東大英語

「東大英語」2021年度東大入試分析

Z会の大学受験担当者が、2021年度前期試験を徹底分析。長年の入試分析から得られた知見もふまえて、今年の傾向と来年に向けた対策を解説します。

 

今年度の入試を概観しよう

分量と難度の変化

  • 分量:やや減少
  • 難易度:やや易化

2021年度入試の特記事項

  • 【1(A):要約】盛り込むべきポイントがつかみづらい英文であった。
  • 【1(B):長文読解】昨年度に引き続き文補充と語句整序形式の問題が出題された。
  • 【2(A):自由英作文】テーマは昨年度より抽象度が低く、易化した。
  • 【3(B):リスニング】昨年度より登場人物が1人減り、2人の会話であった。
  • 【4(B):和文英訳】(イ)は省略された語を補った上で和訳する必要があった。
  • 【5:長文読解】日本が舞台のエッセイ風の英文で、昨年度と比較すると要旨を捉えやすい英文であった。

昨年度と大きな形式の変化はなく、求められる力も例年通りのものであった。設問は全体的にやや易化した。

合否の分かれ目はここだ!

  • 例年通り、英語の発信力・受信力・批判的な思考力を試す問題がバランスよく出題された。
  • 昨年度と比較すると、英文の語数が減った大問や易しくなった設問も多いため、確実に点数を取れるところで落とさないようにすることが重要であった。そのため、取り組みやすい問題をスピーディーに処理するだけでなく、負担感の大きな問題をきちんと吟味できたかが鍵となった。苦手とする受験生が多いであろうリスニングについても同様に、比較的易しい問題で点を落とさないことが必要であった。
  • 大半の大問で、基本的な文法力が求められる。速読力、精読力を磨くとともに、文法の学習も疎かにしないようにしたい。空所補充でも、前後の文脈を読み解いて解答を導き出す手助けとなっただろう。
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さらに詳しく見てみよう

大問別のポイント

 1(A)要約  

  • 約320語の英文を読んで、10代の若者の気質の変化について70〜80字の日本語で要約する問題。
  • 英文では主に、変化について若者自身と両親の捉え方の違いやその理由について述べられている。
  • 本文の大半が研究とその結果の説明に割かれているため、変化についての言及のみにとどまらないよう、要約ポイントを的確に絞り出す必要があった。

 1(B)長文読解(文補充、語句整序)  

  • 「AIと芸術の未来」について論じた英文。語数は選択肢を含めて約870語。
  • 英文テーマ、パラグラフ展開共にわかりやすかったため、内容把握は容易だっただろう。
  • (ア)は例年出題されている文補充。空所前後のキーワードや時制に着目し、つながりを意識して選択肢を吟味すれば、正答にたどり着くのに困難はなかっただろう。
  • (イ)は昨年度と同様の語句整序。little more than 〜 という比較表現を思いつくことができたかどうかがポイント。

 2(A)自由英作文  

  • 「あなたにとって暮らしやすい街の、最も重要な条件とは何か。」を理由とともに述べる自由英作文。
  • 解答の語数は昨年度と変わらず60~80語。昨年度よりも抽象度が低く、身近なテーマであったので書く内容は思いつきやすかっただろう。
  • 書きやすい内容であったが、文法・語法のミスなく、読み手が納得しやすい形で論理的に述べることが求められた点は例年通りであった。

 2(B)和文英訳   

  • 下線部の日本語を英訳する問題。昨年度と同様に和書からの引用文で、出典は、木田元『新人生論ノート』。
  • 昨年度は内容が抽象的であり著者の意図することを汲む必要があったが、今年度は「語学の習得」を「自転車に乗る練習」に喩えたもので、さほど抽象度が高くなく素直に訳せる問題であった。
  • 1文目が長いので英文の構成を考慮すること、また、「〜しまえばなんでもない」を、文脈を意識しながら訳出することが必要であった。

 3(リスニング)  

  • 昨年度同様、出題形式はすべて英問英答の選択式。問題数は各5問あり、選択肢はそれぞれ5つあった。
  • (A)〜(C)と中問が3つあり、(A)(B)は関連した内容で、(C)のみ独立した内容であった。(A)はインタヴューで(B)はそれに関する内容の会話、(C)は講義であった。

(A):ある美術研究者への「絵画の贋作」に関するインタヴュー

  • 選択肢の長さは昨年度と同様10語程度。
  • 5問中4問は内容一致で、残り1問は内容不一致であった。
  • 前半部分の絵画に関する用語や固有名詞の説明と、後半部分の調査の現状を正しく聞き取る必要があった。

(B):(A)の内容に関連した「絵画の贋作」に関する会話

  • (A)とは異なる司会者と(A)で登場した美術研究者の「マーク・ロスコの贋作に関する裁判」についての会話。
  • 昨年度は3(A)の登場人物に1人追加された3人の会話であったが、今年度は話者が2人であった。
  • 5問中4問は内容一致問題で、1問は「会話で述べられていないもの」を選ぶ問題。昨年度は発言者の意見の相違を汲み取る必要があったが、今年度は(A)と同様に聞いた内容から素直に判断すれば解答が導けた

(C):「文明崩壊の歴史と現代文明」に関する講義

  • 5問中2問は英文完成問題、その他は内容一致問題、内容不一致問題、「講義で述べられていないもの」を選ぶ問題であった。
  • 昨年度に比べて選択肢の語数が長かったので、講義が流れる前に目を通す際は負担であっただろう。

 4(A)文法  

  • 「人間の自己家畜化」に関する英文。3年連続で正誤問題が出題された。語数は約460語と昨年度より減少している。
  • 昨年度同様、英文は5つの段落に分かれており、各段落にそれぞれ5つの下線が引かれている。
  • 誤りを含まない箇所にも、見慣れない単語や表現が含まれているため「正しい」と確信を持ちにくいが、問われている文法・語法のレベルは基本的なものもあったので、確かな文法・語法、イディオムや熟語の知識が必要である。また、その知識を用いて英文を正しく理解し、前後の文脈から文法・語法の正誤の判断ができるかも問われている。

 4(B)英文和訳  

  • 「コミュニケーションにおける開示と非開示」に関する約220語の英文。
  • 和訳する下線部は3箇所で、例年と変化なし。語数は昨年度よりやや減少した。
  • (イ) “ (some things get said,) others not” の部分は … and〔while〕others don’t get said と補って訳すことが必要であった。

 5 長文読解  

  • 日本に住む外国人女性によるエッセイ風の英文からの出題。
  • 「日常において人知れず繰り返し行われる仕事」が英文のテーマであること、そして、そういった仕事を筆者が気に留めていることを把握できれば、内容把握は比較的容易だったと思われる。
  • 客観式問題+記述式問題混合。形式・分量ともに、昨年度から目立った変化はない。
  • 英文内容を正しく把握できていればどの問題も取り組みやすかったと思われるが、(A) はどこまで細かく記述すべきかやや判断に迷う。また、(C) の語句整序では it の扱いに戸惑ったと思われる。

攻略のためのアドバイス

東大英語を攻略するには、次の3つの要求を満たす必要がある。

●要求1● 「基本=易しい」と甘く見てはいけない。

難易度が高い語彙はあまり登場しないが、文脈の把握が難しい英文を題材にしたり、基本語の盲点となる用法を設問としたりすることがあり、基本事項の習得が疎かだと得点を伸ばすことができない

●要求2●高度なリスニング力を身に付けよう。

東大のリスニングは、放送時間が長いのに加え、聞き取り問題として扱うには高度な英文を題材にしたり、複数の放送の内容が関連していたりして、解答には高度なリスニング力が求められる。差がつきやすい問題の1つなので、対策には十分時間をかけておく必要がある。

●要求3●時間管理力を付けよう。

東大入試英語の最大の壁は、与えられた試験時間内に膨大な問題に適切に解答できるかどうかである。

まずは時間を意識して問題を解くこと。大意要約や自由英作文など記述に時間がかかる問題も含まれているので、日ごろから答案作成→第三者による添削→添削内容の習得・答案改善のサイクルを築いて、質の高い答案を迅速に作成できるようになっておかなければならない。

対策の進め方

まずは基礎力の完成を目指すこと。文法事項を網羅的に習得した上で、さまざまな英文を正確に読めるようにしておこう。また、対策にあてた時間が得点に直結しやすい要約・自由英作文の記述対策にも早い段階から取り組んでおきたい

基礎力が身についたことを実感できるようになったら、答案の精度を上げていく一方で、時間管理力をつけるために時間を計って演習し、自分の課題を確実に消化しておこう。

最後に、自分で納得できる答案を試験時間内に書けるような時間配分を感覚として身につけておいてほしい。試験本番は必要以上に時間をかけて問題に臨んでしまい、時間配分がうまくいかないこともある。ある程度余裕のある戦略を組み立てられるように、問題に十分慣れておくこと。過去問研究の差が明暗を分ける。

 

Z会で東大対策をしよう

Z会東大英語担当者からのメッセージ

東大は大学のHPにて、「(高等学校段階までの学習で)その言語についての正確な知識に裏打ちされた論理的な思考力の養成に努めて」「ときにその言語の背景にある社会・文化への理解を要求する問題が出題される」と明言しています。東大英語の問題全体を見れば、このメッセージが含まれていることがわかりますね。

東大英語の英文は、決して語彙・内容面で難しいものではありませんが、意味を理解しただけでは得点につながらない問題がほとんどです。つまり、解答を作成するための日本語・英語での記述力こそが最大のポイントとなります。また、リスニングや自由英作文など、あらゆる出題形式に対応する力をバランスよく身につける必要があります。

Z会の「東大コース」では、東大の入試を分析し尽くした上で練り上げた良質な問題を出題。さまざまな出題形式に対応しているため、柔軟なアウトプット力を身につけることができます。プロの添削者による個別の添削指導も受けられるので、実戦力が確実に上がります。Z会で問題演習を重ねて解答の質を高め、一緒に東大合格を勝ち取りましょう!

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