今年度の入試を概観しよう
分量と難度の変化
- 難易度は難化
- 分量は昨年並み
2020年度入試の特記事項
- 昨年度はすべての大問で小問がついていたが、今年度は誘導のない問題も見受けられた。
- 昨年度は大問の間での難易度差はそれほど大きくなかったが、今年度は難易度差がやや広がった。
合否の分かれ目はここだ!
- 第1問と第3問は手がつきやすいが、一方で、第2問と第4問は方針が立ちにくく、手がつけにくい。第1問と第3問を軸に得点を重ね、第2問と第4問で部分点を獲得し、全体で5割くらい得点したいところである。
- 第4問は理系と共通問題であり、文系の受験生にとって見慣れない問題で、難しい。
- 全体を通して小問による誘導がある大問が多いので、完答できなくても部分点をできるだけ確保したい。
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大問別のポイント
第1問
- 微分法と領域の融合問題。
- 与えられている2つの条件を順に立式していけばよい。
- 条件2での格子点に関する条件をきちんと論証できるかで差がつくかもしれない。
第2問
- 座標平面上の格子点を題材とした、場合の数の問題。
- 各設問の条件を分析して、いかに数えやすいように事象を捉えるかがカギであり、差がつきやすい。点をベースに考えるか、直線をベースに考えるか、状況に応じて使い分けよう。
- 小問に分かれているので、(1)だけでも得点したい。
第3問
- 座標平面上の放物線を題材に、半直線の通過領域や正三角形が存在するための条件を考察する図形と方程式の問題。
- (1)は半直線の通過領域を図示する問題であるが、動きが明確であり、把握しやすい。
- (2)は正三角形となる条件をどのように捉えるかがポイントとなる。(1)がヒントになっていることに気がつきたい。
第4問
- 等比数列を題材とした理系との共通問題。
- 設定がやや複雑であり、文系の受験生には難しかったと思われる。
- 後半では、題意の和を「2通りの見方」をするところがポイントである。(2)はその誘導となっているが、気づきにくい。
- 戦略的には、本問は(1)を部分点として得点し、時間をとられすぎないようにしたい。
攻略のためのアドバイス
東大文系数学を攻略するには、次の3つの要求を満たす必要がある。
●要求1● 高度な思考力
特別な知識は要求されないものの、高いレベルの思考力、発想力を試す問題が多く出題されている。他の大学では、一見しただけで典型問題だとわかる出題が多いが、東大では出題の仕方がかなり工夫されており、すぐには問題の解法が浮かびにくいものが多く、解法を決める力が求められる。
●要求2● 早く正確な処理力
例年、東大の数学では処理量の多い問題が出題され、複数の文字を含むものや絶対値記号を含む問題などが好まれている。やや高度な出題も見られるが、処理力重視の問題は、答までの見通しを立てやすいものが多い。数式処理力の差は直接得点差につながるので、速く正確に処理できる力を充実させておきたい。
●要求3●解ける問題を見極める力
東大文系数学では、近年、5割以上の得点が合格ラインといえる量とレベルのセットで出題されている。つまり、解ける問題を確実に解き、他の問題で部分点を稼ぐという、解く問題の選択が合否を分ける。過去問演習などを通して、完答できる問題を見極める力を養っておこう。また、小問ごとに解ける問題は、もちろん解かなくてはならない。
まずは、苦手分野があれば、受験生の夏までには克服したい。ただし、基本的なことばかりやっていては、高度な思考力を要求される東大入試には太刀打ちできなくなる。
受験生の秋以降はより実戦的な演習を行い、得点力アップを図ろう。また、答案を作成する力の養成も意識したい。
共通テストが終わったあとは、東大入試に即応した問題で、最後の総仕上げをしよう。解答を作成する時間や、採点者にきちんと伝わる答案作りを意識し、実戦力を完成させよう。
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東大入試で出題される問題は、パターンを覚えているだけでは解くことができないようなものが多いです。このような問題を本番で解けるようにするためには、やや難易度の高い問題を用いて、日頃から自身で試行錯誤することがとても大切。Z会の本科「東大コース」の問題では思考力が必要な難しい題材も扱っています。
1)普段からの思考する習慣をつけるため
2)思考した結果を採点者に正確に伝える力を養うため
そして、なにより「東大合格を勝ち取るため」に、本科「東大コース」の受講を強くオススメしたいです。
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