「英語筆記」2020年度センター試験分析

投稿日時:2020年1月24日

Z会の大学受験生向け講座の科目担当者が、2020年度のセンター試験を分析。出題内容・各問の分析、攻略ポイントを詳しく解説します。  

2020年度センター試験「英語筆記」の出題内容

試験時間と配点
  • 時間 / 配点:80分 / 200点
全体の傾向
  • 筆記は、2019年度からの大きな形式変化はなかったものの、第4問Aで扱う情報が表・グラフから図に変わる、第5問では感情の変化を読み取る問題が新たに出題されるなど、細かな部分で変化が見られた。
  • 総語数は2019年度並み。難易度について、第3問Aの不要文削除は易化したが、第3問Bの議論において、次の検討事項を選ぶ新傾向の問題が出題されてやや難化した。第5問や第6問も文脈を捉えなければ解けない設問があり、その点は取り組みづらかったであろう。

2020年度センター試験「英語筆記」の各問の分析


第1問(14点):発音・アクセント [A:標準 B:標準]

A. 発音が異なる語の選択。子音2問、母音1問の出題であった。
B. 第一アクセントの位置が異なる語の選択。今年度もphysicalやalcoholなどのカタカナ語のアクセントを問う問題が出題された。


第2問(47点):文法語法・語句整序・応答文完成 [A:標準 B:標準 C:標準]

A. 空所に入る適語の選択。問1〜7は空所1箇所、問8〜10は空所2箇所。難易度は2019年度並であったが、どれだけ定型表現を正しく覚えていたかが鍵となった。
B. 与えられた語を並べ替えた上での、空所に入る適語の選択。標準的な出題であったが、問3のput offのように、熟語(句動詞)では目的語をどこに置くべきかを知っていればより容易に解答できただろう。
C. 相手の発言に対する、適切な応答文の完成。例年通り、文法知識だけではなく会話の文脈を素早く正確に把握できるかが求められた。


第3問(33点):不要文削除・長文(要約文選択)[A:やや易 B:やや難]

A. 1パラグラフの文章中の不要文の選択。テーマはそれぞれ「NBAのルール変更の歴史」(136語)、「腰痛の真の原因」(137語)、「食品保存技術の歴史」(135語)。例年同様の形式であるため、落ち着いて読みながら文脈を追えれば、その流れを妨げる1文を選べただろう。
B. 議論の内容を要約している文の選択。テーマは「慈善活動の企画に関する大学生の議論」(668語)。2019年度までは3問のうち最初の2問は1人の発言内容の要約、最後の1問は複数人の発言内容の要約を選ぶ形式だったが、今年度は1人の発言内容の要約1題、複数人の発言内容の要約1題に加え、新しく全員の意見をふまえて次に議論すべきトピックを選ぶ問題が1題出題された。


第4問(40点):長文(内容一致・図読み取り)・ 案内文読み取り [A:標準 B:標準]

A. テーマは「練習の順番とパフォーマンスの正確性に関わる実験」(598語)。今年度はグラフや表ではなく、選択肢の中に図が与えられ、その図と文章の内容をふまえた上で計算する問題が出題された。他にも設問文の内容に続くトピックを選択する問題が2年ぶりに出題されている。
B. テーマは「フリーマーケットへの出店募集の案内」(393語)。2019年度と同じ形式で、計算問題が4題中1題ある。注意書きを読み飛ばさずに内容を把握できれば容易であっただろう。


第5問(30点):長文(内容一致) [標準]

テーマが「はぐれた飼い犬を探す女性と、山で出会った老人」(839語)の物語文。例年同様、話の内容を正確に理解し、全体の流れを把握する必要があった。筆者の感情がどのように変化したかを問う設問は新傾向であり、やや難しい問題であった。


第6問(36点):長文(内容一致・要旨選択) [標準]

テーマが「自動販売機の発達の歴史」(852語)の論説文。こちらも例年同様、設問がAとBで分かれており、どちらも話を部分的ではなく全体的に理解しなければならなかった。下線の語の意味を問うものも2019年度と同じく出題された。今年度は選択肢が1語ではなく3語での説明となっており、その上文章の前後関係を理解していなければ解けなかったため難しい問題であった。


※語数は問題文と選択肢を含む

2020年度センター試験「英語筆記」の攻略ポイント

・第3問B、第4問A、第5問で問題形式、設問内容に小さな変化があったが、全体としては取り組みやすい標準的な問題であった。なお、今年度出題されている「身近な話題」の読解問題は今後共通テストでも出題される可能性が高いので、各問題の特徴を理解しておこう。

・第4問A:表・グラフが図に変わったことで易化したが、このように読んだ文章の内容を、実際の図に当てはめて活用できるというのは、今後共通テストでも必要となるであろう力である。

・第4問B:問2、問3のように、身近にある案内文に対し、ある条件つきの立場になって考え、実際にそのような立場であればどうなるかを判断する能力は今後の共通テストでも問われるであろう。

・第5問A:問5で、センター試験では初めて「感情の変化」について出題されたが、これは5つの感情の変化(推移)を答える試行調査の問題と共通点がある。

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