新大学入試の新しい入試区分とは?学力は必須、多様な評価軸を導入。
2020年5月24日
カテゴリー : 大学受験

新大学入試では、(1)基礎的な知識・技能、(2)思考力・判断力・表現力、(3)主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度――こうした「学力の3要素」が重視されます。
【学力の3要素】
※試験の難易度の比較ではありません。
学力観の変化にともない、これまでの入試区分も名称や方針などが新大学入試では整理されています。
新しい入試区分
従来の一般入試は、新大学入試では名称が「一般選抜」になります。筆記試験が中心であることにかわりはありませんが、調査書や本人が記載する資料も積極的に活用し、より多くの観点で評価していく方針です。
新大学入試では、AO(アドミッション・オフィス)入試は「総合型選抜」に、推薦入試は「学校推薦型選抜」にそれぞれ名称が変更。多様な評価軸を用いた選抜がおこなわれ、総合型選抜では受験者自身が記載する資料を活用、学校推薦型選抜では学校(高校)からの推薦書に記載された学習歴・活動歴を評価に取り入れます。
こうした動きは「学力を問わない」という方向に進んでいるわけではありません。むしろ、これまでのAO入試や推薦入試の一部が「知識・技能」や「思考力・判断力・表現力」を問わないと受け止められてきたことが問題であり、総合型選抜でも学校推薦型選抜でも、各大学が実施する評価方法(小論文やプレゼンテーション、各教科・科目にかかわる試験、資格・検定試験の成績など)、あるいは、大学入学共通テストのうち、少なくともいずれか一つを活用することが必須になりました。
【新しい入試区分まとめ】
コロナ禍で面接にも工夫
ただし、新大学入試に対しても新型コロナウイルスの影響が影を落としています。総合型選抜や学校推薦型選抜の評価の対象になる文化活動や資格・検定試験、スポーツ大会などの中止や延期が相次いでいるのです。これに対し、文部科学省はオンラインで面接をするなどの配慮や工夫をするよう、全国の国公立、私立大学に通知。大学の授業へのオンライン参加やリポートの作成、スポーツの実技を撮影した動画の提出などを示し、多様な選抜方法の工夫を呼びかけています。
【中学生へのアドバイス】興味や関心の幅広げて
中学生のみなさんは大学入試まで、しばらく時間があります。部活動や自由研究など、いろいろなことにチャレンジしてください。興味や関心の幅が広がり、これからの入試でも必ず役に立ちます。大学入試にあてはめてみた場合、ものの見方や学びに対する姿勢など、受験生が自分の考えを記載する「総合型選抜」が一例といえそうです。視野を広げることは、新しいものの見方を身につけることにほかなりません。じっくりと取り組んでください。
【高校生へのアドバイス】情報収集に取りかかる
大学入試は、各大学が「求める学生像」を明確に示し、多様な強みをもつ受験生を評価する形になりつつあります。さまざまなタイプの入試が実施され、「どの入試に臨めばいいのだろうか」と迷う受験生も少なくありません。けれども高校生のみなさんには、こうした動きをチャンスの拡大ととらえてほしいと思います。基礎的な力を身につけたうえで、自分の長所を生かすにはどのような入試を利用するのがいいか、はやくから情報収集に取りかかることをおすすめします。
(Z会中高事業本部・中村一貴)
※本記事は「朝日中高生新聞」に掲載されています。
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