地理B – 共通テスト(2021年度)の分析&対策の指針

投稿日時:2021年2月12日

Z会の大学受験生向け講座の地理担当者が、2021年度の共通テスト(第1日程)を分析。出題内容や「カギとなる問題」の攻略ポイント、次年度に向けたアドバイスなどを詳しく解説します。

 

共通テスト「地理B」の出題内容は?

まずは、科目全体の傾向を把握しましょう。分量・問題構成などを整理し、難度(センター試験や試行調査と比較してどう変化したか)を解説します。
試験時間と配点

時間 / 配点:60分 / 100点

全体の傾向

大問数は5題、小問数は32問で、センター試験からは減少したが、第2回試行調査からの変化はない。

問題文の分量はセンター試験より増加したが、試行調査とは同程度である。問題の設定や意図を素早く読み解く読解力が必要とされた。

図表の数がセンター試験や試行調査よりも増加し、ほぼすべての問題で使用された。

出題テーマ

第1問:世界の自然環境

第2問:産業

第3問:都市と人口

第4問:アメリカ合衆国地誌

第5問:地域調査(京都府宮津市周辺)

おもな注目ポイント

●大問ごとの出題テーマは試行調査とほぼ同じであり、第1問では探究的な学習を想定した出題が見られた。一方、センター試験で出題された比較地誌に関する問題は見られなかった。

全問題の半分以上が組合せ形式の問題であった。また、条件に合致する数を答える問題や、誤りを含む文の組合せを選ぶ問題など、センター試験や試行調査では見られなかった形式の問題も散見された。なお、試行調査で出題された三文の正誤組合せ問題、図の変化を予測する問題は見られなかった。

●難易度は、とくに第1問において、題意をつかみにくく判断がつきにくい図表が多く見られたため、全体的にセンター試験や試行調査よりもやや難化した。第4問、第5問の比較的平易な問題において、ケアレスミスをせず、確実に得点を積み重ねることが重要である。

 

地理Bの「カギとなる問題」は?

次に、地理Bで「カギとなる問題」を見てみましょう。共通テスト特有の問題や、合格点をとるうえで重要な問題を取り上げ、攻略ポイントを解説します。
第1問問2

問題中に地図が提示されていないため、雨温図と会話文をヒントにして地点DとEのおおよその位置と気候区分を考えなければならず、難易度の高い問題であった。日頃から地図帳・資料集などで気候や気圧帯の特徴や分布を確認できているかがカギとなった。

第3問問2

グラフの割合と人口・都市の特徴、各国の社会状況など、基本的な知識を組み合わせて多角的な視点から判断できるかどうかがカギとなり、共通テストらしい特徴的な出題であった。

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大問別ポイント/設問形式別ポイント(2/12更新)

次に、地理の出題内容を詳しく見ていきましょう。各問の難度や求められる知識・考え方を解説します。

第1問:世界の自然環境  [やや難]

問題文の設定などが複雑であるため、問題で問われていることを理解するのに時間がかかる。

・問2:探究的な授業を想定し、提示された図表等を用いて、会話文中の空欄に該当する語句を選ぶ問題であった。該当の気候の雨温図がどのように表示されるかを押さえた上で解答に当たる必要があり、地図や資料集を用いた学習が重視された。

・問3:タイにおける洪水を引き起こす自然現象について、会話文の吟味や、低緯度地域における災害についての認識が不十分であると間違いやすい問題であった。

・問4ミ:氷河が分布する山の数を答える問題であるが、詳細な知識を必要とするため難しい。


第2問:産業  [標準]

工場立地についての出題は試行調査から引き続き出題されている。多角的な視点や複数の段階を踏んで読み解く図表が多く、判定に悩んだ受験生が多かっただろう。

・問3:工場の立地を模式図から考察することが求められたが、条件を正確に読み取ることができれば難しい問題ではない。

・問5:日系海外現地法人の売上高のうち、製造業の売上高の推移を国・地域ごとに組み合わせる問題であった。売上高の推移という、あまり問われない内容であり、工業化の順番と異なるため判断に迷っただろう。

・問6:グラフの指標である商業形態の判定だけでなく、凡例の立地する地区についても考える必要があり難しい。


第3問:都市と人口  [標準]

出題の内容は多岐にわたるものの、出題内容・形式はこれまでのセンター試験とさほど変わらない。

・問2:カとクの割合の傾向が似ているため、判定に迷った受験生が多かったと思われる。多角的な視点が必要となる問題であった。

・問4:島嶼部を除く東京都の地域別人口増加率の推移について、東京都心部の人口増加の時期を勘違いしている受験生が多かったと思われる。年代とその時代の社会状況とを照らし合わせて考えたい。


第4問:アメリカ合衆国地誌 [標準]

基本的な出題であるが、複数の分野にまたがった問題が多い。なお、センター試験で出題された比較地誌に関する問題は出題されなかった。

・問2:各州の地形・農業・工業の特徴を押さえられているかどうかがカギとなる問題であった。

・問5:都市人口率の分布と各指標の分布との相関関係を捉えることがポイントであった。

・問6:アメリカ大統領選挙を題材にした時事的な出題である。センター試験でもあまり見られない出題であったが、図の読み取りは易しく、当時の政策が理解できていれば解答は可能である。


第5問:地域調査(京都府宮津市周辺)[標準]

センター試験・試行調査の出題とほぼ変わらない内容であった。

・問4:冬の季節風の乾湿について、理解が不正確な受験生が多かったと思われる。

・問5:調査の結果から考察するという、試行調査から取り上げられている新しい傾向の問題ではあるが、内容は易しい。


 

攻略へのアドバイス(2/12更新)

最後に、次年度以降の共通テストに向けた攻略ポイントを確認しましょう。地理で求められる力をふまえて、必要となる対策を解説します。
早めの基礎知識の定着をめざす

共通テストでは、従来のセンター試験と同様、高校地理の幅広い分野からの出題が見られた。高3の夏休みの終わりまでに高校地理の学習範囲を終えたい。教科書の本文で太字となっている用語や地名は最低限押さえるようにしよう。秋以降は共通テスト独特の出題形式に慣れるため、模試形式の演習に多く取り組み、図表読解力を鍛えるよう心掛けたい。

日頃から地図や図表に目を通す

土台となる知識量や図表の読み取りが中心である点はセンター試験から変化がないが、扱われている図表がセンター試験より多く、また資料の読解が複雑化したことが特徴的であった。さらに、グラフの指標だけでなく凡例についても答える問題や、地図で具体的な場所が示されない問題など、事前の地図学習や図表学習が発揮される出題が見られている。授業や演習で登場した地名・地域や内容について、日頃から地図帳や資料集で位置や範囲を確認し、分布や数値の特徴をつかむ習慣をつけるとよいだろう。

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