政治・経済 – 共通テスト（2023年度）の分析＆対策の指針

Ｚ会の大学受験生向け講座の政治・経済担当者が、2023年度の共通テストを分析。出題内容や「カギとなる問題」の攻略ポイント、次年度に向けたアドバイスなどを詳しく解説します。

 

共通テスト「政治・経済」の出題内容は？

まずは、科目全体の傾向を把握しましょう。分量、問題構成、難度などを解説します。

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試験時間と配点

時間 / 配点：60分 / 100点

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全体の傾向

●大問は４題で、解答数は30問であり、2022年度共通テストから大問数・解答数に変化はなかった。

●2022年度共通テスト同様に、初見の資料や模式図などを扱う問題が出題された。2022年度共通テストと比較すると、読解すべき資料はやや減少したが、依然として大量の資料を読解する必要があり、解答には時間がかかったと思われる。また、一部の問題で2022年度共通テストより細かい知識が要求されたため、全体的な難易度は、2022年度共通テストと比べてやや難化していたといえる。

●正誤文選択問題の比率は４割程度となり、2022年度共通テストからやや増加した。その代わり、組合せ問題がやや減少した。但し、半数は組合せ問題であったほか、正しいものをすべて選ぶ問題も出題され、2022年度共通テストから大きな傾向の変化はなかった。

●それぞれの大問は複数の分野から出題された。2022年度共通テストと比べ経済分野からの出題が減少し、政治・国際政治分野からの出題が増加した。

●多くの小問で、知識・理解に加えて文章読解力・資料読解力や論理的思考力などが必要とされたほか、計算問題や時事問題も出題された。

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政治・経済の「カギとなる問題」は？

次に、政治・経済で「カギとなる問題」を見てみましょう。共通テスト特有の問題や、合格点をとるうえで重要な問題を取り上げ、攻略ポイントを解説します。

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第１問問４

資料中の空欄に当てはまる記述・グラフを選ぶ問題であった。空欄にはグラフを当てはめるものもあり、資料の内容を整理した上で、グラフの数値がどのような結果を示しているのか分析する必要があった。空欄が３つ付されたほか、時事的な事項も出題されたため、苦労した受験生も多かったかもしれない。共通テストでは、解答を導くために複数の作業を行う必要がある問題が出題される。あまり時間を使いすぎないように注意したい。

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第２問問６

各地域のリサイクルの状況をまとめた表を用いた出題であった。表は単純なものであったが、リサイクル率という初見の指標について分析・計算を行う必要があった。共通テストでは、見慣れない資料や指標を用いた問題が出題されるため、日々の学習から様々な資料に触れておきたい。

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大問別ポイント／設問形式別ポイント

次に、政治・経済の出題内容を詳しく見ていきましょう。各問の難度や求められる知識・考え方を解説します。

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第１問：県の広報誌　 ［標準］

・問２は、３カ国の経済に関する指標と、各国に関する記述が提示され、それぞれを結びつける問題であった。表と記述をそれぞれ分析する必要があり、作業の工程が多い問題であった。
・問６は、国際収支について出題された。正しい文章をすべて選ぶ必要があり、計算も必要とされ難度が高かった。

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第２問：現代の日本における諸課題　 ［やや難］

・問４は、需要供給曲線を用いた出題であった。需要供給曲線は共通テストでも頻出なので、対策は必須である。
・問８は、国内総生産の支出面について出題された。選択肢の文章が長く戸惑ったかもしれないが、正誤を判断するポイントはわかりやすいので、落ち着いて解答したい。

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第３問：戦争と平和・日本の議会制民主主義　 ［標準］

・問４は、センター試験と同様の単純な正文選択問題であったが、解答にはやや細かい知識が求められた。
・問５では、日本の統治機構に関して、模式図を用いて出題された。問題文の説明をもとに模式図が示す事項を判断し、政治・経済の知識と結び付ける必要があった。

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第４問：SDGｓの意義と課題　 ［やや難］

・問２は、京都議定書とパリ協定について出題された。頻出な事項ではあるが、選択肢の文章が長い上にかなり細かい内容まで問われたため、難しかった。
・問６は、SDGｓについて出題された。時事的な内容であったが、焦らずに取り組めば容易に正答を導くことができた。

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攻略へのアドバイス

最後に、次年度以降の共通テストに向けた攻略ポイントを確認しましょう。政治・経済で求められる力をふまえて、必要となる対策を解説します。

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基本的な知識を確実に押さえる

資料読解が必要な問題は増えたが、資料読解の土台となるのは基本的な政治・経済の知識である。早めに全範囲の原理・概念といった基礎知識を押さえ、一問一答や正誤問題・計算問題などの演習に取り組み、政治・経済の知識を盤石なものにしよう。また、日頃から時事情報にも関心を持つようにしたい。

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