教育&入試トレンドニュース【2021年9月号】
2021年9月1日
カテゴリー : 教育情報全般
新大学入試を含め、さまざまな教育ニュースを毎月配信する「教育&入試トレンドニュース」9月号です。
主なニュース
【「未来思考」の学校施設とは?】
8月20日、文部科学省の有識者会議は「新しい時代の学びを実現する学校施設の在り方」についての中間報告を公表しました。
今年1月にまとめられた中央教育審議会答申で、目指すべき「令和の日本型学校教育」として「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」という方向性が新たに示されました。1人1台端末の環境整備が急速に進み、ポストコロナを見すえた「ニューノーマル」の実践が求められるなど、小中学校・高校ではこれまでになかった光景が広がってきています。そうした現状をふまえて、学校施設の新たな在り方が検討されているのです。
中間報告は、新時代の学校施設の姿について「未来思考」を打ち出しました。「未来思考」の視点とは、「学校は、教室と廊下それ以外の諸室で構成されているものという固定観念から脱し、学校施設全体を学びの場として捉え直す」こと、「紙と黒板中心の学びから、1人1台端末を文房具として活用し多様な学びが展開されていくように、学校施設も、画一的・固定的な姿から脱し、時代の変化、社会的な課題に対応していく視点(可変性)をもつ」ことだと述べられています。「黒板」や「教卓」に代表される教室のイメージは、すっかり過去のものになっていくのでしょうね。
(参考)
▼「新しい時代の学びを実現する学校施設の在り方について」中間報告の公表について (文部科学省)
その他のニュース
◆7月29日:筑波大学は2023~2024年度の一般入試における調査書を用いた主体性等評価を見送ると発表。もともと2021年度の一般選抜から導入が予定されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で高校生の学習や活動が制限される状況となったため、2021~22年度は導入しないことに。活動制限の影響が今後も残る可能性を考慮し、2023~24年度についても見送りが決まりました。
(参考)
▼令和5年度及び令和6年度一般選抜における調査書を用いた主体性等評価の見送りについて (筑波大学)
◆8月4日:進学情報サイト『マイナビ進学』が「2021年 高校生の進路に関する保護者調査」の結果を公表しました。子供の進路選択や学校選びについて困っていること、悩んでいることとして最も多く挙がったのは「学費が工面できるか不安」で、24.5%の保護者が回答。高校3年生では、進学先の学費について子供と話をしたことがあると回答した保護者が約7割に達しています。
(参考)
▼マイナビ進学「2021年 高校生の進路に関する保護者調査」を実施 (マイナビ)
◆8月5日:オンライン授業配信サービスのスクーが、大学などでのオンライン授業の実態に関する学生アンケート結果を公表。実習やゼミなどでは対面授業を希望する学生が多いのですが、講義形式の授業についてはオンラインやハイブリッド型を希望する学生が約7割を占めています。授業内容によって受講方法を変えたい、選びたいと考える学生が増えているようです。
(参考)
▼オンライン授業の実態に関する学生アンケートを実施 (スクー)
◆8月18日:地元で賛否が分かれていた徳山大学(山口県周南市)の公立化構想をめぐり、周南市議会が関連する議案を可決したことで、2022年4月から「周南公立大学」として開学する見通しになりました。2024年4月には新たに看護学科、情報科学科を設置する方針です。これまで私立大学が公立化した例としては、高知工科大学、名桜大学、長野大学などがあります。
(参考)
▼「大学を生かしたまちづくりの方向性-徳山大学公立化についての市の考え方-」の策定について(山口県周南市)
◆8月20日:近畿大学(大阪府東大阪市)は2022年4月に開設する情報学部の総合型選抜(AO入試)で、選考を完全にオンラインで実施すると発表しました。一次選考では出願時に提出した自己PR動画を評価。二次選考ではオンラインで「プレゼンテーション」「口頭試問」を実施します。出願条件のうちには、情報系コンテストへの出場や情報関連資格の取得なども含まれます。
(参考)
▼情報学部の総合型選抜(AO入試)を完全オンラインで実施 (近畿大学)
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