「生物基礎」2020年度センター試験分析

投稿日時:2020年1月23日
Z会の大学受験生向け講座の科目担当者が、2020年度のセンター試験を分析。出題内容・各問の分析、攻略ポイントを詳しく解説します。
2020年度センター試験「生物基礎」の出題内容
試験時間と配点
- 時間 / 配点:2科目60分 / 2科目100点(1科目50点)
全体の傾向
- マーク数は増えたが、設問数や考察問題の比率は2019年度と同等だった。難易度は2019年度と大きな変化はないが、選択肢数・マーク数が増えたため、負担感はやや増加した。
- 細胞の構成成分や肺炎双球菌、硬骨魚類の塩類濃度など、教科書に参考やコラムとして記載されている内容、一部の教科書には記載のない内容からの出題があった。
- 2019年度に引き続き、実験データの考察や知識の活用が必要な問題が出題された。
2020年度センター試験「生物基礎」の各問の分析
第1問(18点):生物と遺伝子 [標準]
1.細胞小器官 2.ミクロメーターの計算 3.動物細胞の構成成分 4.遺伝子情報の発現 5.相補的な塩基配列 6.肺炎双球菌の実験
問6は、知識がなくても取り組めるが、知識があれば時間を短縮することのできる内容だった。
第2問(17点):生物の体内環境の維持 [やや難]
1.硬骨魚類の塩類濃度 2.塩類細胞のはたらき 3.沼の塩類濃度の推定 4.細胞性免疫のしくみ 5.免疫細胞間の相互作用
問2は、淡水魚の体内には水が外界から入ってくる(海水魚はその逆)ということを踏まえて考える。
問5は、選択肢の正誤判断に必要な「培養の条件」を、丁寧に見極めていく必要がある。
第3問(16点):生物の多様性と生態系[標準]
1.バイオームに代表的な生産者 2.物質の移動 3.エネルギーの移動 4.温室効果ガス 5.大気中の二酸化炭素濃度の変化の理由
問2は、一次消費者から大気中に向けての矢印があることに着目。ここから、窒素ではなく炭素の循環であると見分けられる。
問4・問5の存在に気が付かなかった受験生が一定数いる可能性がある。
2020年度センター試験「生物基礎」の攻略ポイント
・全範囲から満遍なく出題され、詳細な知識が問われた。
→第1問問3や問6、第2問問1〜3など、コラムや参考にしか記載のない内容から問題が出題された。また、用語選択の穴埋めでは、文脈に沿って適切な語を多数の選択肢から選ぶ必要があった。
・考察問題の比率は2019年度から高めに推移している。
→2018年度以前高かった知識問題の比率は、2019年度・2020年度と低く、考察問題の対策をする余裕の有無が高得点を取るカギとなった。とくに第1問問6、第2問問2・問5、第3問問5は、リード文・設問文や図表の手がかりを踏まえて考えられたかどうかで差がついたと思われる。
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