【2026年度大学入学共通テスト対策】新課程初年度! 2025年度共通テスト英語の徹底分析と『パワーマックス英語』改訂のポイント

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Z会ソリューションズ 先生向け教育ジャーナル
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2025年度大学入学共通テスト(以下、共通テスト)が終了しました。新学習指導要領に対応した初回の入試として、その出題形式や難度に注目が集まりました。英語においては、リーディング・リスニングともに、これまでの傾向を踏襲しつつも、試作問題でも表れていた、「より授業活動ともリンクし、ライティングやスピーキングにもつながるような意図」がいっそう明確に見られる設問が一部で出題されました。

本記事では、特に新課程初年度としての特徴が見られた点を中心に分析し、それらを踏まえて改訂された『2026年用 パワーマックス 共通テスト対応模試 英語リーディング』および『同 リスニング』のパワーアップポイントをご紹介いたします。日々ご指導にあたられている先生方にとって、今後のご指導の一助となれば幸いです。

 

第1部:2025年度共通テスト 英語リーディングの傾向と26年度に向けた対策

1-1. 全体概観と新課程の影響

2025年度の英語リーディングは、これまで同様試験時間80分、配点100点で行われました。 大問数・小問数と出題順に変更がありましたが、基本的には試作問題および2024年度本試験を踏襲した内容であり、求められる能力に大きな変化はなかったと言えます。大問数は6題から8題に増えたように見えますが、2024年度までのA・B問題を別問題としてカウントすると10題から8題に減少したとも解釈できます。小問数は49問から44問に、総語数も約6,200語から約5,700語へと減少しました(本試験平均点57.69点)。

試作問題のような英語のアウトプットを意識した出題が、試作問題を踏襲した第4問・第8問以外でも見られました。例えば、第5問のEメールのやり取りでは、送信側と返信側の情報ギャップの正しい把握や計画立案に向けた理解・整理が問われ、実際の英語使用場面を想起させるものでした。また、第6問の物語文では、友人の書いた小説にコメントを述べるという、「相手に意見を述べる」/「書く」という視点での取り組みが求められました。これらは英語の使用を意識づけるための出題であると言え、新課程で育成を目指す資質・能力である「複数情報の比較・検討や目的・場面に応じた判断・活用」を一層問われたポイントと見なせます。

1-2. 【注目!】特徴的な大問分析と求められる力

  • 第4問:スローライフについての草稿&先生のコメント《試作B型》
    文章の展開や論理の読み取りおよび適切なフィードバックを把握する問題でした。語数は540語、平均得点率は75.56%と高めで、主張の把握とその裏付けにあたる内容の予測が鍵となりました。

    • 求められる力:
      • 文章全体の論理構成(主張と根拠、具体例など)を的確に把握する力。
      • 複数の情報源(草稿とコメント)を関連付けて解釈する力。
    • ご指導の際のポイント:
      • 生徒自身にエッセイや意見文を書かせ、それに対して他者(先生や他の生徒)からのフィードバックを受ける活動を取り入れる。
      • 論理的な文章構成(パラグラフ・ライティングの原則など)のご指導。
  • 第8問:宇宙開発に関するエッセイのアウトライン作成《試作第A問型》
    複数の意見と資料に基づいて情報を整理し、アウトラインを完成させる問題でした。語数は1,250語と最も多く、平均得点率は46.56%でした。問3の配点が全問正解で加点となる形式になったことで、各主張とその論拠をより正確に把握する必要性が高まりました。

    • 求められる力:
      • 複数の異なる意見文の要点把握と比較・整理力、与えられたテーマに対する多様な視点からの内容理解力。
      • アウトラインへの適切な情報配置力、複数情報の統合と俯瞰的思考力。
    • ご指導の際のポイント:
      • 社会的テーマに関する多角的意見文を提示し、主張・根拠の整理を促す。
      • キーワードやキーフレーズに注目させ、事実と意見の区別を考えさせる。

1-3. 『2026年用 パワーマックス 共通テスト対応模試 英語リーディング』の進化ポイント

本書は、出題の形式面だけでなく、英文の素材面でも万全に対策していただけるよう、

  • 極端に難易度の高い問題は出題しない。
  • 表現の知識の有無で正解が左右されるような出題は避ける(共通テストレベルの力を無理なく養成)。
  • 高校生が体験する実際のコミュニケーション場面を想定した多様な英文素材を採用する。
  • 『情報処理能力』の引き上げを意識した出題とする。

という編集方針で制作しています。
これらの2025年度共通テストの傾向と分析を踏まえ、以下の点を中心に大幅な改訂を行いました。

  • 新課程・新傾向問題への徹底対応:
    • 2025年1月に実施された共通テストの出題構成を踏襲し、全ての回を大問8問の構成としています。
    • 2025年度入試で見られた、複数資料からの情報整理と推論を要する問題(第5問(メール文)類似)や、複数の意見・資料を統合して論理構成を把握する問題(第8問類似)、エッセイの草稿とフィードバックを読み解く問題(第4問類似)など、新傾向の問題をオリジナルで多数収録
    • 直接述べられていない内容を問う「推論発問」も引き続き出題しており、思考力・想像力を用いて取り組む問題に対策できます
    • 新課程で重視される「思考力・判断力・表現力」を涵養するため、単純な情報検索だけでなく、読み取った情報を基に複数の選択肢を比較検討したり、論理的な根拠に基づいて判断したりする質の高い設問を強化しました。
  • 「読む力」を多角的に鍛えるオリジナル問題群:
    • 従来の良質なオリジナル問題に加え、現代社会の多様なトピック(SDGs、ジェンダー、テクノロジー、異文化理解など)を扱った英文を積極的に採用。生徒の知的好奇心を刺激し、社会とのつながりを意識した学習を促します。
    • イギリス英語で書かれた素材文やイギリス英語を使用する場面設定を盛り込んでいます。
  • より使いやすく、学習効果を高める工夫:
    • 全8回中の半分の回(第2、3、4、7回)では出題数を調整し、直近年度の小問数に近づけました。
    • マークシートをスマートフォンで読み取っての自動採点を実装(英語リスニングも同様)。客観的な自己評価の意識向上に繋げます。
    • 「なぜそうなるのか」という思考プロセスを重視した解説で、生徒の「わかったつもり」を防ぎ、本質的な理解へと導きます。

2026年度共通テストに向けて

求められる能力に大きな変化はないものの、「多量の情報を短時間で正確に読み取り、取捨選択できる」「様々な場面、多様な文体での英文に触れ、文脈を踏まえて内容を正しく把握できる」「読み取った情報同士の比較や組み合わせを通じて適切に解答する」といった力が引き続き重要です。また、「英語のアウトプットを自分自身で意識できているか」も外せない要因であり、「英語で何かを相手に伝えようとする活動」を通じて英語を使う自信をつけていくことも、高得点へのカギとなります。それと並行しながら、語彙学習や読解学習による基礎力の底上げと共通テスト形式の問題による反復演習を行い、多種多様な英文に対応できる力を育成しましょう。

以上より、本書は新課程初年度の入試分析に基づき、生徒が自信を持って本番に臨めるよう、質・量ともに万全の準備ができるように設計しています。

【新刊情報】授業での活用にも最適!40分×16回でパワーアップ!

さらに、先生方からのご要望にお応えし、『2026年用パワーマックス 共通テスト対応模試 英語リーディング×8』の各回を2分割し、全16回分の演習を可能にした『2026年用 パワーマックス共通テスト対応模試 英語リーディング40×16』も今年度、新たに発刊いたします。1回の演習が40分とコンパクトにまとまっているため、授業内での演習、定期的な実力チェックなど、様々なシーンでご活用いただきやすくなりました。より柔軟な指導計画にお役立ていただける本教材も、ぜひご検討ください。

 

第2部:2025年度共通テスト 英語リスニングの傾向と26年度に向けた対策

2-1. 全体概観と新課程の影響

2025年度の英語リスニングは、2024年度を踏襲した部分と、変化があったところがそれぞれありました。

  • 2024年度を踏襲
    • 大問数(6問)・小問数(37問)は変化なし。
    • 多様な場面設定や複数話者のやり取りへの対応、一度聴きでの情報処理・記憶力、文脈からの概要・意図把握、図表等との情報統合能力も引き続き重視されています。
    • 音声の再生回数(第1-2問が2回、第3-6問は1回)や、アメリカ英語以外の話者が含まれる点も変化なし。
  • 2024年度から変化
    • 第1問Bと第2問で小問数に変化がありました。
    • 第5問の試作問題第C問相当の設問は、仕様面で変更がありました。
    • 第6問Bでは話者が1人減少しました。

変化した設問について、詳細を以下で見ていきましょう。

2-2. 【注目!】特徴的な大問分析と求められる力

  • 第1問B・第2問:小問数の変化とその影響
    • 第1問B: 短文発話を聞き、イラストを選択する問題。小問数が3問から4問に増加しました。
    • 第2問: 対話とそれについての問いを聞き、イラストを選択する問題。小問数が4問から3問に減少しました。
    • 求められる力: 短い音声からの(文法的な観点も含めた)瞬時の情報把握力(変化なし)。
    • ご指導の際のポイント: 短い音声の連続聴解・情報整理訓練。イラストと音声を相互にヒントに・参照しつつ、音声が何を言わんとしているのかの照合練習。
  • 第5問:長文ワークシート完成・選択問題(モノローグ形式)
    仕様面での変更(活動1-3の明記・発言内容のメモ欄設置・下書き用紙を含め全6ページ構成に変更)がありましたが、設問構成自体は試作問題から変化はなく、発話内容の素早い理解・複数情報を総合した判断力・短時間で主旨を把握する力などが問われた点も試作問題相当でした。

    • 求められる力:
      • モノローグからの主題・要点・詳細把握力。
      • 音声と視覚情報(ワークシートや図表)の効率的統合・関連付け能力。
      • 話の展開・論理構成の理解力。
    • ご指導の際のポイント:
      • 講義・説明形式のモノローグ音声とワークシートを活用した目的意識を持った聴解練習。
      • メモ取りスキルの指導。
      • 比較的長めのスクリプト(250 words程度)を1回で聞き取る練習。
  • 第6問B:意見図表選択問題(会話長文)
    3人の会話を聞き、賛否人数の把握や論拠となる図表を選択する問題。話者が4人から3人に減り意見整理はしやすくなった一方、意見変容の丁寧な追跡が鍵となりました。違う意見だった2人が残りの1人の意見を聞いて考えを変容させていく流れを追うことがポイントでした。

    • 求められる力:
      • 複数話者の発言内容・意図の把握力。
      • 会話全体の流れ・議論ポイント・意見変容の過程の正確な把握力。
      • 図表選択肢と会話内容の的確な照合力。
    • ご指導の際のポイント:
      • 「対立、説得、合意形成」といった意見が変わるプロセスへの注目。

2-3. 『2026年用パワーマックス 共通テスト対応模試 英語リスニング』の進化ポイント

本書の編集・制作方針は、「共通テスト独特の設問の形式・難易度・分量に慣れる」ことを重視し、

  • 極端に難易度の高い問題は出題しない。
  • 表現の知識の有無で正解が左右されるような出題は避ける。
  • 高校生が体験する実際のコミュニケーション場面を想定した多様な英文素材を採用する。
  • 『情報処理能力』の引き上げを意識した出題とする。
  • 音声の読み上げスピードは本試験と同程度に収録(もちろん、ハイスピードで収録した音声も別途Webサイト上でご用意しています)。

という点に重点を置いています。

新課程初年度の共通テストでは、リスニングは一部小問数や会話人数の変更等がありましたが、「問われている力に変化はないこと」「これらの変更が来年度以降も定着するかは現時点では読めないこと」などから、2026年用のパワーマックスは、今後どのような問題が出題されても万全に対応できるよう、2025年度形式はもちろんのこと、2024年度以前の出題形式も織り交ぜて設計しています。

これらを踏まえ、以下の点を中心に改訂しました。

  • 新傾向・多様な出題形式への対応:
    • 第1問Bと第2問の小問数について、2025年度本試験型(第1問B:4問、第2問:3問)を第1~4回で出題。
    • 第5問をすべて2025年度本試験型で出題。
    • 第6問Bの会話人数について、2025年度本試験型(3人)を第1~2回で出題。
  • 多様な音声とリアルな場面設定:
    • 音声はアメリカ英語以外にも、イギリス英語や非母語話者のナレーターが吹き込み、多様性を確保
    • 日常生活、学校生活、社会的な話題など、共通テストで想定される多様な場面設定のオリジナル問題を収録
  • 詳細なスクリプトと丁寧な解説:
    • 解答・解説冊子では、設問ごとになぜその選択肢が正解/不正解なのかを丁寧に解説。
    • 全ての音声のスクリプトを掲載し、聞き取れなかった箇所や理解が曖昧だった部分を徹底的に確認できるようにしています。
    • 音声Webサイトでは、ハイスピードで収録した音声もご利用が可能です。
  • 2026年度共通テストに向けて

    • 音声が1回読みの問題が配点の6割を占めるため、まずは英語の音を正確に聞き取れるようになることが重要です(特に、聞き取れなかった箇所の音読練習が効果的)。
    • また、文法や語彙の土台固めも不可欠で、特に第1問A・Bなどで問われる文法項目や否定表現(Let’s not do ~, None of ~など)は瞬時に意味を把握できるようにしておく必要があります。文法表現を会話の中で積極的に使うようにして、それがどういう時に使われ、どんな状態・状況を表しているのかを瞬時にイメージできるようにしておきたいです。
    • 実戦的な演習で多種多様な資料の読み取りに慣れ、放送の合間の短い時間で視覚情報を効率よく集めるコツをつかむことが求められます。

    本書は、生徒が自信を持って共通テストに対応できるよう、質・量ともに充実した内容となっております。

    先生方におかれましては、日々の授業や進路指導において、生徒が変化の激しい時代を生き抜くための真の学力を育むべく、ご尽力されていることと存じます。『パワーマックス英語』シリーズが、その一助となり、生徒の第一志望校合格、そしてその先の未来への確かな土台作りに貢献できることを心より願っております。

    ぜひ、この機会に『2026年用パワーマックス 共通テスト対応模試 英語リーディング』『同 リスニング』をご検討いただき、貴校の英語教育にお役立てください。

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