英語リスニング – 共通テスト(2021年度)分析&対策の指針 –

投稿日時:2022年1月15日

Z会の大学受験生向け講座の英語担当者が、2021年度の共通テスト(第1日程)を分析。出題内容や「カギとなる問題」の攻略ポイント、次年度に向けたアドバイスなどを詳しく解説します。

 

共通テスト「英語リスニング」の出題内容は?

まずは、科目全体の傾向を把握しましょう。分量・問題構成などを整理し、難度(センター試験や試行調査と比較してどう変化したか)を解説します。
試験時間と配点

時間 / 配点:60分(うち解答時間30分) / 100点

全体の傾向

形式の細かな変化は見られたものの、難易度は第2回試行調査並みで、分量も大きな変化はなかった音声にはアメリカ英語以外も含まれた

おもな注目ポイント

●第3問の設問数は、試行調査よりも多い6つであった。 ●第4問A 問18〜問21では、円グラフに入る項目を選択する問題が出題され、第2回試行調査で出題されたイラストを並べ替える問題の出題はなかった。 ●第5問は、試行調査同様、長めの講義文を聞き取るという形式は変わらなかったが、ワークシート内の空所数が7個から5個に減った。 ●第6問B 問36では、試行調査であったような「誰がトピックに関して賛成/反対しているか」ではなく、「何名が賛成しているか」が問われた。ただし、各人の立場を掴むという点には変わりはない。4名の学生が入れ替わり発言したため、スピードに追い付けず、また内容的にも要点が掴みづらいと感じた受験生もいたと思われる。試行調査より難度が上がったと言えるだろう。  

英語リスニングの「カギとなる問題」は?

次に、英語リスニングで「カギとなる問題」を見てみましょう。共通テスト特有の問題や、合格点をとるうえで重要な問題を取り上げ、攻略ポイントを解説します。
第3問 問13:

重要な情報が放送文冒頭に出てくること、引っ掛けの要素が含まれることから、落ち着いて会話の場面を把握し、冷静に聞き取る必要があった。

第5問 問28~問31(ワークシート内の表の穴埋め)

“Hygge”に対して世間が持っているイメージとデンマークにおける実情の対比を聞き取りながら、用意されている選択肢の内容にすばやく置き換えて考えることができたかがポイントであった。

第6問A 問35:

話されている内容を聞き取って表面的に理解するだけではなく、きちんと要点を掴めたかがポイントであった。

第6問B 問36:

同一話者による複数発言の内容をまとめて、「賛否の立場を示すものなのか」「単に事実を述べているのみなのか」を見極める必要があった。 「Z会の共通テスト対策講座」についてはこちら

大問別ポイント/設問形式別ポイント(2/8更新)

次に、英語リスニングの出題内容を詳しく見ていきましょう。各問の難度や求められる知識・考え方を解説します。

第1問A:短い発話の聞き取り(内容一致問題)(配点:16点)[標準] 一人の短い発話の内容に合致する文を選ぶ問題。放送文を聞き取るだけでなく、その情景を思い浮かべ、何が既に起こっていてこれから何が起こるのかという状況を整理できなければ正解できなかったであろう。


第1問B:短い発話の聞き取り(イラスト選択問題)(配点:9点)[標準] 一人の短い発話の内容に合致するイラストを選ぶ問題。4つのイラストには2つほどの共通点・相違点が含まれることが多い。それらを放送前に把握しておけば、着実に正解できただろう。


第2問:短い対話の聞き取り(イラスト選択問題)(配点:16点)[やや易] 放送文に合致するイラストを選択する問題。第1問Bと同様に、各設問のイラストにはそれぞれ共通点・相違点が含まれ、それらに関する放送文内の情報が解答のキーとなる。キーとなる情報は各設問に概ね2〜3つ。それらを1つ1つ聞き取りながら正解候補を絞り込んでいけば、難なく正解にたどり着ける。


第3問:短い対話の聞き取り(質問回答選択問題)(配点:18点)[標準] 短い対話を聞き、質問に対する解答を選ぶ問題。第2回試行調査の放送回数2回から変わり、本試験では1回となった。一瞬の聞き逃しが致命的となるため、事前に設問文・選択肢から聞くべきポイントを押さえておくことが必須であった。


第4問A:モノローグの聞き取り(校外での過ごし方の調査結果(約90語)/DVDショップでの値下げについての説明(約70語))(配点:8点)[標準] 短い説明を1回聞き、円グラフや表の項目を埋める問題。第2回試行調査で出題されたイラスト並べ換え問題の出題はなかった。問22〜25は終盤で結論が変わるものもあり、最後まで注意が必要であった。


第4問B:モノローグの聞き取り(ニューヨークでおすすめのミュージカルに関する4名の説明(約160語))(配点:4点)[標準] 4名の説明を1回聞き、条件に合うミュージカルを選ぶ問題。2つ目の条件「人気があること」について、発話では一度も popular という形容詞で表現されずさまざまな言い回しで説明されているため、注意して聞き取る必要があった


第5問:講義の聞き取り(幸福観に関する講義(約280語))(配点:15点)[やや難] 長めの講義文を1回聞き、ワークシートを完成させながら講義内容の理解を問う問題。放送文の内容を素早く理解し、与えられた選択肢の内容に置き換えて考えることができたかがポイントであった。


第6問A:対話文の聞き取り(フランス留学についての2名の対話(約180語))(配点:6点)[標準] 対話を1回聞き、それぞれの発言の要点を掴む問題。試行調査よりも対話の語数、往復数が増えた。特に問35では、表面的な理解ではなく要点を掴めるかが重要であった。


第6問B:長い会話文の聞き取り(レシートの電子化に関する4名の学生の議論(約190語))(配点:8点)[やや難] 4名の議論を1回聞き、賛成者の人数と反対の発言の意見を表す図を選択する問題。4名が次々と発言するため、スピードに追い付けず、また内容的にも要点が掴みづらいと感じた受験生もいただろう。難度はやや高かった。  

攻略へのアドバイス(2/8更新)

最後に、次年度以降の共通テストに向けた攻略ポイントを確認しましょう。英語リスニングで求められる力をふまえて、必要となる対策を解説します。

放送文の内容を聞き取った上で、要点を掴む力や冷静に判断する力が必要である。単に英語に耳を慣らすだけではなく、放送文を確認し、解答のポイントとなるキーワードがどのように聞こえるか復習しよう。

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