英語リスニング – 共通テストの分析&対策の指針
投稿日時:2024年1月14日
Z会の大学受験生向け講座の英語担当者が、2024年度の共通テストを分析。出題内容や「カギとなる問題」の攻略ポイント、次年度に向けたアドバイスなどを詳しく解説します。
共通テスト「英語リスニング」の出題内容は?
まずは、科目全体の傾向を把握しましょう。分量、問題構成、難度を解説します。
試験時間と配点
時間 / 配点:60分(うち解答時間30分) / 100点
全体の傾向
●2023年度と比較して、出題形式・分量・難易度に大きな変化は見られなかった。
●音声に1回聞き・アメリカ英語以外が含まれる点や、問題ごとに設定された場面・状況下で、与えられたグラフや表などの資料を読み込んだ上で聞き取った情報から素早く正答を導き出す必要がある点も変わらず、高い情報処理力が求められた。
英語リスニングの「カギとなる問題」は?
次に、英語リスニングで「カギとなる問題」を見てみましょう。共通テスト特有の問題や、合格点をとるうえで重要な問題を取り上げ、攻略ポイントを解説します。
第5問:問28〜31
選択肢が連語になっており、語法の知識があるとより解答しやすい問題であった。
第6問B:問36
会話終了時の状況を問われているため、会話の流れを理解し、話者の考え方の変化を正確に把握する必要があった。
大問別ポイント/設問形式別ポイント
次に、英語リスニングの出題内容を詳しく見ていきましょう。各問の難度や求められる知識・考え方を解説します。
第1問A:短い発話の聞き取り(内容一致問題)(配点:16点)[標準]
・2023年度と同様、1人の短い発話の内容に合致する文を選ぶ問題。音声を聞き取る中で、既に起こったこと、今起きていること、これから起きることの区別に注意する必要がある。
第1問B:短い発話の聞き取り(イラスト選択問題)(配点:9点)[標準]
・2023年度と同様、1人の短い発話の内容に合致するイラストを選ぶ問題。4つのイラストの共通点・相違点は明確で音声も短いので、確実に解答の根拠となる情報を聞き取りたい。
第2問:短い対話の聞き取り(イラスト選択問題)(配点:16点)[やや易]
・対話内容に当てはまるイラストを選ぶ、例年通りの形式。日本語で書かれている対話の場面と選択肢のイラストを見れば何を問われるのか概ね予想がつき、対話中の複数のポイントに焦点を当てて正解を導けばよい。
第3問:短い対話の聞き取り(質問回答選択問題)(配点:18点)[標準]
・例年通り、対話を聞き取り、質問の答えとして適切なものを選ぶ形式の問題。音声が1回しか放送されないため、事前に設問文や選択肢に目を通しておき、聞き取るべきポイントを整理しておく必要がある。
第4問A:モノローグの聞き取り(週末に行なったことについて(約70語)/ 夏季講座のスケジュールの説明(約80語))(配点:8点)[標準]
・短い説明を1回聞いて設問に答える問題。問18~21は、グラフに入る項目を選択する問題から、2022年度に出題された時系列に沿ってイラストを並べ替える問題に戻った。問22〜25は例年同様、表に入る情報を選択する問題であった。いずれの問題も、順序や時を表す語句に注目して情報を整理する必要があった。
第4問B:モノローグの聞き取り(文化祭の出し物について(約175語))(配点:4点)[標準]
・2023年度と同様、4人の発言を1回聞き、A〜Cの3つの条件に最も合うものを選ぶ問題であった。英語を母語としないスピーカーが含まれている点も踏襲されている。数字の聞き取りがポイントであった。
第5問:講義の聞き取り(ガラスに関する講義(約330語))(配点:15点)[標準]
・長めの講義文を1回聞き、ワークシートを完成させる問題と、講義の内容に一致するものを選ぶ問題、グラフと講義の内容からわかることを選ぶ問題が出題された。2024年度はワークシートが簡素化されていたため、事前に内容を予想しておくことが難しく、情報を聞き逃さないよう、より一層注意が必要であった。
第6問A:対話文の聞き取り(旅行中の移動方法についての対話(約160語))(配点:6点)[標準]
・2人の対話を1回聞き、対話中に話者が述べた意見を選ぶ問題と、対話の最後に2人が出した結論を問う問題。対話全体から話者の考えとその変化を把握することがポイントであった。
第6問B:長い会話文の聞き取り(これから始める運動に関する議論(約220語))(配点:8点)[やや難]
・4人の学生の議論を1回聞き、会話終了時にウォーキングをすることに決めた人物と、ある意見の根拠となる図表を選択する問題。複数の話者の意見とその変化を素早く整理することが求められた。
攻略へのアドバイス
最後に、次年度以降の共通テストに向けた攻略ポイントを確認しましょう。英語リスニングで求められる力をふまえて、必要となる対策を解説します。
要点を掴む力や冷静に判断する力が必要
放送文の内容を聞き取った上で、要点を掴む力や冷静に判断する力が必要である。単に英語に耳を慣らすだけではなく放送文を確認し、解答のポイントとなるキーワードがどのように聞こえるか復習しよう。
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