物理 – 2025年度共通テストの分析&対策の指針

投稿日時:2025年1月20日
Z会の大学受験生向け講座の物理担当者が、2025年度の共通テストを分析。出題内容や「カギとなる問題」の攻略ポイント、次年度に向けたアドバイスなどを詳しく解説します。
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共通テスト「物理」の出題内容は?
まずは、科目全体の傾向を把握しましょう。分量・問題構成、難度などを解説します。
試験時間と配点
時間 / 配点:60分 / 100点
全体の傾向
●例年通り、物理の各分野から幅広く出題された。2025年度も原子は第1問の小問集合で扱われた。
●難易度は2024年度からやや難化した。
●物理の設問数は例年20題だが、2025年度は23題と多かった。総ページ数も2024年度の23ページから28ページに増加したため、2025年度は負担感が大きかっただろう。
●ここ3年間なかった中問(A・B)に分かれた大問が復活した。この大問(第3問)では、熱力学と波動という、完全に独立した内容について問われた。
●探究活動や実験に関する設問が今年も多く見られ、また、グラフを選択させる設問が多く出題された。知識や典型問題の定着度ではなく、論理的思考力や情報の運用力を測る共通テストの出題方針に変わりはなかった。
大問別の難易度、配点、テーマ・分野
※難易度は共通テストの受験生を母集団とする基準で判定しています
第1問[やや難](配点:25点) | 小問集合 |
---|---|
第2問[標準](配点:25点) | 【力学】単振り子の周期測定の探究活動 |
第3問[A 標準][B やや難](配点:25点) | A【熱力学】気体の状態変化 B【波動】波の重ね合わせ |
第4問[標準](配点:25点) | 【電磁気】導体棒と2本のレールからなる回路の電磁誘導 |
物理の「カギとなる問題」は?
次に、物理で「カギとなる問題」を見てみましょう。合格点をとるうえで重要な問題を取り上げ、攻略ポイントを解説します。
第1問の問3
3つの力の合力の作図問題。考察を進めると、作用点が異なる逆向きの2つの力を合成する必要があるが、類題が少ないので考え方がわからなかった人も多いだろう。力だけでなくモーメントもあわせて合力を考えられるようにしておきたい。
第1問の問4
本問では電磁場中を通過したあとの電子の速さについて考察させる。用いる物理量が一切与えられていないため、戸惑った人も多いだろう。磁場から受けるローレンツ力が仕事をしないこと、電場のみのときは電場から受ける静電気力によって加速されることを考えれば、計算せずとも答えは出る。
第2問の問5
本問では重力加速度の大きさが極と赤道上で異なる理由を考察させる。赤道上では遠心力の影響で重力加速度が小さくなることを問題文から読み取る必要がある。
第3問
Bで登場する波の式は苦手な受験生が多い。その分、問題文の中にヒントが多く書かれているので、読み飛ばさないようにしたい。問6は難解だが、到達時間差が(1/8)秒の整数倍である(選択肢の中では0.5s=4周期分しか答えがない)ことから、経路差が波4つ分であることに気づけたかどうかがポイント。
攻略へのアドバイス
最後に、次年度以降の共通テストに向けた攻略ポイントを確認しましょう。物理で求められる力をふまえて、必要となる対策を解説します。
法則や定義の理解の抜け・漏れをなくし、基本問題を確実に解答できる力を身につける
共通テストは思考力が問われる問題が多いが、それ以前に考える武器となる法則や定義、そしてこれらから導かれる公式を正しく身につけていなければ太刀打ちできない。まずは基本問題の演習を通して法則や定義を確実に理解し、公式をすぐに使用できる状態にしておくことが最優先である。
実験を行い、図やグラフを用いて情報を整理したり、議論をしたりする機会を増やす
実験により得られた図やグラフを活用する機会を増やすことが重要である。実験では、教科書の結果と一致することを確かめるだけではなく、誤差が生じた原因はなぜか、予想と反した結果が出たのはなぜか、予想が正しいことを検証するためにはどのような実験を行えばよいか、などの発展的な考察もぜひ行ってほしい。
様々な物理現象を言葉で説明する訓練をする
共通テストでは定性的な理解を問われることが多いため、物理現象を言葉を用いて説明する訓練が重要である。わからない問題を友達どうしで教え合うなどして、自分の言葉で説明をする機会を増やしてほしい。また、教科書傍用の問題集などに取り組むときも、ただ場当たり的に問題の解き方を身につけるのではなく、「どのような条件のときに運動量保存則が成立するのか」「運動の向きを変化させる原因は何か」など、物理現象の根本的な部分を意識・理解しながら取り組んでほしい。
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