Z会の大学受験生向け講座の英語担当者が、2021年度の共通テスト(第1日程)を分析。分析速報として、出題内容や「カギとなる問題」の攻略ポイントを解説します。
共通テスト「英語リスニング」の出題内容は?
まずは、科目全体の傾向を把握しましょう。分量・問題構成などを整理し、難度(センター試験や試行調査と比較してどう変化したか)を解説します。
試験時間と配点
時間 / 配点:60分(うち解答時間30分) / 100点
全体の傾向
形式の細かな変化は見られたものの、難易度は第2回試行調査並みで、分量も大きな変化はなかった。音声にはアメリカ英語以外も含まれた。
出題テーマ
第1問A「短い発話の聞き取り(内容一致問題)」
第1問B「短い発話の聞き取り(イラスト選択問題)」
第2問「短い対話の聞き取り(イラスト選択問題)」
第3問「短い対話の聞き取り(質問回答選択問題)」
第4問A「モノローグの聞き取り(図表完成問題)」
※校外での過ごし方の調査結果/DVDショップでの値下げについての説明
第4問B「モノローグの聞き取り(質問回答選択問題)」
※ニューヨークでおすすめのミュージカルについての説明
第5問 「モノローグの聞き取り(ワークシート完成・選択問題)」
※幸福感に関する講義
第6問A「対話文の聞き取り(質問回答選択問題)」
※フランス留学についての2名の対話
第6問B「長い会話文の聞き取り(意見・図表選択問題)」
※レシートの電子化に関する4名の学生の議論
おもな注目ポイント
●第3問の設問数は、試行調査よりも多い6つであった。
●第4問A 問18〜問21では、円グラフに入る項目を選択する問題が出題され、第2回試行調査で出題されたイラストを並べ替える問題の出題はなかった。
●第5問は、試行調査同様、長めの講義文を聞き取るという形式は変わらなかったが、ワークシート内の空所数が7個から5個に減った。
●第6問B 問36では、試行調査であったような「誰がトピックに関して賛成/反対しているか」ではなく、「何名が賛成しているか」が問われた。ただし、各人の立場を掴むという点には変わりはない。4名の学生が入れ替わり発言したため、スピードに追い付けず、また内容的にも要点が掴みづらいと感じた受験生もいたと思われる。試行調査より難度が上がったと言えるだろう。
英語リスニングの「カギとなる問題」は?
次に、英語リスニングで「カギとなる問題」を見てみましょう。共通テスト特有の問題や、合格点をとるうえで重要な問題を取り上げ、攻略ポイントを解説します。
第3問 問13:
重要な情報が放送文冒頭に出てくること、引っ掛けの要素が含まれることから、落ち着いて会話の場面を把握し、冷静に聞き取る必要があった。
第5問 問28~問31(ワークシート内の表の穴埋め):
“Hygge”に対して世間が持っているイメージとデンマークにおける実情の対比を聞き取りながら、用意されている選択肢の内容にすばやく置き換えて考えることができたかがポイントであった。
第6問A 問35:
話されている内容を聞き取って表面的に理解するだけではなく、きちんと要点を掴めたかがポイントであった。
第6問B 問36:
同一話者による複数発言の内容をまとめて、「賛否の立場を示すものなのか」「単に事実を述べているのみなのか」を見極める必要があった。
「詳細分析」は後日公開!
今回の「速報」の内容に、以下を追加した「詳細分析」を、2月上旬に公開予定です。
詳細分析を読めば、「初年度の共通テストの傾向」だけでなく「次年度の共通テストに向けて何をすべきか」もまるわかり!
詳細分析は本ページにて公開予定です。公開までしばらくお待ちください。
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