「生物」2019年度センター試験分析

投稿日時:2019年9月5日
■分量と難度の変化(理科(2)…時間/1科目60分・2科目120分/1科目100点・2科目200点) ・考察問題の比率は増加し、思考力が求められる内容となった。難易度は2018年と同等程度であった。 ・設問数は減少したものの、リード文、図表などが増えており、全体の分量・負担感は2018年度と同等程度であった。
■今年度入試の特記事項 ・リード文や図表などの分量が多く、60分の解答時間内にすべてを解き切るには、効率的な読み取りが欠かせない。 ・知識問題では細かな知識が問われる問題が減少した。 ・考察問題でも、コラムや一部の教科書で扱われている題材があり、理解しているか否かで差のついた問題があった(第1問問1・問5) ・ほとんどが考察問題であった第2問~第4問は、問題数が少なく、1問あたりの配点が大きかった。
■いま解いておきたい問題
・第2問問3・問4 長いリード文や複数の図表があり、一見複雑そうに見えるが解きやすい。それぞれの図表が示す内容を的確に読み取る技術を身につけておきたい。 ・第5問問2 3ドメイン説や細胞内共生説などの知識を活用した上で、図表を読み取る必要がある。正確な知識をもとに、初見の図表にも対応できる力を養おう。
■大問別ポイント
第1問 A:光合成 B:細胞膜のはたらき ・Aでは、光合成の反応過程の解明に寄与した実験が取り上げられている。問1は、これらの実験の内容を知っているかどうかで解く時間に差がつく問題だった。 第2問 A:X染色体の不活性化 B:遺伝子による気孔密度の制御 ・Bは、複数の図表を活用する必要があった。選択肢を参考に、効率的に図表を読み取ろう。 第3問 A:眼のしくみとはたらき B:植物の窒素不足への応答 ・問3は、網膜に映る像が反転することに注意。 第4問 A:個体群の成長と群れ B:植物の耐塩性と種間競争 ・Bは図表が多く、実験の条件を整理するのに時間がかかる。焦らず丁寧に、選択肢を吟味していこう。 第5問 A:生物の系統 B:生物の変遷 ・問2は、細菌の細胞内共生によって、ミトコンドリアや葉緑体がつくられたという知識を活用する。 第6問 DNAの複製と遺伝情報の転写・発現 ・問2では、転写が行われる方向に注意する。ⓐ鎖を鋳型とする場合には、右→左、ⓑ鎖を鋳型とする場合には、左→右の方向へと転写が行われる。 第7問 生物の種間関係 ・リード文で登場する生物種が多く、混乱しやすい。図を書くなど、整理しながらリード文を読み進めたい。 ・問3は自然選択に関する、やや易しい知識問題だった。
攻略へのアドバイス
一通りの学習が終わったら、センター試験対策を取り入れていこう。 個別試験対策がセンター試験対策につながる! ・夏以降に本格的なセンター試験対策を開始するまでは、個別試験対策に専念しよう。夏までに重要な用語・生命現象をひととおりさらっておくと秋以降の対策が楽になる。入試頻出の問題を多数扱ったZ会の通信教育 本科「生物」の受講をおすすめする。 センターの形式に慣れるための演習を重ねよう! ・夏以降は、センターの形式に慣れるために定期的な演習の時間を確保しよう。Z会の通信教育 専科「センター攻略演習セット」やZ会の書籍『センター試験実戦模試 生物』を利用してセンター特有の細かい知識問題や考察問題対策を行いたい。さらに、直前期には、Z会の書籍『センター試験予想問題パック 生物』を使って時間感覚を養おう。生物に苦手意識がある場合には、講師による質の高い映像授業が受けられるZ会の映像 センター試験対策映像授業「理科・生物標準編」の受講をおすすめする。
生物担当者からのメッセージ 全範囲の一通り学習で、確かな知識を身につける 第1問~第5問では、全範囲を網羅して問題が出題されます。不得意分野やあいまいな分野を残すことは即失点につながりますので、1つひとつの分野を確実に理解していきましょう。生物は、中学理科の関連分野や、生物基礎の内容も包含しますから、必要に応じて復習しておいてください。 「センター攻略演習セット」の生物では、7月までに全分野の一通り学習ができるようになっているのでおすすめです。 高得点を狙うには考察問題を落とさない 2019年度のセンター試験では、複数の図表を読解する思考力が求められる考察問題が出題されました。このような問題を落とさないためにも、まずは教科書に載っている基本的な実験考察の考え方を学習し、基礎を固めていきましょう。難度の高い考察問題に太刀打ちする力は、基礎知識なくして身につきません。 「センター攻略演習セット」の生物では、入試頻出のものから初見のものまでさまざまな計算問題・考察問題を多く取り上げますから、一通りの学習のあと、十分な演習を積むことができます。
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