思考力型入試にみる、これから求められる力~東大推薦入試(教養学部)編~
2018年6月18日
カテゴリー : 大学受験

東京大学(以下、東大)では、多様な学生を取り入れ大学を活性化させる目的で平成28年度より推薦入試を実施しています。東大が求める学生像、東大が育成しようする人物像を東大推薦入試(教養学部)を通してみていきます。
東大推薦入試とは?
東大では、多様な学生を取り入れ大学を活性化させる目的で平成28年度より推薦入試を実施しています。平成30年度の入試では、募集定員100名程度に対して、志願者数179名、合格者はわずか69名という狭き門でした。
東大が求める学生像、東大が育成しようする人物像とは?
「東京大学アドミッション・ポリシー」を読むと、東大が求める学生像と、東大がどういった人物を育成しようとしているのか(教育理念)がわかります。
【求める学生像】
自ら主体的に学び、各分野で創造的役割を果たす人間へと成長していこうとする意志を持った学生
【教育理念】
国内外の様々な分野で指導的役割を果たしうる「世界的視野をもった市民的エリート」(東京大学憲章)を育成すること
自国の歴史や文化に深い理解を示すとともに、国際的な広い視野を持ち、高度な専門知識を基盤に、問題を発見し、解決する意欲と能力を備え、市民としての公共的な責任を引き受けながら、強靭な開拓者精神を発揮して、自ら考え、行動できる人材の育成
東大推薦入試では何が問われる?
では、東大の推薦入試では何が問われるのでしょうか?
東大の推薦入試問題をみると、問題解決力や思考力、主体性等、「21世紀型スキル」や「学力の3要素」などで示されている「これからの時代に求められている力」が問われていることがわかります。
平成30年度の教養学部では次のような小論文課題が出題されました。
2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals)では、2030年までに達成をめざす17分野が示されている。このうち、学際科学科に関係の深いものとしては、目標7(エネルギー)、目標14(海洋資源)、目標15(陸上資源)などがあげられる。これらの目標(17目標に入っていれば、上であげた目標以外でも良い)からあなたの関心のあるものを1つ取り上げ、どのような問題が現在起きているのかを説明しなさい。
その上で、そうした問題の解決につなげるために、あなたが学際科学科でどのように学ぼうと考えているか、入学後の計画について、具体的に詳しく述べなさい。
いかがでしょうか?
日ごろ、様々な情報を主体的に取り込み、考えていないと、なかなか「持続可能な開発目標」(SDGs)について論述するのは難しいのではないでしょうか。
こうした出題は、東大がアドミッション・ポリシーで掲げている「世界的視野をもった市民的エリートの育成」「国際的な広い視野を持ち、問題を発見し、解決する意欲と能力を備え、自ら考え、行動できる人材の育成」に沿ったものであるといえるでしょう。
これから必要となる学びとは?
今後、「どれだけ多くの物事を暗記できているか」ということよりも、「どれだけ主体的に学んできたか」「どれだけ問題解決力があるか」といったことが問われる時代に変わりつつあります。
そうした時代の変化に合わせて、学び方もこれまでのものから変えていく必要があるのかもしれません。
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