政治・経済 – 共通テスト(2022年度)の分析&対策の指針

投稿日時:2022年2月8日
Z会の大学受験生向け講座の政治・経済担当者が、2022年度の共通テスト(第1日程)を分析。出題内容や「カギとなる問題」の攻略ポイント、次年度に向けたアドバイスなどを詳しく解説します。
共通テスト「政治・経済」の出題内容は?
まずは、科目全体の傾向を把握しましょう。分量、問題構成、難度などを解説します。
試験時間と配点
時間 / 配点:60分 / 100点
全体の傾向
●大問は4題で、解答数は30問であった。2021年度共通テスト第1日程と比べて大問数は変わらず、解答数は1問減少した。なお、大問数・解答数ともに2018年度試行調査と同数であった。
●2021年度共通テスト第1日程同様に、初見の資料や模式図などを扱う問題が出題された。難度が高かった2021年度共通テスト第1日程と比較すると、難解な資料は減少したが、読解すべき資料は増加したため、解答には時間がかかったと思われる。なお、必要な知識量はセンター試験や2021年度共通テスト第1日程とあまり変わらず、全体的な難易度は、2021年度共通テスト第1日程と比べるとやや易化していた。
●従来の単純な4文正誤問題はかなり減少し、組合せ問題が大幅に増加した。組合せ問題のうち、空欄補充の組合せ問題が多数出題され、用語や文章だけでなく、資料を当てはめるものも出題された。
●2021年度共通テストと同じく、それぞれの大問は複数の分野から出題された。多くの小問で、知識・理解に加えて文章読解力・資料読解力や論理的思考力などが必要とされたほか、計算問題や時事問題も出題された。
政治・経済の「カギとなる問題」は?
次に、政治・経済で「カギとなる問題」を見てみましょう。共通テスト特有の問題や、合格点をとるうえで重要な問題を取り上げ、攻略ポイントを解説します。
第2問問2
設問中の会話文で述べられた内容について、整合する関係図を選ぶ問題であった。会話の内容を関係図に正しく対応させる技術が求められた。共通テストでは、見慣れない資料や初見の模式図・関係図などを用いた問題が多数出題される。初見の資料でも戸惑うことのないよう、日々の学習から資料のポイントを即座に見つけ出す練習を行うようにしたい。
第3問問5
各個人の収支と消費税負担額についてまとめた表を用いた出題であった。表が複雑であるだけでなく、表を元に計算を行う必要があり、難度が高かった。共通テストでは、解答を導くために複数の作業を行う必要がある問題が出題される。あまり時間を使いすぎないように注意しつつ、解答したい。
大問別ポイント/設問形式別ポイント
次に、政治・経済の出題内容を詳しく見ていきましょう。各問の難度や求められる知識・考え方を解説します。
第1問:まちづくりの取組み [標準]
・問1では、モンテスキューの著作を用いた読解問題が出題された。読みづらい文章のように見えるが、判断のポイントを見つけ出すのは容易なので、落ち着いて取り組みたい。
・問4は、空家法に関する問題であった。初見の資料を適切に読み解き、解答を導く必要があった。
第2問:経済主体の関係 [やや難]
・問5は、2021年度に引き続き、バランスシートを用いた出題であった。資料は見慣れないが、提示された図と文章を丁寧に読めば、容易に解答を導けた。
・問8は、購買力平価説を用いた問題であった。同説を正しく理解できていたかどうかで差がついただろう。
第3問:日本経済・国際経済 [やや難]
・問2では、労働力人口に関する問題が出題された。労働力人口の定義については、初見の受験生も多かったと思われる。資料を正しく理解し、応用する必要があった。
・問7は、アジア通貨危機について出題された。やや細かい内容であり、3つのグラフを読み取る必要もあったため、手間取った受験生も多かったであろう。
第4問:地方自治への住民の関わり [標準]
・問3では、統一地方選挙に関する文章の空欄補充問題が出題された。空欄には、資料を当てはめるものもあり、その提示された資料が何を表しているのか、正しく判断する必要があった。
・問4では、社会保障などに関する4つのグラフから、下線部の内容を読み取れるか判断する必要があった。
攻略へのアドバイス
最後に、次年度以降の共通テストに向けた攻略ポイントを確認しましょう。政治・経済で求められる力をふまえて、必要となる対策を解説します。
基本的な知識を確実に押さえる
資料読解が必要な問題は増えたが、資料読解の土台となるのは基本的な政治・経済の知識である。早めに全範囲の原理・概念といった基礎知識を押さえ、一問一答や正誤問題・計算問題などの演習に取り組み、政治・経済の知識を盤石なものにしよう。また、日頃から時事情報にも関心を持つようにしたい。
◆[専科]共通テスト攻略演習
共通テストの傾向をふまえた教材に取り組みます。毎月の演習で、基礎固めから最終仕上げまで段階的に対策を進められます。
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