歴史総合,日本史探究 – 2025年度共通テストの分析&対策の指針

投稿日時:2025年1月19日
Z会の大学受験生向け講座の日本史担当者が、2025年度の共通テストを分析。出題内容や「カギとなる問題」の攻略ポイント、次年度に向けたアドバイスなどを詳しく解説します。
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共通テスト「歴史総合,日本史探究」の出題内容は?
まずは、科目全体の傾向を把握しましょう。分量、問題構成、難度などを解説します。
試験時間と配点
時間 / 配点:60分 / 100点
出題内容
●大問数は6題、小問数は33問であった。小問数は、2024年度共通テスト「日本史B」より1問増え、「試作問題」の「歴史総合,日本史探究」からは1問減った。
●出題構成は、「歴史総合」からの出題が1題、「日本史探究」からの出題が5題である。「日本史探究」からの出題は、古代〜近・現代から幅広く出題した大問が1題、原始・古代、中世、近世、近・現代が各1題であり、「試作問題」と同様であった。
●「歴史総合」からの出題は、配点が25点であり、「試作問題」より1問少ない8問が出題された。「日本史探究」の知識のみで解答できる問題はほとんどなく、「歴史総合」の対策が十分にできていたかどうかで出来に差がついただろう。
●文献史料が10点以上と多数使用されているが、大半は現代語訳で出題されており、読み取りの難度は高くない。その他、グラフ・地図の読み取りや、絵図の特定が求められる出題が見られた。
●資料問題以外でも、リード文・会話文など提示された情報を把握しないと解答できない問題が散見され、取り組みに時間を要する試験であった。焦らずに全問を解ききるためには、時間配分に注意したい。
●選択肢の吟味など解答に時間がかかる問題が多い一方、丁寧に解いていけば確実に解答できる問題と、学習した知識だけでは判断がつきづらく、文脈などを踏まえて論理的に思考する必要がある問題があり、問題による取り組みやすさに幅がある。まずは、取り組みやすい問題を確実に解答することをめざそう。
大問別の難易度、配点、テーマ・分野
※難易度は共通テストの受験生を母集団とする基準で判定しています
第1問[標準](配点:25点) | 【歴史総合】歴史上における境界 |
---|---|
第2問[標準](配点:15点) | 【日本史探究】菓子の普及 |
第3問[標準](配点:15点) | 【日本史探究】外交・文化の関わりと九州北部 |
第4問[標準](配点:15点) | 【日本史探究】鎌倉時代の御家人と戦国大名 |
第5問[標準](配点:15点) | 【日本史探究】近世の村 |
第6問[標準](配点:15点) | 【日本史探究】松本清張の作品とその時代 |
歴史総合,日本史探究の「カギとなる問題」は?
次に、「カギとなる問題」を見てみましょう。合格点をとるうえで重要な問題を取り上げ、攻略ポイントを解説します。
第1問
世界史寄りの知識が必要な設問が多かった。とくに問3・問7は「日本史探究」の知識では対応しきれない。問5・問6は、提示された地図やグラフをきちんと読み取り確実に正解したい。
第2問
全時代から出題された。問3・問4は、選択肢の文からそれぞれどの時代について述べているかを判断する。歴史用語の一問一答的な理解だけでなく、各時代の傾向・特徴を把握しているかどうかが試された。問5はBの会話文の内容を踏まえて判断する必要があった。
第6問
「日本史探究」の近・現代史が5問出題された。そのうち3問は昭和戦後史からの出題であった。問4は正確な知識が必要であり、難度が高い。長谷川町子の漫画「意地悪ばあさん」が出題された問5は、Y中の「規制緩和・構造改革」から小泉純一郎内閣を想起し、適当ではないと判断したい。
攻略へのアドバイス
最後に、次年度以降の共通テストに向けた攻略ポイントを確認しましょう。「歴史総合,日本史探究」で求められる力をふまえて、必要となる対策を解説します。以下の点を意識して学習に励みましょう。
「歴史総合」「日本史探究」ともに、基本的な知識を確実なものにする
共通テストでは、提示された情報を読み取る力や論理的な思考力を要する問題が見られるが、基本的な知識・理解が身についていることを前提とした出題である。また、「日本史探究」「歴史総合」ともに教科書レベルの知識を押さえている必要がある。教科書や用語集などを活用して、いずれも基本的な知識を固めよう。
提示された情報を活用する力をつける
共通テストでは、文献史料や絵図、グラフなど多様な資料の他、リード文や会話文などから、設問に応じて必要な情報を的確に見抜く力も求められる。日頃から史料集や図説を活用し、資料から情報を読み取ること、読み取った情報と歴史事象を紐づけて考えることに慣れておこう。このような形式の問題は一問一答的な学習では対応しきれないので、Z会「共通テスト攻略演習」などで定期的に問題演習を積んでいきたい。
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