京大英語

京大英語 − 京大過去問対策 合否を分けた「差がつく一問」

Z会の京大コース担当者が、2022年度入試の京大英語を徹底分析。受験生の再現答案や得点開示データをもとに、合否を分けた「差がつく一問」を選定し、京大英語の攻略法を詳しく解説します。

まずは、2022年度の「京大英語」を俯瞰しよう

はじめに、問題構成や出題傾向をおさえて、「自分が受ける入試問題」を正確に把握しましょう。

高度な論理的思考力と記述力・表現力が必須!

2022年度の長文読解は、和訳中心だった2021年度から一転、大問2題とも内容説明1問と和訳2問という構成でした。英作文は、定番の和文英訳の他、100語程度の自由英作文が出題されました。京大英語の出題形式は流動的ですが、今年度も高度な論理的思考力と、それを的確に相手に伝える記述力・表現力が求められました。

合否の分かれ目は?

出題形式の変化への対応がカギ

近年の京大英語は毎年出題形式に変化があり、読解問題における和訳問題と内容説明問題の比重が大きく変わったり、過去に出題されたタイプの自由英作文が復活したりしたこともありました。

それゆえに、過去問の傾向をしっかりと押さえ、変化を想定した上で準備をすることがカギとなります。本番当日に問題用紙を開いて、新傾向の出題があったとしても焦らずに、自分の得意・不得意に合わせて優先順位を付け、うまく時間配分できるかどうかが合否に大きく影響します。

実際に合格者からは「おおむね計画通りの時間配分でいけたので心が安定した」という声もあり、落ち着いて実力を発揮するには事前の計画が重要であることがわかります。一方、不合格者からは「Ⅲ・Ⅳの英作文で思った以上に時間がかかってしまった」という反省も聞かれました。

合格者・不合格者それぞれの傾向は?

Z会の再現答案分析における英語の平均点を見ると、例年と同じく合格者と不合格者の差は10点程度でした。文系であっても理系であっても必要となる英語は、数学などの他の科目と比べるとそれほど大きな開きはなく、文理問わず得点源としている人が多いようです。

京大入試においては、英語の攻略は合格を勝ち取るための前提であり、その上で他の科目を含めた総合的な対策が求められます。1点が合否を分ける入試において、着実に得点を積み上げるために、英語は早めに、かつ確実に力をつけておく必要があります

なお、その年度の問題の難易度や、受験する学部によっても状況は異なるため、参考値とはなりますが、今年度のZ会の再現答案分析においては、合格者平均99.6点に対し、不合格者平均90.4点でした。

合否を分けた一問は…?

大問Ⅰ・Ⅱ・Ⅳは毎年形式に変化があり、臨機応変に対応しなければならない一方で、大問Ⅲは安定して京大らしい和文英訳の出題が続いています。

この大問Ⅲを得意にしておくことができれば、時間配分に余裕が生まれ、他の大問で新傾向の出題があった場合でも、そちらにしっかりと時間を割くことができます。結果として、答案全体の完成度を高めることにつながるのです。

また、皆が対策を講じてくる定番の問題だからこそ、少しのミスで得点に差が生じます。 こうした理由から、京大志望者ならば、和文英訳で確実に得点する必要があるのです。

差がつく一問は

≪大問Ⅲ≫

問題はこちら

受験生の再現答案&添削を見ながら、差がつくポイントを確認しよう

以下の答案は、実際に京大を受験したZ会員の先輩が作ってくれた再現答案です。残念ながら目標点(合格ライン)には達していませんでした。 まずは、実際の答案をZ会の添削指導付きで見てみましょう。そのうえで、Z会の分析を読み、どこで差がついたのかを確認していきましょう。

結果はこちら

※満点・目標点はZ会の分析による。志望科類(学部)によって、過去問添削の成績表に表示される目標点と異なっていることがあります。

それでは、この答案には、「どんな要素が足りなかったのか」「どういう対策をしていれば目標点に届いたのか」を詳しく見ていきましょう。

目標点とのギャップをどう埋める?

京大の和文英訳は、そのまま英語にするには難しい、こなれた日本語が使われるため、まず日本語での言い換えが必要になります。この答案ではこの言い換えを試みている点はよいものの、その精度が高くありませんでした。

例えば第1文は、問題文の日本語では「数ある」は「楽しみ」にかかっていますが、答案では several travels と「旅」が複数あると表現してしまっています。英語で書き出す前に、日本文に込められた意味を正確に理解し、それを過不足なく的確に第三者に伝えられる表現を選択することが、目標点のクリアには不可欠です。

また、名詞の可算・不可算、冠詞や代名詞の使い方にも不備が見受けられます。不確実な点は辞書や参考書で調べる習慣をつけましょう。

受験生全体の解答傾向は?

今年度の大問Ⅲは、日常的な内容ではあるものの、「目の保養」「心がふっと軽くなる」といった日本語特有の表現の訳し方に工夫が求められました。高得点者は、こうした日本語を「リラックスできる」など、自分が英語で表現でき、かつ元の意味から大きく外れない範囲でうまく言い換えることができていました

一方、残念ながら不合格だった答案の多くは、元の日本語をそのまま英語にしようとして不自然な表現になっていたり、日本語での言い換えがうまくできず元の意味から外れてしまったりしていました。また、基本的なミスによる減点も積み重なって、目標点に及ばない結果となりました。

日本文を丁寧に訳出しつつ、細かい文法・語法のミスを最小限にできたかどうかで、明暗が分かれる結果となりました。

Z会が独自作成。この大問の採点基準はこちら!

大学から採点基準が公表されていない中、Z会では、実際の受験生の答案や得点開示データを毎年収集し、綿密に分析。長年の分析に基づいて作成した独自の「採点基準」で、本番に限りなく近い採点を可能にしています。

「2022年度入試 京大英語 大問Ⅲ」の採点基準

配点 25点 《配点のめやす》 ※( )内の得点は、各文を英訳できた際の得点を示す。

  • 第1文 数ある旅の楽しみのなかで、車窓からの眺めというのもまた捨てがたい。(4点)
  • 第2文 そこに美しい自然が広がっていれば、ただただ目の保養になる。(3点)
  • 第3文 でも、ありふれた田舎や街並みを眺めているのも悪くない。(3点)
  • 第4文 そこに見かける、きっとこの先出会うこともなさそうな人々は、みなそれぞれにその人なりの喜びや悲しみとともに暮らしている。(8点)
  • 第5文 そう思うと、自分の悩み事もどこか遠くに感じられて、心がふっと軽くなる気がするのだ。(7点)

※「文法・語彙」のミスは1箇所につき(-1)~(-2)。

一言コメント: 当てはまる英語を考える前に、まず日本語の意味するところをよく検討しよう。

Z会の『過去問添削』で、京大対策を進めよう!

京大対策にみがきをかけよう。あなたの答案をZ会が添削。自分では見抜けない弱点が浮き彫りになる。 Z会では、特別講座『過去問添削』を開講中です。長年の分析に基づく正確な採点で現在の実力を正確に把握。そのうえで、あなたの答案に寄り添った適切なアドバイスにより、次の打ち手が明確になります。実戦力を効果的に高められる講座です。

Z会京大コース担当者からのメッセージ

京大英語は圧倒的な記述量の多さと難度が特徴で、大学入試の中でも群を抜く高度な出題ですが、傾向を押さえることでしっかりと対策が可能です。長文読解問題では和訳や内容説明の文章の精度が、英作文では適切な文法・語彙・構文の活用が問われます。

さらに近年では自由英作文の比重が増え、説得力のある内容を構成する論理的思考力が求められています。 こうした力をつけるには、過去問で実際に記述問題に取り組み、それを英語のプロの目で見てもらうことが、何よりも大切です

京大の求める英語力にたどり着くために、実際に京大の入試問題を解いて自分の現状を知り、さらには自分のミスに100%対応した個別指導を受けられる過去問添削で、答案作成力を上げ、京大合格を勝ち取りましょう!

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