者によってはオンラインによる面接を行う環境が整わないところがある」……など、実にさまざまな問題点が浮かびあがってきました。
要望書ではこれらを氷山の一角ととらえ、オンライン面接の実施状況を一層把握し、大学に対して必要な指導・助言を継続的に行うこと、さらには来年度以降の制度設計にも生かしていくことを文部科学省に求めています。
(参考)
▼今年度の大学入学者選抜の実施状況について(要望)(全国高等学校長協会)
その他ニュース
◆10月30日:東京都高等学校情報教育研究会は2025年度以降の大学入学共通テストの出題教科・科目での「情報」の取り扱いについて、大学入試センターに要望書を提出しました。具体的には、「情報」の試験実施にあたって、文系・理系を問わず基幹教科として全員が受験できるよう配慮することや、各大学における「情報」の入試教科採用をより一層促すような作問とすることを求めています。
(参考)
▼要望書(東京都高等学校情報教育研究会)
◆11月6日:文部科学省の「新型コロナウイルス感染症に対応した試験実施のガイドライン」(改訂版)に基づき、大学入試センターが来年1月の大学入学共通テスト会場における具体的な感染予防対策を発表。試験当日に発熱、体調不良を起こした受験生への対応なども決まりました。また、11月20日に公表された「受験上の注意」には、試験場内で常にマスクを正しく着用すること、他の受験生との会話も極力避けることなどが明記されています。
(参考)
▼新型コロナウイルス感染症予防対策等について(大学入試センター)
◆11月10日:京都府立大学が来年度入学者の一般選抜要項の配布を開始しました。文学部の前期日程試験では、今回からすべての学科で共通テストの数学と理科が必須になります。早稲田大学政経学部も、一般選抜において数学を必須化しました。文系の学問分野にも理系的な知識や発想が欠かせなくなっており、こうした動きがさらに広がっていくのか、注目されます。
◆11月16日:文部科学省が高校や大学の関係者、有識者などから成る「大学入試のあり方に関する検討会議」(第17回)を開催しました。2020年2月に設置されて以降、入学者選抜における「多面的な評価」に関してこれまで重ねられてきた議論をふりかえり、多面的な評価・主体性の評価のあり方、調査書や本人記載資料の活用方法などについて、今後に向けた論点の整理が行われました。
(参考)
▼大学入試のあり方に関する検討会議(第17回)配布資料(文部科学省)
◆11月17日:文部科学省と厚生労働省は、来春の大学等卒業予定者の就職内定状況調査(10月1日現在)の結果を公表しました。大学4年生の就職内定率は前年に比べ7ポイントも減って69.8%。70%を下回るのは5年ぶり。昨年までは人手不足を背景に「売り手市場」が続いてきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で企業側の採用意欲も一気に冷え込んだ状況です。新たな「就職氷河期世代」を生まないようにする手立てが求められます。
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