教育&入試トレンドニュース【2023年2月号】

2023年2月1日

カテゴリー : 教育情報全般

さまざまな教育ニュースを毎月配信する「教育&入試トレンドニュース」2月号です。

主なニュース

【電気通信大学が新課程「情報Ⅰ」を個別入試に採用】

1月17日、東京都調布市にある国立大学・電気通信大学が、2025年度入学者の一般選抜前期日程・個別学力検査で選択科目として「情報Ⅰ」を課すと発表しました。(情報Ⅰ、物理、化学の3科目から2科目を選択。)また、同じく2025年度入学者の総合型選抜・学校推薦型選抜の一部において、「情報Ⅰ」の試験をコンピュータで回答する方式(CBT)で行うことも併せて告知しています。
現高1生からプログラミングを含む新科目「情報Ⅰ」が必修になりました。彼らが初めて受験する2025年度入学者選抜での「情報Ⅰ」の扱いについて、国立大学は共通テストで課すことを原則としています。しかし、北海道大学などいくつかの国立大学は、「情報Ⅰ」受験を出願要件にするものの、配点はしないと予告。それに対し、「配点なし」では意味がないと情報処理学会が強く批判する事態になりました。また、公立大学・私立大学では「情報Ⅰ」を入試に課すかどうかは各大学の判断に任されており、現時点での見通しはまだ不透明です。
こうした状況で、個別入試での「情報Ⅰ」採用やCBTの導入にまで踏み込んだケースは電気通信大学が初めて。他の大学は今後どう対応するのか、注目されます。

(参考)
▼2025(令和7)年度入学者選抜における科目「情報I」の取り扱いについて (電気通信大学)
▼2025(令和7)年度入学者選抜におけるCBTシステムの活用について (電気通信大学)

 

(関連記事)
【2025年からの共通テスト】新設「情報」は試作から出題を想定 (Z会共通テスト対策サイト)

 

その他のニュース

◆1月1日:鹿児島大学は2015年に創設した「進取の精神」支援基金に、使途を限る「工学部教育研究支援基金」を新たに設けて募金を開始しました。集めた寄付金は工学系の研究成果発表や大学院学生の海外派遣助成事業などにあてられます。アメリカの名門大学が巨額の基金を運用していることはよく知られていますが、近年は日本の大学でも独自資金を確保するため基金を設けるケースが増えています。

(参考)
▼鹿大「進取の精神」支援基金に「工学部教育研究支援基金」を設置しました (鹿児島大学)

 

◆1月6日:東京大学とお茶の水女子大学が「連携及び協力に関する包括協定」を締結しました。歴史のある2つの大学の本部はいずれも東京の文京区にあり、従来から学生同士の交流も盛んでした。今回の包括協定によって、教育理念・規模など多くの異なる個性を持つ両大学が幅広く連携を強化し、一大学単独の取り組みだけでは得られない高い相乗効果を得ることをねらっています。

(参考)
▼お茶の水女子大学と連携及び協力に関する包括協定を締結 (東京大学)
▼東京大学と連携及び協力に関する包括協定を締結 (お茶の水女子大学)

 

◆1月12日:東京都教育委員会が、昨年11月に都内の中3生約7万人を対象に実施した「中学校英語スピーキングテスト」(ESAT-J)の成績分布を公表しました。A~Fの6段階評価のうち、一番高いA評価(スコア100~80)を得た生徒は全体の16.8%。最も多いのはC評価(スコア64~50)で、31.6%を占めます。受験者にはその後、個人の評価とスコア、学習アドバイスなどが記された結果帳票も郵送されています。

(参考)
▼中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)(11月27日実施分)の 成績等の通知について (東京都教育委員会)

 

◆1月16日:早稲田大学は2024年度より、理工系の3学部(基幹理工学部・創造理工学部・先進理工学部)で、全国の高等専門学校生を対象とする新たな編入学試験(指定校推薦)を導入すると発表しました。高校普通科出身の学生とは異なる経験・技能をもつ高専生を幅広く受け入れることで、学生間の交流による相乗効果を高めることや、入学者の出身地域の多様性を確保することなどがねらいです。

(参考)
▼全国の高等専門学校生を対象とする新たな編入学制度(指定校推薦)を開始 (早稲田大学)

 

◆1月18日:大学入試センターが1月14日・15日に行われた大学入学共通テスト(本試験)について平均点の中間集計を公表。昨年、問題が難しくて話題となった数学の平均点では、数学Ⅰ・Aが約58点、数学Ⅱ・Bが約65点と、いずれも前年比で約20点も上昇。一方で、国語や英語(リーディング)の平均点は昨年よりもやや下がっています。受験生の総得点は前年よりも高くなったと推定されます。

(参考)
▼報道発表 (大学入試センター)

 

◆1月19日:早期の統合を目指す東京工業大学と東京医科歯科大学は、統合後の大学の名称を「東京科学大学」にすると発表しました。これからの「科学」の発展を担い、社会と共に活力ある未来を切り開いていくという強い意志をこめたとしています。新大学の名称は、両大学の多様な職種のメンバーからなるワーキンググループが、学内外から寄せられた6000件以上の提案を参考にしつつ検討してきました。

(参考)
▼新大学名称を「東京科学大学(仮称)」として大学設置・学校法人審議会への提出を決定 (東京工業大学)

 

◆1月25日:文部科学省の中央教育審議会大学分科会で、学部新設・転換への助成業務の具体的指針が検討されました。政府はデジタル、グリーンなど成長分野の人材を育てる理工系やデジタル関連の学部を増やすため、文系学部の多い私立大学などで理系学部への転換や再編を促すことを計画。そのために約3000億円の基金が創設されており、希望する私立大、公立大の公募も近く始まる見通しです。

(参考)
▼中央教育審議会大学分科会(第171回)会議資料 (文部科学省)

 

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