「京大英語」2021年度京大入試分析

Z会の大学受験担当者が、2021年度前期試験を徹底分析。長年の入試分析から得られた知見もふまえて、今年の傾向と来年に向けた対策を解説します。

今年度の入試を概観しよう

分量と難度の変化

  • 分量:増加 / 難易度:やや難

大問数は2020年度と同様4題であった。近年、長文読解では内容説明問題の出題比率が高まり、100語程度書かせる自由英作文の出題が続いていたが、2021年度は長文読解では和訳中心の設問構成となり、自由英作文では対話文の空所を補充させる形式の出題となるなど全体的に数年前の京大入試に近い出題形式となった。

2021年度入試の特記事項

  • Ⅰでは内容説明問題が出題されず、2014年度以来のすべて和訳問題という出題となった。
  • Ⅱでは内容説明問題が1題のみとなり、和訳問題が2題出題された。
  • Ⅲは京大らしい和文英訳が出題された。
  • Ⅳの英作文は対話の途中に設けられた空所を埋めるタイプで、2018年度以来の出題であった。

合否の分かれ目はここだ!

  • Ⅰ・Ⅱの長文読解は空所補充問題もなく内容説明問題も1題となるなど和訳問題が中心となった。1文が長く難解なものも含まれていたが、限られた時間の中で丁寧に文構造をおさえて訳出する必要があった。
  • Ⅲの和文英訳では、「転ばぬ先の杖」という諺をはじめ、「痛い目を見る」「人としての円熟味が増す」といった表現をうまく別の日本語に読み換えて表現できたかどうかで、点差が開いただろう。
  • Ⅳでは対話の流れから空所部分の内容を想像し、それを定められた語数内でうまくまとめられたかがポイント。(3)は自由度が高かったが、比較的書きやすい内容だっただろう。
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大問別のポイント

 I【長文読解】 

  • 論説「フィクションの効用」についての約570語の英文。空所補充や内容説明問題は出題されず、下線部和訳3題という数年前まで京大では定番だった形式に戻った。英文全体は標準的な語彙で読みやすく、意味内容はとりやすかっただろう。
  • (1)(2) は構文・語彙とも難解なものはないが、何と何が対比されているかを意識して訳すこと、(1)の最終文では省略を補うことが求められた。
  • (3)の clinch a deal は難しい表現だが、主語の They が businesspeople and lawyers を受けていることから見当をつけたいところ。第3文の if they are を省略を補った上で文脈に沿って訳出できるかどうかもポイントであった。

 II【長文読解】  

  • 論説「ジョージ・ヘンリー・ルイスによる評価から読み解く『種の起源』が影響力を持った背景」についての約720語の英文。内容説明問題のみの出題だった2020年度とは異なり、内容説明問題1題と和訳問題2題が出題された。
  • (1)内容説明。2020年度同様パラグラフが指定されており、「文章全体から判断して」という問題文の指定とあわせて考えれば、該当箇所の特定はそこまで難しくなかっただろう。
  • (2)(3)和訳問題。どちらも下線部が長く、文構造が取りにくいものだった。特に、(3)の第1文の the surprising ease and passion with which … の部分は文構造の把握が難しい。さらには第2文の with no better equipment、そして最後の Why not? には文脈をふまえた訳出が求められた。

 III【和文英訳】 

  • 「一歩踏み出す勇気の大切さ」に関する文章の和文英訳問題で、京大定番の出題形式。
  • 「転ばぬ先の杖」という諺や「痛い目を見る」「人としての円熟味が増す」など日本語独特の言い回しに和文和訳の工夫が求められる、京大らしい出題であった。
  • 「転ばぬ先の杖」は、諺の表現そのものでなくとも、「将来起こりうる問題に備えておくことが大切」「失敗しないようにできるだけのことをしておく必要がある」といった内容を伝えられればよい。「人としての円熟味が増す」は mature という単語を使ってもよいし、「人として成長する」と読み換えて易しい単語で表現してもよいだろう。

 Ⅳ【自由英作文】  

  • 2018年度以来となる、対話の流れから空所に入る内容を推測させるタイプの条件英作文。ただし、以前とは異なり用いる語が一部指定されたり、各空所ごとに書く語数が指定されたりした点が今までにはない出題形式となった。
  • 空所に入れるべき内容は前後の文脈から自然と絞られるものが多かったが、(3)は「拙速な一般化(a hasty generalization)」の例を自分で考えて書く必要があった。

 攻略のためのアドバイス

京大英語を攻略するには、次の3つの要求を満たす必要がある。

●要求1● 単語力、文法・構文力

京大入試においては、まず相応の単語力が大前提となる。純粋な語彙の量だけでなく、複数の語義やイディオムなど、1つ1つの語彙に対する深い理解が求められ、日々の英語学習の中で意識的に身に付けていく必要がある。そのためには必ず単語集による学習を行い、日本語と英語のどちらからでも適訳を思い浮かべられるようにしよう。

「文法・構文力」も同様に必須である。これも自分に合った問題集・参考書を見つけ、早めに苦手分野をなくしておくこと。また、知識の定着だけでなく、英文の読解に取り組む中で実戦的に構文を見抜く練習や英作文に組み込む練習も並行して行いたい。

●要求2● 精読力

まずは、1文ずつ英文の文構造を把握しながら正確に読む「精読力」の養成から始めよう。難関大の入試を見据えた長文読解の問題集・参考書に取り組むことが望ましい。しばらくは、時間がかかっても構わないので、英文を読む際には、辞書を引きつつも単語の意味を文脈から推測して読む練習をしよう。

●要求3● 表現力

近年の京大入試は出題傾向の変化が大きい。長文読解では、ここ数年京大入試の特徴であった和訳問題が減り、内容説明問題の比重が増していたが2021年度は和訳中心の出題に戻っている。

このような変化に対応するには、正確に和訳する力と、設問の解答となる該当箇所を見つけ、適切な長さでまとめる力の両方が必要だ。英作文では、日本語の難しい表現を英訳しやすい形に読み換えた上で英語に変換する練習を重ねるだけでなく、与えられた条件・状況を把握し自分の意見や考え、その裏にある理由や意図が相手に確実に伝わるように的確に書く訓練をしておく必要がある。

対策の進め方

まずは、●要求1●の基礎的な部分を満たすことを目指そう。単語にしろ、文法・構文にしろ、覚えては忘れ、忘れては覚えていく地道な努力が不可欠である。また辞書を引きながら長文読解問題や英作文問題に取り組み、精読力と文法・構文を実戦的に活用する力を同時に高めていこう。

次に、制限時間内での解答を意識しつつ京大レベルの問題に取り組もう。長文読解問題では、わからない単語が出てきても逐一辞書で確認せずに、英文全体の論理展開を意識して意味を推測する練習にも取り組むとよい。また、日本語独特の表現を含む問題に取り組み、意味内容を大きく変えることなく英訳しやすい日本語に読み換える練習を重ねよう。自由英作文は出題変化があっても対応できるよう、さまざまな形式・語数の問題演習を積んでおきたい。

最後に、京大レベルの演習に精力的に取り組み、第三者の添削を受けるようにしよう。自分が意図したことが相手に伝わらないと得点にはつながらないので、常に第三者の視点を意識することが大切である。

Z会で京大対策をしよう

Z会京大英語担当者からのメッセージ

京大英語は、近年内容説明問題・自由英作文が大きな割合を占める傾向にありましたが、2021年度は長文読解では和訳の出題が多くなり、自由英作文は空所補充型になるなど、数年前の傾向が復活しました。今後も2021年度のような出題形式が続くかはわかりませんが、例年変わらない特徴として長文読解・英作文ともに、難度が高く、解くのに時間がかかることです。

長文読解では、空所や下線部の前後だけの確認にとどまらず、英文全体を俯瞰する必要があります。文法・語法の正確な運用力が求められるのはもちろんですが、限られた時間の中で正確に文脈をおさえる読解力と、伝えるべき内容が相手に正しく伝わるように自分の知っている単語・構文で論理的に表現する力が求められています。

Z会の京大コースは毎月内容説明問題など様々な設問形式を含む長文読解と英作文双方の演習ができるように設計されています。質の高い問題で実戦的な演習を積み、自分の解答に添った添削指導を受けることで、第三者に伝わる確かな表現力を身につけることができます。Z会での学習を通して表現力が求められる京大入試でも確実に得点できるようにし、京大合格を勝ち取りましょう!

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