2023年度 筑波大学 国語
2023年7月31日
カテゴリー : 大学受験
現古漢ともに記述式が中心。的確に答案をまとめる記述力が求められる。
現・現・古・漢の大問4問の構成(看護学類は現代文2問のみ)。現古漢ともにほぼすべてが記述式の出題で、読解力とともに、解答欄に収まる字数で答案を的確にまとめる記述力が求められている。
*分量:変化なし *難易度:やや難化(昨年度比)
■概要 (120分、看護学類:90分)
* 出題・解答の形式
- 現代文は評論1問と小説もしくは随筆1問の組み合わせ。
- 古文は和歌を含んだ有名出典から出題されることが多く、設問も和歌に関するものが出題される。
- 漢文は近年では散文からの出題が多いが、漢詩が出題されることもある。また、書き下し問題は頻出。
- 設問は記述式が中心。選択式問題や抜き出し問題、単答式の設問が出題されることもある。
- 記述式問題には基本的に字数制限がないので、解答欄の大きさから字数を判断する必要がある。
* 特記事項
- 第二問は、2018年度・2020~2022年度と同じく小説から出題された。
- 第四問の漢文は、2022年度の漢詩+散文の形式から、散文のみを出題する2021年度以前の形式に戻った。
■各問の分析(難易度は筑波大受験生を母集団とする基準で判定しています)
第一問:現代文(評論) 佐々木健一『美学への招待』 [標準] 芸術の複製について、「オリジナル」との比較を通じてその存在価値を論じた文章。身近な具体例が多く取り上げられており内容は比較的とらえやすいものの、設問はいずれもまとめ方の巧拙で差がつく。 |
第二問:現代文(小説) 柴崎友香『百年と一日』 [やや難] 国際空港のターミナルを舞台とした群像劇風の文章。直接的な心情描写が少ないため、「巨大なガラスの壁」「離着陸を繰り返す飛行機」などの情景描写を手掛かりにして、心情を丁寧に読み取り答案にまとめる必要がある。 |
第三問:古文(物語) 『大和物語』 [標準] 貴人の恋愛における和歌贈答を描いた文章。例年の傾向に沿った出題で、和歌についても掛詞などの修辞技法を含めた内容把握が求められた。典型的な場面展開のため、古文の演習経験を多く積んでいれば解きやすかっただろう。 |
第四問:漢文(散文) 『列子』 [やや難] 孔子とその門人の問答文だが、登場人物に注が全く付されておらず、同種の文章に十分に慣れていることが読解の前提となる。問四の全体要旨もまとめ方が難しいが、問一の現代語訳・問三の書き下しでは確実に得点したい。 |
■求められる力とその養成
- 現代文は解答の根拠は見つけやすいが、解答にまとめる際に苦労する設問が多い。解答にあたっては、どの要素を盛り込み、どのようにまとめるとよいのか、第三者の目で添削してもらうことが必須である。読解力と記述力を養う訓練を着実に積んでおこう。
- 古文は和歌を絡めた文章が出題される。和歌の読み取りにあたっては、和歌のやりとりをめぐる人間関係にも留意するよう心掛けてほしい。掛詞などの和歌の技法が絡む設問も頻出。和歌に関する基本的な知識を蓄えておこう。
- 漢文は、現代語訳や書き下し問題・説明問題・全体のまとめの問題と、バランスよく出題される。漢文法や句形などの基本事項の習得に加え、文章の要旨をとらえる訓練が肝要。問題集などで解いた漢文の現代語訳を利用して、漢文の要旨をまとめる練習をしておこう。
- 筑波大の場合、古典は基礎知識を問う設問が例年出題されるので、このような設問で不用意に失点しないことが必須である。古典文法などのルールをしっかり押さえたうえで、読解練習を重ねよう。
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