「政治・経済」2020年度センター試験分析

投稿日時:2020年1月23日
Z会の大学受験生向け講座の科目担当者が、2020年度のセンター試験を分析。出題内容・各問の分析、攻略ポイントを詳しく解説します。
2020年度センター試験「政治・経済」の出題内容
試験時間と配点
- 時間 / 配点:60分 / 100点
全体の傾向
- 2020年度も大問4題、小問34問、各大問は政治・経済・国際政治・国際経済の中から複数の分野が融合的に出題されるという形が踏襲された。
- 基本的な知識で解ける問題が大半を占めていたが、一部の問題では単純な知識だけでは解けないようなものも出題された。
- 簡単な計算を必要とする問題は出題されたが、難解な計算問題は出題されなかった。
- 2019年度同様、グラフや図・表を用いた問題は7問出題された。図表の読み取りだけではなく図表中の用語の知識が必要な問題も散見されたので、対策を欠かさないようにしたい。
- 2019年度と同じく、該当する記述をすべて選ぶ正誤問題が出題されたが、問われている知識は標準的なものであった。全体的な難易度は例年並みであったといえる。
2020年度センター試験「政治・経済」の各問の分析
第1問(28点):「平等」の実現と現代に残された課題 [標準]
・「平等」の実現と課題について述べたリード文をもとに、政治・経済分野から幅広く出題された。
・問1では、マックス・ウェーバーについて問われた。盲点となりやすい内容であり、とまどった受験生もいたかもしれない。
・問2・問9では該当する記述をすべて選ぶ正誤問題が出題された。問2に関しては平易な問題であったが、問9では地方公共団体に関する正確な知識が必要とされた。
・問6は丁寧なグラフの読み取りで正誤判断が可能である。確実に正解したい。
・ 問8では需要供給曲線を用いた問題が出題された。曲線のシフトの間接的要因が問われ、思考力が試された。
・問10では難民について出題され、やや細かい内容を問うものであった。
第2問(24点):国の役割、地域社会の役割 [標準]
・生活を支える国家や地域社会の役割について述べたリード文をもとに、政治・経済分野から出題された。
・問2では違憲訴訟名を伏せた問題文が出され、教科書内容の正確な理解が求められた。
・問3はグラフを使った問題が出題され、各国の社会保障に関する知識と資料を読み取る力が要求された。
・ 問4では在日外国人の権利について正しい記述をすべて選ぶ問題が出題され、やや難度が高かったと思われる。
・問6では、日本のGNE(国内総支出)に関する表を使った出題がされた。GNP(国民総生産)やGDP(国内総生産)など諸指標の関係性を理解している必要があった。
第3問(24点):経済成長と環境保全[やや難]
・ 経済成長と環境保全について述べたリード文をもとに、主に経済・国際経済分野から出題された。
・問2では、「アンチダンピング関税」という聞き慣れない用語が出され、とまどった受験生もいただろう。他の選択肢でも時事的な用語が出題され、差がつく1問となったと思われる。
・問3・問5・問8では、図表を用いた問題が出題された。いずれも図表を読み取る力だけではなく、問われている内容や用語の定義についての正確な知識が求められた。
第4問(24点):自由民主主義 [やや易]
・ 自由民主主義について述べたリード文をもとに、主に政治・国際政治分野から出題された。
・問1では問題文の空欄に当てはまる言葉を選ぶ問題が出題された。日々の学習において、著名な宣言などの文献 資料に触れていたかどうかで差がついたと思われる。
・問2では、違憲審査権に対する2つの見解の根拠となる考え方を選ぶ問題が出題され、選択肢の文を論理的に読み解く力が必要とされた。
・他の問については、概ね基礎知識を問うものであり、確実に得点を重ねておきたい問題であった。
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