倫理 – 共通テスト（2022年度）の分析＆対策の指針

Ｚ会の大学受験生向け講座の倫理担当者が、2022年度の共通テスト（第1日程）を分析。出題内容や「カギとなる問題」の攻略ポイント、次年度に向けたアドバイスなどを詳しく解説します。

 

共通テスト「倫理」の出題内容は？

まずは、科目全体の傾向を把握しましょう。分量、問題構成、難度などを解説します。

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試験時間と配点

時間 / 配点：60分 / 100点

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全体の傾向

●大問数４題、解答数33問。大問数・解答数とも2021年度共通テスト第１日程・第２日程と同数であった。

●全範囲からバランスよく出題された。細かい知識を要する問題もあったが、概ね標準的な難易度である。

●センター型の４文正誤を中心に、空欄補充、文章の正誤組合せなど様々な形式が出題された。

●資料文を用いた問題は８問出題された。多くの受験生にとって、ほとんどの文章が初見と思われる。

●すべての大問でリード文に会話文が用いられた。既出の会話文を踏まえて設問に答える問題もあり、読解力が要求された。

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倫理の「カギとなる問題」は？

次に、倫理で「カギとなる問題」を見てみましょう。共通テスト特有の問題や、合格点をとるうえで重要な問題を取り上げ、攻略ポイントを解説します。

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第４問問８

表に示された区分にしたがって、そのレベルに適合する例を選ぶ問題であった。コールバーグの思想は多くの受験生にとって初見であり、その場で表の考え方を把握し、具体的な場面に置き換えて捉え直す必要があった。

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大問別ポイント／設問形式別ポイント

次に、倫理の出題内容を詳しく見ていきましょう。各問の難度や求められる知識・考え方を解説します。

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第１問：議論について（源流思想）　 ［標準］

・問５・問７では資料が提示され、それに関する会話文の空欄に入る記述の組合せを選ぶ問題であった。空欄の一方は資料読解、もう一方は知識で判断する必要があった。
・また、２つの資料文が提示され、それに関する会話文中の下線部の正誤を判断する問題であった問６も、読解と知識の両方の力が求められた。
・問８は設問内の会話文中の空欄に当てはまる文を選ぶ問題で、選択肢では著作物の内容への言及がなされた。会話文の文脈を捉えられれば正答を絞ることが可能であった。

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第２問：理想をめぐる思索（日本思想）　 ［やや易］

・問３では写真が３枚提示された。明恵に関する知識はやや細かかった。
・問４では本居宣長の真心について、身近な事例で説明した文を選ぶ問題であった。用語の意味を正確に理解していれば、判断は容易である。
・問６は、学習の盲点になりがちな範囲であったが、キーワードをもとに選択肢を絞り込みたい。

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第３問：「考えること」について（西洋思想）　 ［標準］

・問２は絵画について交わされた会話文中の空欄に入る事例を選ぶ問題で、論理的に考えれば難しくない。
・問６はヤスパースの限界状況について、やや踏み込んだ理解が求められた。
・問７は、資料とそれに関するメモが提示され、メモの空欄に該当する記述を選ぶ問題であった。形式面でも知識面でもやや難しく、落ち着いて選択肢を読んで判断したい。
・問８はII・IIIの会話文を踏まえて解答することが求められ、文脈を的確かつ手早く把握する必要があった。

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第４問：未来世代に対する責任（青年期と人間の特質、現代社会の諸課題）　 ［標準］

・問１ではメモで述べられていることを正確に把握する必要があり、知識面でも紛らわしい内容であった。
・問４ではやや出題頻度の低い人物について思想の理解が問われた。
・問６は、資料文中の下線部の説明に該当する事例の組合せを選ぶ、新しい形式の問題であった。慎重に取り組み、文章の内容を正確に把握したい。
・問９は、会話文と設問の資料の両方を踏まえて考える必要があり、より読解力を必要とする内容であった。

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攻略へのアドバイス

最後に、次年度以降の共通テストに向けた攻略ポイントを確認しましょう。倫理で求められる力をふまえて、必要となる対策を解説します。

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全範囲にわたる正確な知識と深い理解が必要

幅広い知識と深い理解が求められるので、まずは教科書で基本的な用語を確認し、主要な思想家とその主張を押さえよう。とくに西洋と日本の思想については、その変遷を系統立てて押さえておくことが肝心である。各思想が生まれた背景や、他思想との違いを押さえておくと、より理解が深まるだろう。

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大量の問題文に立ち向かうための文章読解力・問題処理力の養成

問題分量が多いので、問題文や各選択肢を素早く正確に読む力を身につけよう。複数の文章を参照するなど複雑な形式も見られるので、問題演習を通して実戦的な文章読解力や問題処理力を高めていこう。

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