倫理、政治・経済 – 共通テスト(2021年度)の分析&対策の指針

投稿日時:2021年2月12日

Z会の大学受験生向け講座の倫理、政治・経済担当者が、2021年度の共通テスト(第1日程)を分析。出題内容や「カギとなる問題」の攻略ポイント、次年度に向けたアドバイスなどを詳しく解説します。

 

共通テスト「倫理、政治・経済」の出題内容は?

まずは、科目全体の傾向を把握しましょう。分量・問題構成などを整理し、難度(センター試験や試行調査と比較してどう変化したか)を解説します。
試験時間と配点

時間 / 配点:60分 / 100点

全体の傾向

●大問数は倫理4題、政治・経済3題の計7題、問題数は倫理16問、政治・経済17問の計32問(マーク数33)であり、センター試験と比べて大問数は増加したが問題数は減少した。倫理、政治・経済部分ともに、共通テスト「倫理」「政治・経済」から抜粋した問題であった。 ●倫理分野においては、試行調査の「倫理」と同様に資料を多用した出題であり、とりわけ資料文を用いた問題が多かった。また、会話文を読み取らせる問題が散見された。センター試験で見られた本文趣旨要約問題や、試行調査の「倫理」で出題された、前問の答とその後の問の答を組み合わせて解答する連動型の問題は、出題されなかった。 ●政治・経済部分においては、試行調査の「政治・経済」で出題された形式はほぼ出題されず、模式図を利用するなど新しい形式の問題が出題された。それぞれの大問では、複数の分野から組み合わせて問題が出題された。  

倫理、政治・経済の「カギとなる問題」は?

次に、倫理、政治・経済で「カギとなる問題」を見てみましょう。共通テスト特有の問題や、合格点をとるうえで重要な問題を取り上げ、攻略ポイントを解説します。
第4問 問1

フロイトに関する2カ所の空欄補充の組合せ問題であった。空欄bは文章で説明された定義をもとに具体的な事例を考える必要があり、知識だけでなく文章読解力や論理的思考力も問われた。

第6問 問6

模式図を用いて日本企業の海外進出の要因・影響を答える問題であった。まずは、模式図を読み解いて問われている内容をしっかりと把握する必要があり、その上で、日本企業の海外進出に関する因果関係を考察する論理的思考力が求められた。共通テストでは、今までの過去問や対策模試では出題されなかった図表やグラフなどの資料が出題されるため、初見の資料でも戸惑うことのないよう、日々の学習から資料のポイントを即座に見つけ出す練習を行うようにしたい。

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大問別ポイント/設問形式別ポイント

次に、倫理、政治・経済の出題内容を詳しく見ていきましょう。各問の難度や求められる知識・考え方を解説します。

第1問:源流思想(倫理)  [やや易] ・共通テスト「倫理」の第1問から抜粋した問題であり、源流思想を中心とする出題であった。 ・問1・問3は、センター試験で定番の4文正誤問題であった。問1はやや細かい知識が問われた。問3はオーソドックスな内容であり、手堅く得点したい。 資料文が提示された問4は、大問の最初に示された会話文と資料文を踏まえて解答する問題であった。試行調査では出題されていなかった形式のため、とまどった受験生もいたかもしれないが、読解自体は平易であるので、落ち着いて取り組みたい。


第2問:日本思想(倫理)  [標準] ・共通テスト「倫理」の第2問から抜粋した問題であり、日本思想を中心とする出題であった。 ・大問全体を通して、資料文や会話文、ノートやレポート形式の文章などが活用された。問2は生徒のノート中の空欄に当てはまる記述を選ぶ問題であり、提示された図版の読み取りと知識が必要とされた。 ・問4は3人の思想家に関する説明と人物名の組合せ問題というセンター試験でも見られた形式であったが、やや細かい人物が問われたため、難しかった。


第3問:西洋思想(倫理)  [標準] ・共通テスト「倫理」の第3問から抜粋した問題であり、西洋思想を中心とする出題であった。 試行調査では見られなかった、センター型のリード文が提示された。センター試験で定番だった本文趣旨要約問題は出題されず、代わりに問4で、リード文の文章を読んだ高校生と先生による会話文中の空欄に当てはまる言葉を選ぶ問題が出題された。リード文と会話文の要旨を的確かつ手早く把握する必要があった。 ・問1はセンター試験で定番の形式であったが、やや細かい知識が問われたため、解答に苦戦したであろう。


第4問:青年期と人間の特質、現代社会の諸課題(倫理)  [標準] ・共通テスト「倫理」の第4問から抜粋した問題であり、青年期と人間の特質、および現代社会の諸課題を中心とする出題であった。 ・問2と問3−(2)は、大問の最初に示された会話文の内容と、問題で提示された図版・会話文・資料文を組み合わせて解く問題であった。複数の文や資料を正確に読解し、手際よく問題に対処する必要があった。 共通テスト「倫理」で出題された統計資料を用いた問題は、「倫理、政治・経済」では出題されなかった。


第5問:民主主義の基本原理と日本国憲法  [やや難] ・問1・問3では、複数の判決文を用いた問題が出題された。全体的に読む分量が多く、難しかった。長く読みづらい資料文が出題された場合でも、落ち着いて資料を読み解けるようにしたい。 ・問5では、資料集などでは見かけない模式図を用いた出題がされた。まずは、模式図が何を示しているのかを読み取り、その上で問題の条件に沿って解答を導いていく必要がある。


第6問:現代の経済状況  [やや難] ・問3では、国家財政の歳出・歳入を示した表を用いた計算が出題された。問われている内容は基本的なものだが、それぞれの選択肢において別々の計算をする必要があったため、手間取る受験生も多かったであろう。 ・問4では、貸借対照表を用いた出題された。貸借対照表は多くの受験生にとって初見の資料であり、まずは理解することに時間を取られたと思われる。金融危機の知識も活用して、落ち着いて問題に取り組みたい。


第7問:日本の開発協力  [標準] いままでのセンター試験では見られなかった、模式図を用いた大問形式であった。 ・問1では、選挙監視団に関する会話文を用いて、民主主義の概念を考察する問題であった。分量は多いが、読みやすい文章であるので冷静に対処していきたい。 ・問4では、日本の国際貢献に関する生徒のノートの空欄に文章を当てはめる問題であった。読み解くのに時間がかかったかもしれないが、設問文に大きなヒントが示されていたので、着実に得点しておきたい。


 

攻略へのアドバイス

最後に、次年度以降の共通テストに向けた攻略ポイントを確認しましょう。倫理、政治・経済で求められる力をふまえて、必要となる対策を解説します。
【倫理分野】全範囲にわたる正確な知識と深い理解が必要

幅広い知識と深い理解の両方が求められるので、まずは教科書で基本的な用語をきちんと学習し、主要な思想家とその主張を押さえよう。個々の思想や思想家について単独で覚えるのではなく、各々の思想が生まれた背景や、他思想との共通点や相違点も押さえておくと、より理解が深まるだろう。とくに、西洋と日本の思想については、系統立ててその変遷を押さえておくことが肝心である。

【倫理分野】大量の問題文に立ち向かうための文章読解力・問題処理力の養成

問題分量が多いので、提示された会話文・資料文や各選択肢を素早く正確に読む力を身につけよう。複数の文章を参照して解答を導く問題など、複雑な形式の出題もなされるので、専科「共通テスト攻略演習」で毎月様々な問題に当たるなど、問題演習を通して文章読解力や問題処理力を高めていこう。

【政治・経済分野】基本的な知識を確実に押さえる

資料読解を必要とする問題は増えたが、資料読解の土台となるのは基本的な政治・経済の知識である。早めに全範囲の原理・概念といった基礎知識を押さえ、一問一答や正誤問題・計算問題などの演習に取り組んで、政治・経済の知識を盤石なものにしよう。また、日頃から時事テーマにも関心を持つようにしたい。

新高3生向け Z会の共通テスト対策講座

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