2026年度「東大生物」徹底分析 傾向と対策

Z会の大学受験担当者が、2026年度前期試験を徹底分析。長年の入試分析から得られた知見もふまえて、今年の傾向と来年に向けた対策を解説します。

Z会生物担当者からのメッセージ

2026年度はリード文の理解こそ例年並みに時間を割く必要がありましたが、考察問題を含めて取り組みやすい問題が多く、却ってケアレスミスでの失点が大きく影響しそうな出題でした。考察問題では、多数登場する遺伝子・分子を正確に把握して検討を進めましょう。
東大入試の記述問題では、2行程度(100字弱)で伝えたいことを抜けもれなく、かつ素早く書く必要があります。読み手に意図が伝わる文章になっているか、不安な場合にはZ会の通信教育「東大京大プレミアプラン」を活用して、添削指導を受けることがおすすめです。論述力は一朝一夕には身に付きませんから、早めの対策を行っていきましょう!


今年度の入試を概観しよう

分量・難易度

(昨年度比)

  • 分量:減少
  • 難易度:易化

出題・解答の形式

  • 大問数は3題。大問1題当たりの分量は例年多い。
  • 各大問は分野融合となっており、「遺伝情報の発現」に関わる出題が多い。
  • 用語、正誤判断、論述が中心であるが、年度により数学的な分析や解釈を要する問題も出題される。
  • 解答用紙は、1題当たり横35文字、縦25行程度の文字が書けるように罫線が入っている。論述問題は字数ではなく行数で指定される。

2026年度入試の特記事項

  • 2025年度に比べ、問題のページ数・設問数が減少した。
  • 要求される知識の程度はばらけている。2025年度・2024年度にある程度出題された、基礎的な知識を問う設問は、2026年度は少なかった。
  • 考察問題の比率が大きくなったが、例年より解答すべき内容が明確なものが多く、全体の難易度としては2025年度より軽くなっている。

合否の分かれ目はここだ!

  • どの大問も、リード文の情報を踏まえて複数の図・グラフで示される実験結果を統合して考察する設問が多く、時間配分が難しい。見慣れない図やグラフの検討にも時間を取られただろう。解ける設問を見抜いて素早く処理し、考察問題では実験結果を誤読せずに解答に必要な情報を素早く取捨選択して効率よく理解を進めていくことが、点数を重ねるポイントになった。
  • 2026年度はすぐに解ける知識問題こそ少ないが、考察問題は検討すべき内容が明確なものが多く、取り組みやすいものが多かった。第1問や第3問Ⅰなど、登場する分子が多くケアレスミスを誘発しそうな設問も多いが、実験の内容やグラフの示すものを正しく読み取って解答していきたい。第3問Fのように解ければ差をつけられるが時間のかかる設問は、一度置いておいて他科目ふくめ他の設問の解答・見直し後に戻る判断も必要である。
  • なお、2023・2024年度のように多量の論述が課されると、試験時間内に解ききるには、論述の要素と構成をイメージして一度で書き上げる、要素を書き出して検討するのは複雑な設問だけにするといった工夫が必要である。書き直しの時間は取れないという前提で演習を積み重ねておき、標準的な論述なら一度で書ききれるようであると、難度の高い論述の要素を検討したり、丁寧な検討が必要な正誤判断に取り組んだりする時間の余裕を捻出できるだろう。

さらに詳しく見てみよう

大問別のポイント

第1問:分裂酵母の遺伝子発現と遺伝子産物の相互作用の、栄養条件の違いによる相違[やや易]

登場する遺伝子・タンパク質が多数あるので、mRNAなのかタンパク質なのか、栄養条件はどちらかなど、一つ一つ確認しながら読み進めたい。ⅠDについて、富栄養条件の組み合わせ④では遺伝子NのmRNAはD配列にタンパク質Pが結合して分解されることで減少速度が早まっていたことから考える。

第2問 Ⅰ:ナス科の棘の喪失と遺伝、Ⅱ:トライコーム形成の遺伝子と繁殖への影響[標準]

ⅠBについて、すべての領域がヘテロの個体6に棘があることから、棘をもつ形質はもたない形質に対して顕性であると判断できる。棘をもつ親に由来し、一つでも棘のある個体に共通してあり、棘のない個体にない領域を絞る。ⅠEでは、実験3でタンパク質WX複合体が遺伝子W、X、Yの転写を活性化するとあることを踏まえる。Gのグラフは見慣れない形だが、図2-5よりハムシが存在する環境では、有毛型が多数派のとき花=次世代が少なく、少数派のとき花が多いことから考える。

第3問 Ⅰ:昆虫の翅原基での細胞分裂の制御、Ⅱ:マウス胚の位置に応じた遺伝子発現制御[標準]

Ⅰは第1問と同じく登場する遺伝子・タンパク質が多い。何に注目した実験かを確認して検討を進めたい。ⅠBの知識問題について、無脊椎動物の系統は後回しになりがちな分野だが、こうして出題されるので、知識を固めておきたい。ⅡFは設問の内容から明確に導ける内容ではないため、まとめ方が難しい設問だった。

攻略のためのアドバイス

東大生物の要求

要求① 正確な 知識理解

ハイレベルな勝負になる東大生物では、知識問題での失点は許されない。教科書と図説を参照する習慣を身につけよう。教科書で太字になっている語については単純に暗記するだけでなく、関連する生命現象とあわせて、自分の言葉で説明できるようにしておくこと。

要求② 素早く要点をおさえる 読解力

東大生物は問題の分量が多いので、リード文はすばやく的確に読み解く必要がある。そのためには、内容を箇条書きにして整理する訓練が有効。まずは標準レベルのリード文を読む訓練から始めて、徐々に東大レベルに近づけていこう。また問題演習などで表・グラフをみるときは、大小関係や変化の様子をつかむことを意識しよう。

要求③ 読解力と知識力に基づく 考察力+論述力

東大生物の基本となる、見慣れない考察問題攻略のコツは、実戦演習を重ねる中で、仮説→実験→結果→考察という一連の流れを自分なりに整理するようにすること。また、論述力は自分の手を動かして答案を書き上げることが何よりも大切。独りよがりな答案になっていないか、添削をしてもらうとよい。

東大生物 攻略のために

知識の完成

なるべく早く要求①の完成を目指すこと(遅くとも高3の夏を目指そう)。とくに、「生物の進化と系統」の系統については完成が遅れがちになるので、図説なども活用し、計画的に学習を進めよう。

演習量の確保

入試形式の演習問題になるべく数多くあたり、要求②・③のレベルUPを図ろう。典型・頻出問題は一通りこなしておくこと。Z会の通信教育でも、東大の出題レベルに合わせて典型・頻出問題を出題していく。

速読・速解の習得

問題の分量が多い東大生物では、なるべく全部の設問に手をつけられるよう、問題を解くスピードも重要になってくる。本番の入試を意識して、時間配分にも気を配った演習を積もう。

Z会でできる東大対策・ご案内





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