「京大化学」2020年度京大入試分析

今年度の入試を概観しよう

分量と難度の変化 (理科…時間:2科目180分)

  • 2019年度との比較では、全体の難易度は難化。
  • 設問数は23→15と8題の減少だが、枝問数が多い問題が増え、ページ数は16→18ページと増加したため、負担感は昨年度と大差ない。
  • 大問数は4で例年通りだが、中問に分割されている大問は化学問題I、IIの2つであった(2016年度以降は、すべての大問が複数の中問に分割されていた)。

2020年度入試の特記事項

  • 例年以上に難度の高い問題が多かった。
  • 無機分野の知識を必要とする問題がほぼなかった。
  • 昨年度に続き、論述問題が出題されなかった。
  • 導出過程を書かせる計算問題の数は2題で、昨年度よりも1題増えた(近年では2017年度のみ多く、7題であった)。

合否の分かれ目はここだ!

  • まずは、化学問題I(a)、化学問題IIIを解き、化学問題II(b)の問5など他の大問の平易な小問を確実に得点する。
  • その上で、読解力・思考力が必要な問題でどれだけ正解できたかが合否の分かれ目になったであろう。
  • 具体的には、化学問題II(a)の問1、問2、化学問題IVの問2、問3の出来が、合否に影響したと考えられる。
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大問別のポイント

 化学問題 I  

(a) <理論> 電離平衡、溶解度積、錯形成定数

  • 「硫化水素の圧力が1気圧のとき、25℃の水1Lに溶ける硫化水素の物質量は、pH や溶液組成によらず1.0×10-1mol である。」という文章から、[H2S]=0.10mol/Lとして誘導に従いながら解いていくと、サで異常な値が出てしまう。そのため、「pH=14では電離していない硫化水素濃度[H2S]は無視できる」という文章から「25℃の水1Lに溶けている硫化水素の全物質量が1.0×10-1mol である」と考えてサ以降を解いていく。

(b) <理論> CdSの結晶構造

  • 見慣れない題材ではあるが、問3は点数を取りたい。問2、問4は結晶構造の模型を作ったり、見たりしたことがある人は、どのような隙間があるか考えやすかったかもしれない。もし解法が思いつかなければ後回しにするのがよいだろう。

 化学問題 II  

(a) <理論> 沸点上昇、蒸気圧降下、気体の法則、電気分解

  • 問題の設定がやや複雑でグラフの読み取りもあるなど、問1、問2はやや難しい問題である。リード文を丁寧に読み、条件を整理して解いていきたい。

(b) <理論> 気体の平衡

  • 問5、問6は京大受験生であれば確実に解答したい。問7は平衡定数を利用した計算や平衡時の物質量を計算するなど手間がかかるが、慎重に解いていきたい。

 化学問題 III  

<有機> 有機化合物の構造決定

  • 大問で問題が1題のみは珍しい。
  • リード文から、E、G、Hが決まるので、そこからFを決定できるかが勝負になる。Fさえ決まれば、炭素の数をヒントに芋づる式にB〜Dが決まり、Aが決まる。

 化学問題 IV  

(a) <有機> 糖類

  • フィッシャー投影式は2019年度にも出題された。そのため、一度はフィッシャー投影式に触れたことがあるはずなので、冷静に対応したい。
  • 長いリード文であるが、慎重にヒントを読みとることができれば問2、問3は正解にたどり着ける。

 攻略のためのアドバイス

2020年度の京大化学は、長いリード文、図、グラフ、を正確に読み取る読解力および思考力が必要な難度の高い問題が多かった。今年度のように、目新しい題材や長いリード文からその場で状況を理解させることで、思考力・読解力といった力を試す内容であるという根本的な特徴は、今後も変わらないと考えられる。
京大化学を攻略するために、高校化学の内容を完全に理解したうえで、それを応用する問題に意欲的に取り組んでほしい。また、出題範囲の約半分を占める有機化学は重点的に学習し、幅広い知識とその活用力を養成してほしい。
京大化学を攻略するには、次の3つの要素を満たすことをめざそう。

●要求1● 思考力

高校で学習する内容をそのまま当てはめるだけの問題も出題はされるが、合否の決め手となるのは、高校範囲の知識を応用させて自分で考えなければならない問題である。このような問題を考える力、またそれに立ち向かおうとする姿勢がない限り、合格を手にすることはできない。

●要求2● 読解力

京大化学の大きな一角を占めるのが、空欄補充形式の問題である。また、受験生が目にすることの少ない題材を取り上げ、それを理解した上で解答する問題も出題される。初見の題材であっても、限られた時間の中で問題文を読みこなし、正確に内容を理解する力が要求される。

要求3● 有機化学分野の幅広い知識と活用力

京大化学では、出題の約半分を有機化学が占める。高校範囲の内容理解はもちろん必須であるが、読解や思考の前提となる幅広い知識と深い理解が必要となる。構造決定問題はとにかく演習をたくさん積んでおきたい。また、天然有機化合物の分野は、基本知識に穴がないよう、早めに対策をしておくこと。
まずは、高校化学の内容を完全に理解することから始めよう。高校化学の内容で曖昧な部分があると、●要求1●を満たすことはできない。Z会の通信教育、Z会の教室、Z会の映像などで、基本的な各単元の理解を確認しながら学習を進めていこう。

対策の進め方

高校化学の内容を理解したら、次に●要求1●を満たすために、Z会の通信教育、Z会の本などで、高校範囲の内容を応用させて考える問題に取り組んでみよう。このタイプの問題は問題文が長いことが多いため,並行して●要求2●を満たしていくこともできる。また、●要求3●を満たすため、有機化学の補強も重点的に行っておきたい。
空欄補充形式の中には数値計算を要するものもあるので、計算力も必要である。そのため、普段の問題演習では、実際に手を動かして計算し、計算自体にしっかり慣れておこう。また、論述対策として、日頃の学習から、現象や操作、それらの理由を理解し、短い字数でまとめる訓練を積み重ねておこう。

Z会で京大対策をしよう

Z会京大化学担当者からのメッセージ

繰り返しになりますが、今年度の京大化学は、長いリード文、図、グラフを正確に読み取る読解力および思考力が必要な難度の高い問題が多かった試験でした。ただ、難しい問題が多くても、平易な小問はあります。平易な小問をミスなく手際よく解き進める得点力を備えている必要がありました。
読解力・思考力・有機化学の幅広い知識などといった、京大化学攻略に必要な力は、今後も必要になることに変わりはありません。Z会の[本科]京大コースは、対策が遅れがちな高分子化合物の範囲を扱いますし、長い問題文をとおして読解力を養う問題も扱うので、京大化学攻略に必要な力を養うのに最適です。また、京大は結果重視の採点のため、自己採点ではついつい単なる答え合わせになりがちですが、このコースでは添削指導によって結論に至る課程のミスも分析し、得点力も高めます。このコースで学習を積み重ね、京大合格を勝ち取りましょう!

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