教育＆入試トレンドニュース【2022年5月号】

2022年5月2日

さまざまな教育ニュースを毎月配信する「教育＆入試トレンドニュース」５月号です。

主なニュース

【教育未来創造会議　初めての提言へ】

４月18日、岸田首相の諮問機関である教育未来創造会議のワーキング・グループで、第１次提言の素案が示されました。
少子化の進行により、未来を担う大学生等の数が減る時期にさしかかったいま、日本の高等教育はさまざまな課題に直面しています。まず、これからの社会に求められるデジタル人材、グリーン人材（脱炭素化に関わる人材）が圧倒的に不足していること。諸外国に比べて理工系の学生の割合が著しく低く、とくに女子が理工系分野に進学しない現状……。
人材育成にこうしたアンバランスが生じている背景には、高校における伝統的な文系・理系の分断などがあると見られます。素案は、文系・理系の枠を超えて課題解決に取り組む「総合知」を創出・育成することの重要性を強調。そのうえで、大学等の機能強化やリカレント教育（学び直し）の促進など、デジタル、グリーン分野を引っ張る高度専門人材を育成するための道筋を多角的に示しました。
ワーキング・グループでの議論を踏まえて教育未来創造会議は５月に第1次提言をまとめる予定。それを受け、政府は「経済財政運営と改革の基本方針（骨太の方針）」などに提言内容を反映させていくことになります。

（参考）
▼第４回　教育未来創造会議ワーキング・グループ　配布資料　（内閣官房）

その他のニュース

◆３月31日：学校情報サイト「日本の学校」を運営するＪＳコーポレーションが累計約22万人の高校生が回答した「大学人気ランキング」の集計結果（３月末時点）を公表。国立・公立・私立でそれぞれ１位だったのは東京大学、東京都立大学、青山学院大学です。国立・私立では前月の集計時から順位に大きな変化はありませんが、公立大学では前回２位の東京都立大学が前回１位の大阪市立大学を抑えてトップに。

◆４月１日：理化学研究所数理創造プログラムおよび東京大学教養学部、京都大学理学部は、2022年４月より大学間連携オンライン講義システムを新たに開設し、両学部生を対象とする授業を始めると発表。京都大学や東京大学の教員だけでなく、理研など研究機関の若手研究者も講義を担当。学生は所属する大学の授業として履修し、単位を取得できます。東京大学と京都大学の学生が同じ講義を受けて交流するのは、これまでにない試みです。

（参考）
▼オンライン授業を用いた新しい大学間連携講義を開設　（理化学研究所）

◆４月13日：ともに東京都文京区に本部を置く東洋学園大学と文京学院大学が、学生の課外活動等における相互交流に関する協定を締結しました。二つの大学はすでに2021年度から単位互換や学生・職員の意見交換などの取り組みを行っていますが、さらなる交流拡大に踏み込んだかたち。サークル活動などを通じた学生間の交流の活性化を目指し、教員や事務職員間の交流も推進するということです。

（参考）
▼東洋学園大学との課外活動等における相互交流に関する協定締結式を実施　（文京学院大学）

◆４月14日：神戸大学での起業家教育の拠点、アントレプレナーシップセンターが５月に始動する「起業部」について、初めての入部説明会を開催。起業部はその名の通り、起業をめざす学生のための部活動です。2014年、崇城大学（熊本市）に日本で初めて大学公認の起業部が設立されて以来、起業部がある大学は着実に増えてきました。神戸大学起業部は、2033年３月までの10年間に30社の起業、３社の上場を目標に掲げています。

（参考）
▼神戸大学起業部部員募集中　（神戸大学アントレプレナーシップセンター）