2026年度「東大世界史」徹底分析 傾向と対策

Z会の大学受験担当者が、2026年度前期試験を徹底分析。長年の入試分析から得られた知見もふまえて、今年の傾向と来年に向けた対策を解説します。

Z会世界史担当者からのメッセージ

2026年度の東大世界史も、2024年度・2025年度に続き、第1問が論述2問構成となりました。また、第2問・第3問では会話文を用いた出題や、世界史探究の授業という場面設定による出題がなされ、資料も多く用いられました。近年の東大世界史では、出題の形式に少しずつ変化が見られます。しかし、必要とされる力はこれまでと変わりません。東大世界史の中心となる論述問題の演習を早くから始め、問題の要求を正確に読み取る「読解力」、広い視点で歴史を捉える「歴史的考察力」、要求に沿った解答を仕上げる「文章表現力」を鍛えていきましょう。

Z会の「東大京大プレミアプラン」では、論述問題演習に早期から取り組むことができ、東大世界史の出題に倣った視点で作問された演習問題で得点力アップをはかれます。さらに、一人一人の解答に応じたきめ細やかな添削指導で、字数の多い論述問題にも対応できる実戦力を着実に身につけることができます。問題演習の積み重ねと、添削指導によるブラッシュアップで、東大世界史に対応する確かな力を養いましょう!


今年度の入試を概観しよう

分量・難易度

(昨年度比)

  • 分量:変化なし
  • 難易度:変化なし

出題・解答の形式

  • 例年、大問3題の構成で、基本は記述式。論述問題が中心である。
  • 第1問は、2024年度・2025年度に引き続き、小問2問構成であった。第2問は小論述問題中心、第3問は単答問題という構成は例年通りであった。
  • 解答用紙は1行30字のマス目で構成され、解答者自身が冒頭に設問番号を付して答える必要がある。

2026年度入試の特記事項

  • 全体の総論述字数は1050字であり、2025年度の1020字よりも微増した。
  • 第1問は小問2問で構成され、論述字数はそれぞれ300字(10行)ずつ、総論述字数は600字であった。第1問が600字(20行)の大論述ではなく小問に分かれているのは、2024年度・2025年度に続いて3度目である。
  • 第2問は小論述問題と単答問題、正誤文選択問題で構成され、総論述字数は450字であった。2025年度に続き図版や文献史料が用いられたほか、会話文が提示された。
  • 第3問は語句記述問題8問に加え、記号選択問題が2問出題され、10問で構成された。また、資料(図版や文献史料)が複数提示された。
  • 各大問、出題形式に多少の変化はあるものの、出題の大枠は変わっておらず、分量・難易度に大きな変化はなかった。

合否の分かれ目はここだ!

  • 第1問が300字の論述2問になったことで、分量は変わらないとはいえ、第1問の負担感が増したと感じた人もいたかもしれない。また、第2問・第3問では会話文や資料が提示され、読まなけれならない文章の量が多かったことから、例年以上に処理力が必要とされた。第2問・第3問を手早く確実に解ききった上で、第1問でどれだけ得点を上積みすることができたかがカギとなっただろう。
  • また、第1問で出題された「世界の一体化」のように、世界史におけるグローバルな交流という視点は、東大世界史の定番の出題である。過去問や即応問題に多く取り組み、東大世界史が求める、広い視野で世界史を捉えて歴史事項を考察する力を十分に養っていたかどうかで、解答の出来に差がついたと思われる。

さらに詳しく見てみよう

大問別のポイント

第1問:ムガル帝国の成立と宗教政策・文化/ポルトガルのアジア進出(論述300字×2)  [標準]

「世界の一体化」をテーマに、300字の論述問題が2問課された。
問(1) 問題の主要求は、ムガル帝国の成立と、宗教政策・文化について述べることであり、想起できる事項は多い。しかし、「モンゴル帝国解体後の広域交流の展開を踏まえて」という条件に基づいてまとまりある解答に仕上げるには、教科書の十分な読み込みによる深い理解と、高い論述力が必要とされた。
問(2) 15世紀末から17世紀中頃までのポルトガルのアジア進出について300字でまとめる問題。指定語句を手掛かりに、時代順にポルトガルの動向をまとめることは難しくなく、東大世界史の第1問としては比較的解答しやすい論述問題であった。

第2問:地球環境や天然資源と人類の歴史(論述120字、90字、60字×4、正誤文選択、語句記述)[標準]

地球環境や天然資源と人類の経済活動や社会制度の変化をテーマに、小論述問題を中心に出題された。2021年度以降、小論述問題のほかに単答問題も出題される形式が続いており、2026年度は問(1)-(c)で正誤文選択問題も出題された。小論述問題は、概ね、教科書の記述を押さえていれば対応できるものであったが、問(2)-(b)の海上交易に関する問題と、問(3)-(a)の16世紀のロシアのシベリア進出に関する問題は、想起できる事項が少なく、書きにくく感じた人もいるかもしれない。問(3)-(b)は「この時期に起こった事柄」とその背景・影響に加え、対外関係も踏まえるという指示があり問題の条件が多いため、120字とはいえ論旨が通った解答にまとめる論述力が必要であった。

第3問:世界史における女性と男性のあり方(語句記述、記号選択)  [標準]

世界史における女性と男性のあり方をテーマに、語句記述問題が8問、記号選択問題が2問出題された。世界史探究の授業という場面設定での出題に戸惑った人もいるかもしれないが、問われている知識は例年通り教科書の基本的なレベルであった。
問(1)は教科書的な視点とはやや異なる切り口からの出題であったが、下線部の前後に記載されている年代を踏まえて解答を導き出したい。問(6)は、特定の動向についての事情を調べるための資料として適当でないものを選択肢から選ぶという初めてのタイプの出題で、事象同士の関連を考察するやや応用的な力が求められた。

攻略のためのアドバイス

東大世界史の要求

要求① 第3問は磐石な知識力が必須!9割以上をめざせ!

ほとんどが基本的な知識に関する出題であるため、合格のためには9割以上の得点をめざしたい。但し、文化史や現代史・戦後史など学習が手薄になりやすい範囲の事項も頻出なので、注意が必要である。

要求② 第2問は「知識の正確さ」「設問の要求に応じた記述ができているか」に注意!

概ね基本的な内容から問われるが、その分知識が不正確であったり設問の要求を意識できていない解答を書いたりすると、大きく減点されてしまう。日頃から、知識が正確に定着しているか、年代や、“意義”・“影響”といった設問の要求に正しく応えているかを意識して、解答を作成する練習を積みたい。

要求③ 第1問は「読解力」「論理的思考力」「文章表現力」を鍛えよ!

東大世界史の第1問は、時代・地域を超えた広い視野で世界史を捉え、考察・論述することが求められるので、難度は高い。知識に不足がないことはもちろんだが、問題文から要求を読み取る「読解力」、解答を組み立てるための「論理的思考力」、要求に応じた解答を作成する「文章表現力」が必要となる。こうした力は一朝一夕で身につくものではないので、他の受験生に差をつける完成度の高い答案を書くためにも、早いうちから論述対策を始めよう。第三者に添削してもらうことにより、表現力を磨き、文法的にも正しい文章を書けるようにしておきたい。また、近年は資料を用いた出題も散見される。日々の学習から資料読解の練習を積み重ねておこう。

東大世界史 攻略のために

基礎力の完成

まずは、要求①を満たすために、通史の完成を急ごう。受験生の夏までには、通史を一通り学習しておくことが理想である。教科書の全範囲の基礎的な内容を網羅し、問題演習に取り組もう。また、既習範囲は積極的に論述問題にもチャレンジし、知識を文章でまとめることに慣れていこう。

東大型の問題への取り組み

東大世界史攻略のためには、早期から定期的に論述問題の演習を行い、要求②・③の力を伸ばしていくことが必須である。まずは、第2問で出題される60~120字程度の短い字数の論述問題に繰り返し取り組んでみよう。その際、要求②にはよく注意を払い、論述問題への対応力を高めていこう。また、慣れてきたら、第1問のような字数の多い論述問題にもどんどんチャレンジし、要求③の力を養ってほしい。既習範囲の論述問題を演習する時は、最初はあえて何も見ないで解いてみよう。覚えていると思っていた知識の抜けが見つかり、通史の復習を効率的に行うことができる。

実戦演習

受験生の冬以降は、時間を意識した演習も行おう。東大の地歴は2科目で150分という試験時間のため、時間配分がカギになる。本番同様の構成の問題を活用しながら、解答作成にかかる時間や問題に取り組む順番などを考えておこう。

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