教育&入試トレンドニュース【2021年6月号】
2021年6月1日
カテゴリー : 教育情報全般

新大学入試を含め、さまざまな教育ニュースを毎月配信する「教育&入試トレンドニュース」6月号です。
主なニュース
【英語民間試験・記述式問題 共通テストへの導入は困難に】
2021年4月2日と4月20日、「大学入試のあり方に関する検討会議」が開催され、記述式問題、そして英語4技能評価のあり方が続けて議題に取り上げられました。
今年1月に実施された大学入学共通テストでは当初、英語民間試験が導入され、国語と数学では記述式問題が出題される予定で、これらは入試改革の大きな目玉となるはずでした。しかし、受験機会の公平性や採点の正確性をどう確保するのかをめぐってさまざまな問題点が指摘されたことから、2019年末、導入はいったん見送りに。焦点となった英語4技能評価や記述式問題を含め、大学入試のあり方について改めて検討するために文部科学省によって設置されたのがこの会議です。
2回の会議では記述式問題、英語民間試験のいずれについても、大学入学共通テストでの実施には慎重な意見が多く、現時点では高校での新しい学習指導要領に基づく2025年度以降の共通テストにこれらを導入するのは難しいと見られます。当面は各大学が個別入学者選抜において英語4技能評価の促進、記述式問題の充実を図っていくということになりそうです。
(参考)
▼大学入試のあり方に関する検討会議(第25回)配布資料 (文部科学省)
その他ニュース
◆4月22日:大学入試の資料請求システム「テレメール」などを運営するフロムページが行った2021年度の全国一斉進学調査で、受験生が「関心をもった大学」の在住エリア別ランキングが公表されました。関東は早稲田大学、中部は名城大学など、ほとんどのエリアで前回(2020年度)と同じ大学が首位をキープしましたが、近畿エリアでは前回2位の近畿大学が首位に。前回首位の関西大学と交代しています。
◆4月27日:奈良女子大学が2022年4月の新設を予定している工学部に関する説明会を実施しました。実現すれば、女子大学が工学部を設置する初めてのケースになります。入学定員は45人で、そのうち15人は総合型選抜・探究力入試「Q」で選抜される予定。奈良女子大学はお茶の水女子大学と並び、日本に2つしかない国立女子大学で、現在あるのは文学部、理学部、生活環境学部の3学部です。
◆4月27日:青山学院大学は2022年4月より法学部に既存の法学科に加えて新しく「ヒューマンライツ学科」を設置する予定であることをHPで発表しました。ヒューマンライツ学科では、社会問題の中でも特に人権問題について、鋭敏な人権意識、問題を冷静に考え分析できる思考力と分析力、問題の解決・改善に向けて説得的に論じる表現力を身につけます。入学定員は120人。
(参考)
▼2022年4月、法学部に日本初の「ヒューマンライツ学科」を設置予定 (青山学院大学)
◆4月28日:全国高等学校長協会は、来年度以降の大学入学者選抜についての要望書を文部科学省に提出しました。全国の都道府県協会を通じて集めた意見を集約し、コロナ禍が受験生に負担を与えないように「共通テストの追試会場を引き続き全都道府県に設けること」「個別試験で地方会場を増やすように大学に働きかけること」など6つの項目にまとめています。
(参考)
▼「令和2年度の大学入学者選抜を終えて(要望)」 (全国高等学校長協会)
◆5月10日:九州大学は2021年度一般選抜において、工学部の合否判定処理を行うシステムのプログラムに誤りがあり、新たに5名が追加合格したと発表。合格発表後、かなり時間が経ってから出題ミスや不正な採点が発覚するケースはこれまで多くの大学で起きてしまっていますが、得点集計や合否判定にコンピュータが利用されている現在では、プログラムミスの防止策も求められます。
(参考)
▼令和3年度九州大学一般選抜(後期日程)における得点集計の誤りについて(リセマム)
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