どうなってる?英語4技能2021

2021年10月5日

カテゴリー : 教育情報全般

本記事は2021年10月時点の内容です。
2023年4月時点の小中高における英語教育の変化や、CEFR-Jの指標を元にした自分の英語4技能のレベルがわかる記事を別途公開していますので、最新の内容はこちらをご覧ください。

 

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英語4技能とは?5分でできるセルフチェックテスト
 

共通テストでの導入が見送られてからは、あまり大きく取り上げられなくなっている英語4技能の話題。今現在、英語4技能をめぐってはどんなことが決まっているのか、これまでの経緯とともにご紹介していきます。

大学入試と
英語4技能のこれまで

大学入学者選抜における英語の試験問題がおもに「読む」力の評価に偏っていて、実践的なコミュニケーション能力を測れていないことは長く問題になってきました。「読む」以外の技能は「書く」「聞く」「話す」の3つ。これらのうち、英語で「書く」問題(英作文)には古い伝統がありますが、1980年頃からマークシート式テストが普及したため、その比重は下がってきています。「聞く」力については、2006年以降、大学入試センター試験にリスニングテストが導入されたことで、以前よりも重視されるようになりました。しかしながら、コミュニケーションに欠かせないはずの「話す」力は、大学入学者選抜でほとんど評価されてきませんでした。スピーキングのテストを同じ日時・会場でおおぜいの受験生に対して実施するのはとても難しいからです。

4技能評価 
共通テストでの導入は断念

一方で、英検、GTEC、TEAP、IELTS、TOEIC、TOEFLなど民間で実施されてきたさまざまな検定試験は、「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能をバランスよく評価する点に特色があります。そこで、大学入学者選抜においても4技能評価への転換を進めるねらいから、2021年1月に始まった大学入学共通テストでは、英語の外部検定試験を活用する予定になっていました。しかし、受験生の居住地や家庭の経済的事情による格差など、さまざまな問題点が浮上したため、導入はいったん見送られます(2019年11月)。その後、文部科学省が設置した有識者会議が改めて外部検定試験の活用について議論しましたが、最終的に「実現困難」とする提言が出され、2021年7月には共通テストにおける外部検定試験の導入は正式に断念されました。
共通テストへの導入がなくなったのは、全国一律に公平なしくみを整えるのがどうしても難しかったから。大学入学者選抜にも4技能評価を取り入れよう、そのために外部検定試験を活用していこう……という方向性自体は変わっていません。事実、各大学が個別に判断して活用するケースは着実に増えてきており、有識者会議の提言もそうした動きを後押ししています。

個別選抜で広がる
外部検定試験の活用

外部検定試験の活用は学校推薦型選抜(旧・推薦入試)や総合型選抜(旧・AO入試)で先行し、その成績を優遇材料にするケースはかなり以前からありました。現在では、一般選抜(一般入試)にも活用が広がり、「外部検定の成績を出願要件にする」「外部検定の成績を点数に換算する」「外部検定の成績によって段階的に加点する」……など、活用方法も実に多様化しています。
たとえば、広島大学では総合型選抜、学校推薦型選抜ばかりでなく、すべての学部の一般選抜(前期日程・後期日程)で外部検定試験の成績を利用することができます。具体的に言うと、検定試験で一定水準以上の成績をとっている受験生は、大学入学共通テストの英語の得点を「満点」扱いしてもらえるのです。
また、早稲田大学の一般選抜では商学部に「4技能テスト利用型」、文化構想学部・文学部の一般選抜に「4技能テスト利用方式」が設けられており、いずれも外部検定試験で基準点以上の成績をとった人だけが出願できる特別な枠になっています。(文化構想学部・文学部の「4技能テスト利用方式」では英語の独自試験も免除され、国語と地歴の2科目だけで合否を判定。)また、これら3学部の他に、国際教養学部の一般選抜にも外部検定試験の成績を提出すれば加点を受けられる制度があります。

大学によって
対応に違いも……

外部検定試験の扱いをめぐっては、大学による温度差も浮き彫りになってきています。東京大学は共通テストでの外部検定活用の見送りが決まる一年以上も前に、「出願にあたって、外部検定の成績の提出を義務づけない」方針をいち早く発表しました(2018年9月)。その後もいまに至るまで、外部検定試験の扱いには慎重です。学校推薦型選抜で提出する資料の一つに挙げられてはいますが、一般選抜にも活用を広げようとする動きはありません。また、慶應義塾大学も大学独自の試験問題にこだわる姿勢を鮮明にしており、いまのところ外部検定試験は入学者選抜には使われていません。(2021年9月時点。)
このように、大学によって対応は異なるものの、全国的には入学者選抜に外部検定試験を活用するケースは年々増えてきています。何らかのかたちで外部検定試験を入学者選抜に組み込んでいる大学は、すでに全体の半数を超えました。外部検定試験にチャレンジするみなさんは、志望校・受験校の入学者選抜要項を確認し、どう活用するかをしっかり検討してみてくださいね。

 

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