「化学」2020年度センター試験分析

投稿日時:2020年1月22日

Z会の大学受験生向け講座の科目担当者が、2020年度のセンター試験を分析。出題内容・各問の分析、攻略ポイントを詳しく解説します。  

2020年度センター試験「化学」の出題内容

試験時間と配点
  • 時間 / 配点:60分 / 100点
全体の傾向
  • 大問数は7で昨年度と同じ(第1問~第5問が必答。第6問、第7問のうちから1問選択。計6問を解答)。マーク数32、小問数25。全体の分量は昨年度より多くなった(昨年度はマーク数29、小問数25)。
  • 2016年度以降、高分子化合物は必答問題と選択問題の両方で出題されている。2019年度の選択問題の配点は、昨年度よりも1点減って4点であり、理科4科目中で最低である(必答問題と選択問題合わせた配点は、2019年度と同じ10点であった)。
  • 2019年度は2題あった配点5点の問題が、1題のみであった(2018年度も1題)。
  • 計算問題で割り切れない数値が与えられた(第3問問5)。

2020年度センター試験「化学」の各問の分析


第1問(24点):<必答>理論化学 [標準]

1. ハロゲンの性質
2. 状態図
3. 混合気体の密度
4. 液体の飽和蒸気圧
5. 浸透圧
6. コロイド


第2問(24点):<必答>理論化学 [やや難]

1. 鉄の燃焼と反応熱
2. 熱化学方程式
3. 反応速度
4. 反応速度、化学平衡の移動
5. 中和滴定の指示薬


第3問(23点):<必答>無機化学[標準]

1. 無機物質の性質と利用
2. 酸化物
3. 金属イオンの分離
4. カルシウム
5. ニッケル水素電池


第4問(19点):<必答>有機化学 [標準]

1. 炭化水素
2. 分子式の決定
3. 芳香族化合物の酸性度
4. 鏡像異性体
5. 酢酸エチルの合成


第5問(6点):<必答>高分子化合物 [標準]

1. 高分子化合物の原料(単量体)
2. アミノ酸の性質


第6問(4点):<選択>合成高分子化合物 [標準]

1. 合成高分子化合物の性質
2. 合成高分子化合物の組成


第7問(4点):<選択>天然高分子化合物 [標準]

1. 天然高分子化合物の性質
2. 天然高分子化合物の反応


2020年度センター試験「化学」の攻略ポイント

・化学の範囲から満遍なく出題され、実験に関する問題も多い。

・小問1問あたり平均の解答時間は約2分のため、時間にそれほど余裕はない。

・計算問題は、計算しやすい値となるよう工夫されているものが多い。ただし、単純な計算問題だけでなく、グラフから読み取った値を用いる問題や、多段階の計算を必要とする問題など、ミスを誘いやすい問題になっている。

・グラフの選択問題(2020年度は第2問問4、問5)や、グラフの読み取り問題が出題される(2020年度は第2問問1、問3)。

・2020年度第2問問3の対数のグラフはあまり見慣れないが、共通テスト試行調査でも取り上げられている。第2問問3や試行調査の問題などを解いて、来年度の対策をしておきたい。

・平均点は、2016 年以降の5年間のうち4回で50点台となっており、ここ数年は点が取りにくくなっている。共通テストも、対策を疎かにすると手痛い目にあうだろう。

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