「倫理、政治・経済」2020年度センター試験分析

投稿日時:2020年1月23日

Z会の大学受験生向け講座の科目担当者が、2020年度のセンター試験を分析。出題内容・各問の分析、攻略ポイントを詳しく解説します。  

2020年度センター試験「倫理、政治・経済」の出題内容

試験時間と配点
  • 時間 / 配点:60分 / 100点
全体の傾向
  • 大問数は例年通り6題。小問数は、2018年度・2019年度は36問であったが、2020年度は37問(倫理分野19問、政治・経済分野18問)であった。
  • 政治・経済分野では、該当する記述をすべて選ぶ正誤問題が、2019年度に続いて2020年度にも出題された。
  • 一部に細かい事項や正確な知識が問われる問題が見られたが、基本知識で正答を判断できる内容が中心であった。いずれの分野でも、単なる知識事項の暗記に留まらない、丁寧な理解が求められる。全体的な難易度は例年通りであったと言えるだろう。

2020年度センター試験「倫理、政治・経済」の各問の分析


第1問(14点):現代の人間関係 [標準]

・問1の「クワイン」の思想は、やや細かい知識であり、多くの受験生が苦戦しただろう。
・問2のグラフを使った問題や問3の資料文を使った問題は、詳細な知識は不要であり、落ち着いてグラフや文章を読み取れば解答できる。
・問4は基本的な内容であり、失点は避けたい。
・問5は、時事的な知識を含む問題であったが、概ね標準的な内容である。


第2問(18点):武士道から見る日本の伝統 [標準]

・問1は、大乗仏教に関してやや細かい知識が問われたため、迷った受験生も多かっただろう。
・問2は、古代の日本の思想に関する問題であった。標準的な内容であるが、対策が疎かになりがちな範囲なので注意が必要である。
・問5の日本の近代思想に関する問題は、学習が手薄になりやすく、人物も混同しやすい範囲のため、難しく感じられただろう。
・問6は、選択肢中に聞き慣れない用語が含まれたので、とまどったかもしれない。


第3問(18点):西洋思想における身体的欲求と理性的欲求 [標準]

・問4は、思想に関するやや踏み込んだ理解が問われ、正確な知識が求められた。
・問5は、カントとヘーゲルに関する問題であった。決して細かい知識が求められたわけではないが、用語を正確に理解しているかどうかが問われた。
・それ以外の問題は、概ね標準的な出題であり、教科書の記述を隅々まで丁寧に学習しておくことが肝心であった。


第4問(22点):「平等」の実現と現代に残された課題 [標準]

・問1では、マックス・ウェーバーについて問われた。盲点となりやすい内容であり、とまどった受験生もいたかもしれない。
・問6では需要供給曲線を用いた問題が出題された。曲線のシフトの間接的要因が問われ、思考力が試された。
・問7では該当する記述をすべて選ぶ正誤問題が出題され、地方公共団体に関する正確な知識が必要とされた。
・問8では難民について出題され、やや細かい内容を問うものであった。


第5問(14点):経済成長と環境保全 [やや難]

・問2では、「アンチダンピング関税」という聞き慣れない用語が出され、とまどった受験生もいただろう。他の選択肢でも時事的な用語が出題され、差がつく1問となったと思われる。
・問3・問4・問5では、図表を用いた問題が出題された。いずれも図表を読み取る力だけではなく、問われている内容や用語の定義についての正確な知識が求められた。


第6問(14点):自由民主主義 [やや易]

・問1では、違憲審査権に対する2つの見解の根拠となる考え方を選ぶ問題が出題され、選択肢の文を論理的に読み解く力が必要とされた。
・他の問については、概ね基礎知識を問うものであり、確実に得点を重ねておきたい問題であった。

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