政治・経済 – 共通テスト（2021年度）の分析＆対策の指針

Ｚ会の大学受験生向け講座の政治・経済担当者が、2021年度の共通テスト（第1日程）を分析。出題内容や「カギとなる問題」の攻略ポイント、次年度に向けたアドバイスなどを詳しく解説します。

• 全体傾向 
• カギとなる問題 
• 大問別ポイント／設問形式別ポイント  
• 攻略へのアドバイス  
• Ｚ会の共通テスト対策講座 

 

共通テスト「政治・経済」の出題内容は？

まずは、科目全体の傾向を把握しましょう。分量・問題構成などを整理し、難度（センター試験や試行調査と比較してどう変化したか）を解説します。

試験時間と配点

時間 / 配点：60分 / 100点

全体の傾向

●大問は４題で、解答数は31問であった。センター試験と比べて大問数は変わらず、解答数は３問減少した。なお、大問数は平成30年度試行調査と同数であったが、解答数は１問増加した。 ●読みづらい文章や初見の資料などを扱う問題が増えたため、難易度はやや難であった。 ●従来のセンター試験の単純な４文正誤問題は半分ほどになり、組合せ問題が増加した。組合せ空欄のうち、条文や資料を当てはめるものは出題されず、３〜４つの用語を組み合わせるものが多数出題された。 ●平成30年度試行調査と異なり、それぞれの大問では複数の分野から組み合わせて問題が出題された。 ●多くの小問で、知識・理解に加えて文章読解力や資料読解力などが必要とされたほか、計算問題が３問出題され、複雑な計算もあり計算力が必要とされた。  

政治・経済の「カギとなる問題」は？

次に、政治・経済で「カギとなる問題」を見てみましょう。共通テスト特有の問題や、合格点をとるうえで重要な問題を取り上げ、攻略ポイントを解説します。

第3問 問8

模式図を用いて日本企業の海外進出の要因・影響を答える問題であった。まずは、模式図を読み解いて問われている内容をしっかりと把握する必要があり、その上で、日本企業の海外進出に関する因果関係を考察する論理的思考力が求められた。共通テストでは、今までの過去問や対策模試では出題されなかった図表やグラフなどの資料が出題されるため、初見の資料でも戸惑うことのないよう、日々の学習から資料のポイントを即座に見つけ出す練習を行うようにしたい。

 

大問別ポイント／設問形式別ポイント

次に、政治・経済の出題内容を詳しく見ていきましょう。各問の難度や求められる知識・考え方を解説します。

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第1問：望ましい社会の姿　 ［標準］ ・問2では、ある国の経済状況に関する計算問題が出題された。解答を導くために複数の計算をする必要があるが、計算に使う数字は簡単なものであるので、計算ミスをしないように落ち着いて取り組みたい。 ・問6は正しいものをすべて選ぶ問題であった。この形式は消去法は使えないので確実な知識が求められた。

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第2問：民主主義の基本原理と日本国憲法　 ［標準］ ・問1・問3では、複数の判決文を用いた問題が出題された。全体的に読む分量が多く、難しかった。長く読みづらい資料文が出題された場合でも、落ち着いて資料を読み解けるようにしたい。 ・問6では、資料集などでは見かけない模式図を用いた出題がされた。まずは、模式図が何を示しているのかを読み取り、その上で問題の条件に沿って解答を導いていく必要がある。

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第3問：現代の経済状況　 ［やや難］ ・問3では、国家財政の歳出・歳入を示した表を用いた計算が出題された。問われている内容は基本的なものだが、それぞれの選択肢において別々の計算をする必要があったため、手間取る受験生も多かったであろう。 ・問4では、貸借対照表を用いた出題された。貸借対照表は多くの受験生にとって初見の資料であり、まずは理解することに時間を取られたと思われる。金融危機の知識も活用して、落ち着いて問題に取り組みたい。

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第4問：日本の開発協力　 ［標準］ ・いままでのセンター試験では見られなかった、模式図を用いた大問形式であった。 ・問1では、選挙監視団に関する会話文を用いて、民主主義の概念を考察する問題であった。分量は多いが、読みやすい文章であるので冷静に対処していきたい。 ・問7では、日本の国際貢献に関する生徒のノートの空欄に文章を当てはめる問題であった。読み解くのに時間がかかったかもしれないが、設問文に大きなヒントが示されていたので、着実に得点しておきたい。

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攻略へのアドバイス

最後に、次年度以降の共通テストに向けた攻略ポイントを確認しましょう。政治・経済で求められる力をふまえて、必要となる対策を解説します。

基本的な知識を確実に押さえる

資料読解を必要とする問題は増えたが、資料読解の土台となるのは基本的な政治・経済の知識である。早めに全範囲の原理・概念といった基礎知識を押さえ、一問一答や正誤問題・計算問題などの演習に取り組んで、政治・経済の知識を盤石なものにしよう。また、日頃から時事テーマにも関心を持つようにしたい。