「京大英語」2020年度京大入試分析

今年度の入試を概観しよう

分量と難度の変化

  • 分量:昨年並み / 難易度:昨年並み

大問数は2019年度の3題から2018年度以前と同様の4題構成に戻った。2019年度では大問2で長文読解の中の1題として自由英作文が出題されたが、2020年度は大問4で自由英作文が独立して出題された。また、長文読解でも空所補充問題が消え、和訳問題が減るなど傾向の変化があり、長文読解の設問数は減ったものの、記述問題の負担が増えたので、今まで以上に正確な内容理解力・記述力が求められた。

2020年度入試の特記事項

  • Ⅰでは内容説明問題のうち1題で箇条書きの形式が指定された。また、空所補充問題が姿を消した。
  • Ⅱでは内容説明問題が2題のみとなり、和訳問題は出題されなかった。
  • Ⅲは2019年度同様、京大らしい和文英訳が出題された。
  • Ⅳは2019年度ではⅡの長文読解の中で問われた自由英作文が、単独の大問となった。京大では初めての問い合わせ型の自由英作文。

合否の分かれ目はここだ!

  • Ⅱで京大で長年定番の形式として出題されてきた和訳問題がなくなり、代わりに下線部の理由をまとめる形式でパラグラフ要旨や文全体の流れの理解が問われるような問題が出題された。下線部自体には指示語もなく、踏まえるべき「パラグラフ」のみが指定されるという設問だっただけに、どこまで説明に含むべきか迷ったかもしれない。
  • Ⅲは特に「やっとの思いで手に入れた」「すり切れる」「モノがないからこそ大切にする」といった表現をうまく読み換えて既知の表現で表せたかで、点差が開いただろう。
  • Ⅳでは問題文で設定されている状況を素早く理解し、「丁寧な文章」という条件を守りながら、いかに具体的な奨学金の問い合わせ内容を思いつけたかがポイントだった。
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大問別のポイント

 I【長文読解】 

  • 論説「動物の認知能力」についての約560語の英文。小問は3題から成り、2019年度まであった空所補充問題は出題されなかった。
  • (1)内容説明。3つの該当箇所は見つけやすいが、refraction(光の屈折)、trajectory(軌道)など難語の意味を文脈からうまく推測できるかで差がついただろう。
  • (2)内容説明。字数指定がないのでどこまで詳しく説明するか迷っただろう。
  • (3)和訳。昨年度は文構造が取りづらい箇所があったが、今年は構文解析は容易にできるものだった。その分、第1文の much smaller とcomparable(匹敵する)の比較対象をうまく組み込んで訳出できるかがポイント。第2文は cannot be traced to homologous neurological developments が意味を推測しづらい箇所であった。

 II【長文読解】  

  • 論説「アメリカ先住民の歴史」についての約630語の英文。パラグラフごとのつながり・関連性を問われる問題が出題され、文章全体の流れを丁寧におさえる必要があった。小問は2題のみ。
  • (1)内容説明。「第2パラグラフおよび第4パラグラフの内容にもとづき」という指定を見逃さないよう注意。第2パラグラフで盛り込むべき内容は下線直前の指示語から見つけやすいだけに、もう1つの第4パラグラフの内容を書く際、第2パラグラフとのつながりを正確に記述できたかが明暗を分けただろう。
  • (2)内容説明。まず「下線部(b)の理由」の下線部の内容がどのようなことを指すのかを理解するのに苦戦しただろう。第3パラグラフで述べられている具体的な説明をどのように盛り込んでいくかの判断が難しかった。

 III【和文英訳】 

  • 「モノがないからこそ大切にする」という考えに関する文章の和文英訳問題。
  • 京大の定番の出題形式で、「やっとの思いで」や「すり切れるまで」など日本語独特の言い回しに、和文和訳の工夫が求められた。
  • 「モノがないからこそ大切にする」は、それまでの文脈をしっかり意識して、与えられた日本文をそのまま英訳するのではなく「手に入りづらい〔ほとんどもっていない〕ものだから、私達はそれらを大切にする」などと読み換えて、簡潔な表現でうまくまとめてほしい。

 Ⅳ【自由英作文】  

  • 2019年度に続き新傾向ではあったが、既に解答用紙に問い合わせの形式的な部分については書かれており、書くべき内容自体には目立った特徴はなかった。
  • 奨学金制度そのものに馴染みがない受験生には、奨学金の問い合わせ内容を具体的に書くことが難しかったかもしれない。また「丁寧な文章」という条件を忘れずに would like to ・・・ といったの表現を盛り込み、さらには質問が複数に渡ったときには列挙の表現を使うなどわかりやすく書く必要があった。

 攻略のためのアドバイス

京大英語を攻略するには、次の3つの要素を満たす必要がある。

●要求1● 単語力、文法・構文力

京大入試においては、まず相応の単語力が大前提となる。純粋な語彙の量だけでなく、複数の語義やイディオムなど、1つ1つの語彙に対する深い理解が求められ、日々の英語学習の中で意識的に身に付けていく必要がある。そのためには必ず単語集による学習を行い、日本語と英語のどちらからでも適訳を思い浮かべられるようにしよう。
「文法・構文力」も同様に必須である。これも自分に合った問題集・参考書を見つけ、早めに苦手分野をなくしておくこと。また、知識の定着だけでなく、実際の英文の読解に取り組む中で実戦的に構文を見抜く練習や英作文に組み込む練習も並行して行いたい

●要求2● 精読力

京大の場合、まずは1文ずつ、英文の文構造を把握しながら正確に読む「精読力」の養成から始めよう。難関大の入試を見据えた長文読解の参考書に取り組むことが望ましい。しばらくは、時間がかかっても構わないので、英文を読む際には、辞書を引きつつも単語の意味を文脈から推測して読む練習をしよう。

要求3● 表現力

近年の京大入試は変化が見られる。長文読解では、京大入試の特徴であった和訳問題が減り、内容説明問題の比重が増加している。この傾向は今後も続くと思われ、和訳できるだけでなく、解答の該当箇所を見つけ、適切な長さで解答をまとめる力が必要だ。英作文では、日本語の難しい表現を英語に変換できるだけでなく、与えられた条件・状況を的確に把握し自分の意見や考え、その裏にある理由や意図が相手に確実に伝わるように書く訓練をしておく必要がある。

対策の進め方

まずは、●要求1●の基礎的な部分を満たすことを目指そう。単語にしろ、文法・構文にしろ、覚えては忘れ、忘れては覚えていく地道な努力は確実に実を結ぶ。また辞書を引きながら長文読解問題や英作文問題に取り組み、精読力と実戦的な文法・構文力を同時に高めていこう。

次に、辞書の利用を徐々に少なくしていきながら、制限時間内の解答を意識しつつ京大レベルの問題に取り組もう。長文読解問題では、英文全体の論理展開を意識して取り組むとよい。また、日本語独特の表現をうまく英語で表せるような表現力を身につけ、さらには100語程度の分量で意見や考えを書けるように英作文の演習も積んでおきたい。

最後に、京大レベルの演習に精力的に取り組み、第三者の添削を受けるようにしよう。和訳の比重は減ったものの、近年の出題形式は流動的な部分があるので、自由英作文を含め、一般的な国公立大の記述型問題には対応できるように対策をしておこう。Z会では、さまざまな問題形式を総合的に扱っていく。

Z会で京大対策をしよう

Z会京大英語担当者からのメッセージ

京大英語は、英文和訳と和文英訳の大きな2本柱で構成されたシンプルな出題で長年固定されていましたが、ここ数年で内容説明問題・自由英作文が大きな割合を占めるようになっています。長文読解では下線部和訳だけの出題ではなくなり、英作文も和文英訳に加えて自由英作文の出題が定番化してきました。長文読解、英作文ともに共通するのは、難度の高い英文や英作文で、解くのに時間がかかることです。単に空所や下線部の前後だけの確認にとどまらず、英文全体を俯瞰する必要があります

さらに2020年度の変化として、架空の状況設定がされた上で書く、問い合わせ型の自由英作文が出題されました。2019年度は与えられた条件に対して自分の意見を述べる意見陳述型でしたが、検定試験や他大学でも出題されるような日常的な場面が題材になり、論理的な記述力とともに、より場面に適した表現力が問われるようになりました。文法・語法の正確な運用力はもちろんですが、限られた時間の中で正確に文脈をおさえる読解力と、伝えるべき内容が相手に正しく伝わるように自分の知っている単語・構文で論理的に表現する力が求められていると言えます。

Z会の京大コースは、毎月、内容説明問題など様々な形式の長文読解と英作文双方の演習ができるように設計されています。質の高い問題で実戦的な演習を積み、自分の解答に添った添削指導を受けることで、第三者に伝わる確かな記述力を身につけることができます。Z会を通して記述量の多い京大入試でも確実に得点できるようにし、京大合格を勝ち取りましょう!

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