標準的な題材が中心だが、やや難化し分量も増加
ここ2年ほど難化傾向です。東大としては易しめ~標準的な内容が中心ですが、ところどころに思考力を要する小問や煩雑な計算を必要とする小問が散りばめられています。また、分量も、実質中問6題構成だった頃に近づいてきています。
まずは、2019年度の「東大化学」を俯瞰しよう
はじめに、問題構成や出題傾向をおさえて、
「自分が受ける入試問題」を想像しましょう。
第1問 【難易度:やや難】
●出題形式・テーマ
記述形式(論述問題あり)有機
●問題の内容・分析
芳香族化合物に関する問題。前半はフェノールを出発物とするさまざまな反応を取り上げている。加える試薬が伏せられている箇所が多いため、一つでも理解できない反応があると全貌を把握するのが難しく、難度が高く感じられるだろう。後半は、フェノール樹脂に関する問題。問ケは思考力が必要であるほか、簡潔にまとめるのが難しい。
第2問I 【難易度:やや易】
●出題形式・テーマ
記述形式 理論・無機
●問題の内容・分析
リンに関連して、化合物の構造や反応、電池反応など、幅広く問われた。問エ、オの計算がやや手間ではあるが、比較的取り組みやすい問題である。
第2問II 【難易度:やや易】
●出題形式・テーマ
記述形式(論述問題あり)無機
●問題の内容・分析
黄銅鉱の製錬・精錬を題材として、金属イオンの性質を中心に問われた。問サのように一部に煩雑な計算もあるが、標準的な知識で解答できる問題がほとんどであり、得点を積み重ねたい問題である。
第3問I 【難易度:標準】
●出題形式・テーマ
記述形式(論述問題あり)理論
●問題の内容・分析
ヨウ素滴定に関する問題。実験中に希釈を何度か行うため、問ウやエで立式時に反映するのを忘れると正解できない。問オは実験誤差に関する問題であり、思考力が必要である。
第3問II 【難易度:標準】
●出題形式・テーマ
記述形式(論述問題あり)理論
●問題の内容・分析
2種類の陽イオンを含む結晶構造(ペロブスカイト型結晶構造)に関する問題。問ケまでは基本的な内容だが、問い方が難しく感じられるかもしれない。問サ、シは、イオンの価数とイオン半径から結晶の安定性を推察する問題。ある程度勘が必要な問題である。
※ 難易度は東大受験生を母集団とする基準で判定しています。
合否の分かれ目は?
●受験者の答案を見てみると…
上の表は、再現答案をZ会の採点基準に照らし合わせて分析した結果です。第1問が中問に分かれていないので、得点率で表示しています。
この表から、第1問の得点率の差が最も大きく、合格者と不合格者を分けた問題といえます。
なお、合格者の平均得点率はすべて5割を越えています。化学でも満遍なく得点できる人が合格できる可能性が高いといえます。
⇩
差がつく一問は、
≪第1問≫
●どんな問題?
●注目のポイントは?
内容・分析でも述べましたが、加える試薬が伏せられている箇所が多いため、一つでも理解できない反応があると、全貌を把握するのが難しく、大崩れしかねない問題です。最終生成物の構造式から、「Aはヒドロキシ基のパラ位に置換基が入る」と気づくことが最初の突破口になるでしょう。そのうえで、高校化学で学んだことを応用して、粘り強く順に考えていけば,得点を積み重ねることができるでしょう。
あなたならどう解く?目標点は…?
実際に東大を受験したZ会員の先輩が、「再現答案」を作ってくれました! さらに、その答案をZ会が添削。過去問演習を効果的に進めていただくために、以下のポイントを解説します。
合格に必要な目標点は?
ここで差がつく!間違えやすいポイントは?
東大攻略のために必要な対策は?
東大対策のプロであるZ会の科目担当者が徹底分析。合格への戦略が立てられます。
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