Z会の大学受験担当者が、2026年度前期試験を徹底分析。長年の入試分析から得られた知見もふまえて、今年の傾向と来年に向けた対策を解説します。
Z会化学担当者からのメッセージ
今年の東大化学でも、近年と変わらず見慣れない題材に関する出題がみられ、問題文中で与えられた情報を読み取って適用する対応力が必要となりました。2025年と比較すると、論述問題が減少し、取り組みやすい問題が増えたため、全体としてやや易化しました。また、問題の分量は2016年度以前の水準が続いており、ところどころに高度な思考力や計算力を要する問題も含まれていたため、解答可能な設問を見極めて確実に得点する能力も必要だったことと思います。
したがって、まずは標準的な問題を確実に正解したうえで、差がつく問題をできるだけ多く正解して、高得点をめざしたいところです。分量が多いので、解く問題に優先順位をつけ、試験時間内にすばやく処理する力が求められるでしょう。
また、日頃の演習や過去問演習をとおして、通り一遍の学習をするのではなく、「この現象はなぜ?」「この操作は何のために行っている?」ということを常に考えながら、それらを自分の言葉で説明できるか、という点に意識を向けて学習を進めていくとよいと思います。Z会の通信教育では、このような盲点になりがちな箇所を突く出題をしていきます。東大受験を目指す方には、表面的な理解にとどまらない、本当の学力を身につけていただきたいと思います。
今年度の入試を概観しよう
分量・難易度
(昨年度比)
- 分量:やや減少
- 難易度:易化
出題・解答の形式
- 形式は例年どおりすべて記述形式で、大問として理論1題、理論(無機)1題、有機1題の順で出題された。2024年度以前は第1問が有機であったが、2025年度・2026年度では第3問での出題であった。
- 計算問題では、答に至る過程を書くように要求されることがある。
2026年度入試の特記事項
- 2024年度までの数年は多少の上下動はありつつも同じような難易度であり、2025年度に一度難化したが、2026年度は易化して2024年度までの数年と近い難易度となった。
- 2025年度と同様、いずれの大問も中問に分かれていない形式であった。
- 小問数は27問で、2024年度31問→2025年度30問と、31問前後の出題が続いていた近年よりも減少。
- 答えをすべて選ぶ形式の正誤選択問題が多くみられた。
- 増加傾向にあった論述問題の数は一転して減少したが(2024年度 9問→2025年度 13問→2026年度 5問)、高校化学では見慣れない題材に関する論述が中心で、やや難度が高いものが多くを占める。
合否の分かれ目はここだ!
- 高度な思考力を要する問題はところどころにみられたものの、2025年度と比較して易化し、東大としては平易な問題も含まれるので、合格には一定の得点が必要になると考えられる。2025年度よりもやや減少したとはいえ、試験時間に対する分量は決して少ないとはいえない。解ける問題を優先して解き、得点をしっかりと確保することが重要となる。計算問題についても、手際よく、ミスなく解き進められるようにしたい。
さらに詳しく見てみよう
大問別のポイント(後日公開)
攻略のためのアドバイス
東大化学の要求
2026年度はやや落ち着いたが、ここ数年論述問題が多数出題される傾向にあり、かつ実験操作の目的や課題解決を問うような問題が多く出題されていることから、高度な化学的思考力が求められる。基本的な事項を暗記するだけではなく、深く理解しておくことはもちろん、例年どおりの難度の高い応用問題が出題されても対応できるだけの十分な力をつけておくべきである。
要求① 難問に対応する思考力と応用力
東大化学では、高校で学習する内容をそのまま答えるだけの問題もあるが、合否の決め手となるのは、高校範囲の知識を応用させて考える問題である。よって、基礎力の確立と、それを柔軟に使いこなせる思考力、応用力の養成が求められる。全分野において法則を正しく使いこなせるようになるのが第一である。
要求② 長い問題文を短時間で読み解く読解力
東大化学では、実験操作や高校化学の範囲外の内容などに関する長い問題文を読み、題意を読み取り解答する問題が出題されることがある。限られた時間の中で問題文を読みこなし、正確に理解する力が要求される。見慣れない題材にも臆さないよう、他大学の過去問(京大・阪大といった難関大)にも目を向けて演習しておくとよい。
要求③ 計算問題の解答時間を短縮する計算力
煩雑な計算問題がよく出題される東大化学では、計算力を身につけることが必須である。ふだんの問題演習では、電卓を使用したり、頭の中だけで考えたりするのではなく、実際に手を動かして計算し、計算自体に早いうちからしっかり慣れておこう。
東大化学 攻略のために
高校化学の完成
まずは、高校化学の内容を完全に理解することから始めよう。高校化学の内容で曖昧な部分があると、要求①を満たすことはできない。近年の東大化学では、応用問題を解くうえで前提となる標準的な内容を確実に押さえることが、よりいっそう求められている。また、有機の「高分子化合物」の単元は対策が遅れがちなので、とくに意識して取り組んでおきたい。Z会の通信教育などを利用して、基本的な各単元の理解を確認しながら学習を進めよう。
本番形式での演習
高校化学全般の内容を理解したら、次に要求①を満たすために、高校範囲の内容を応用させて考える問題に取り組んでみよう。このタイプの問題は、問題文が長いことが多いため、並行して要求②を満たしていくこともできる。Z会の通信教育でも、さまざまなタイプの添削問題をとりあげていく。
予想問題で総仕上げ
演習を順調にこなしていければ、要求③もある程度は満たされていくであろう。自分の得意不得意、問題の難易度などを意識し、解答時間内で得点を最大化できるような自分の解き方を身につけてほしい。
Z会でできる東大対策・ご案内
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