「現代社会」2020年度センター試験分析

投稿日時:2020年1月23日
Z会の大学受験生向け講座の科目担当者が、2020年度のセンター試験を分析。出題内容・各問の分析、攻略ポイントを詳しく解説します。
2020年度センター試験「現代社会」の出題内容
試験時間と配点
- 時間 / 配点:60分 / 100点
全体の傾向
- 今年度も大問6題、小問36問であり、現代社会・政治・経済の出題バランスも、例年通り経済分野からの出題が約半数となっていた。
- 図表を用いた問題は3題出題され、資料を読み取る力が試された。
- 正文選択問題が出題の約7割を占め、他は誤文選択問題が7問、正しい記述をすべて選ぶ問題と文と用語の組合せ問題がそれぞれ2問、文章を並び替える問題とすべての文の正誤を判断する問題がそれぞれ1問出題された。
- 一部の選択肢では2010年代の事項についての記述も見られ、時事的な知識や理解が求められた。
- 今までの「現代社会」では見られなかった、すべての文の正誤を判断する組合せ問題が出題された。
- 細かい内容を問うものも散見されたが、大半は基礎知識で対応できる問題であり、難易度は例年並みであったと言える。
2020年度センター試験「現代社会」の各問の分析
第1問(22点):東京オリンピックに向けて [標準]
・東京オリンピックに関する会話文をもとに、政治・経済分野からバランスよく出題された。
・問3では、外国人旅行客に関する調査資料を使った問題が出題された。知識がなくても解ける問題であったが、資料を読み取る力が試された。
・問4では、2022年から施行される、成年の年齢の引き下げに関する選択肢が出題された。「現代社会」ではこのような時事的事項も欠かさずチェックしておきたい。
・その他の問に関しては、基礎知識で解けるものが多かった。
第2問(14点):固定観念・発想の転換と職業選択 [標準]
・ドゥンカーの「箱問題」を題材にして、発想の転換や職業選択などをテーマに、現代社会分野から多く出題された。
・問2では、定番の調べ学習に用いるべきグラフの種類が問われた。それぞれのグラフの特徴や使い方などはしっかりと押さえておきたい。
・問5では、マズローの欲求階層説について、「生理的欲求」「安全の欲求」といった用語を用いずに出題され、用語の内容まで正確に理解しておく必要があった。文を並び替える問題は「現代社会」では見慣れない形式であった。
第3問(22点):学問区分と課題解決[標準]
・大学の学問的区分と課題解決への取組みをテーマに、現代社会・経済分野からバランスよく出題された。
・問2のピコ=デラ=ミランドラはなじみが薄いが、パスカルやガリレイ、ケプラーは押さえておきたい人物である。消去法で対処していきたい。
・問4で正答となったフローとストックは、センター試験では頻出の範囲である。確実に得点していきたい。
・問8では、リード文と関連のあるグラフを用いた出題がなされた。正答を導くのに知識は不要なので、冷静に資料を読み取り、対応したい問題であった。
第4問(14点):グローバル化と異文化理解 [標準]
・異文化理解をテーマに、主に現代社会分野から出題された。
・問4では、図表を用い比較生産費説について出題された。頻出の範囲であるが、簡単な計算も必要とされたので、落ち着いて取り組みたい問題であった。
・問5の仮想通貨に関する選択肢は、時事的な内容であり判断に迷った受験生もいたかもしれない。
第5問(14点):資本主義経済の光と影 [標準]
・現代の国際経済は例年頻出事項であるので、しっかりと対策していきたい。
・資本主義経済をテーマに、経済分野から出題された。
・問1では、今までの「現代社会」では見られなかった、すべての文の正誤を判断してその組合せを選ぶ問題が出題された。現代のアジア経済について問われており、やや難度が高い問題であった。
第6問(14点):政治への参加のあり方 [標準]
・政治への参加のあり方をテーマに、政治分野から出題された。
・問4・問5では、2018年度に見られた正しい記述をすべて選ぶ問題が出題された。前者では地方自治体について、後者では本文の内容に合致するものについて問われ、それぞれ正確な知識や丁寧な本文読解が必要とされた。
・その他の問題では、基本的な内容が問われたため、着実に得点を重ねておきたい。
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