合格体験記 2022年6月特別号

東大現役合格者が教える東大合格の秘訣(2022年6月特別号)

6月の東大合格体験記は特別号。学習管理プラットフォーム「Studyplus」のユーザーで、この春に東大現役合格を果たした2名の方にインタビューを実施。Z会の大学受験指導担当者をまじえて、東大合格の秘訣や受験勉強の工夫をお伺いしました。

座談会の参加者
Tさん(東京大学文科三類 1年生)
Sさん(東京大学理科一類 1年生)
Z会 山邊圭祐(大学受験指導担当者)

1:受験勉強でうまくいったこと

自分なりの勉強法を確立すること自体が受験勉強。

司会 東京大学ご入学おめでとうございます。現役で東大に合格を果たしたということですが、まずは、受験勉強を振り返って“うまくいったこと”を教えてください。
Tさん 塾や予備校には通わず、学校の勉強と自分で選んだ参考書を使って勉強しました。塾や予備校に通わず大丈夫かと不安に感じることもありましたが、僕としては、自分で勉強法を確立していくこと自体が受験勉強と考えていたので、自力で勉強をすることにしました。
司会 どのような方法で自身の勉強法を確立していったのでしょうか?
Tさん 基本的には、「インターネットで情報を集める」「友達に聞く」「本を買う」などで、自分なりに探っていきました。勉強法を試行錯誤し、模索し続けてきましたが、受験が終わっても、まだ完璧な勉強法にはたどりついていないと思っています。
司会 膨大な情報量があるインターネットでは、どうやって情報の取捨選択を行っていましたか?
Tさん Studyplusで教材評価の高いもの、東大合格者が使っていた教材などをよく使用していました。また、入試情報などを参考にするために、Z会東大・京大入試応援LINE(※)も登録して、時間がある時に目を通していました。

※2022年度の大学受験生向けには「東大・京大受験応援」LINEとしてお届けしています。

Z会山邊 例えば数学ではどのような勉強をしましたか? また本番の結果はどうでしたか?
Tさん 学校で配布された問題集2冊に取り組んだ後、評価の高かった問題集2冊をはさんで、過去問、模試の過去問に取り組みました。本番では自信を持って完答できた大問は0でしたが、部分点で稼ぐことができ、問題集による基礎を固める勉強が役に立ったと考えています。また、東大の試験では、思考の経緯を記述することも評価してもらえるため、自信がなくとも記述することを意識していました。そのため普段の数学の学習でも、思考を整理することを大事にしていました。
Z会山邊 自分なりに考えて、平均的な受験生よりもたくさんの問題集に取り組んだ成果が出たということですね。今年の文系数学は難しかったので、部分点狙いはよい戦術だったと思います。

毎日の勉強を記録。そこから反省点を見出した。

司会 理科一類に見事合格されたSさんはいかがでしょうか?
Sさん 自分は高校1年生の頃から厳しい塾に通っていましたが、今は少し後悔しています。塾に通わず勉強していたTさんがうらやましいです。というのは、塾に通っても通わなくてもやっていることは同じなので、「どう勉強するのがよいのか」を自分で考えて試行錯誤したほうがよかったのではないかと思っています。
Z会山邊 塾とはどのように付き合いましたか?
Sさん 塾はカリキュラムが固定されていて、自分で勉強する分野を選ぶことができませんが、ちょうどコロナ禍だったこともあり、(休講措置などのため)塾にしばられることなく、自分のやりたいように勉強できたので、その点は良かったと思っています。
司会 目標に対して自分で計画を立てて順調に勉強してきた印象を受けますが、合格の秘訣はどこにあったと思いますか?
Sさん 受験期にやっていて役に立ったことは、振り返りや反省のために毎日記録をつけていたことです。計画倒れしないように、「その日できなかったこと」「なぜできなかったのか」「明日はどうすればいいのか」を記録して見返していました。失敗を計画に活かしていくことは大切だなと感じています。
司会 反省点を書くような形のものというと、日記の形で反省点を残していたということですか?
Sさん 単にできなかった事実を書くだけではなく、できなかった事実と、翌日にできるようにするための具体的な行動を書いていました。
たとえば、勉強中にスマホを隣に置いておくとついつい見てしまい勉強が進みません。そこで、「スマホを離れた場所に置く」と決めました。
しかし、離れた場所に置くと休憩時間が長くなってしまいました。そこで、その次は「スマホの電源を朝に落とす」としましたが、それでもうまくいかないので、「朝起きて、顔を洗ったら電源を落とす」としました。

行動を徐々に具体化することで、計画達成へとつなげていくことができました。
Z会山邊 事実と次のアクションのみにフォーカスした反省は、自分の気持ちに影響がない分、長続きしそうですね。大変参考になりました。

Sさんの実際の勉強記録Sさんの実際の勉強記録

2:受験勉強で抱えた課題と修正方法

時間ではなく、「いつ何に取り組むか」の計画を立てる。

司会 お二方とも“自分なりの勉強法を確立すること”で、受験勉強を上手く乗り越えたことがわかりました。それでは、うまくいかなかったことはどうやって修正していきましたか?
Tさん サボり癖があり他のことに気が向いてしまい、集中力をキープできませんでした。そのために、長期と短期に分けて計画を立てました。計画は100%うまく行っていないし、最後までできていませんが、多少は計画通りに進んだことが合格につながったと感じています。
司会 具体的にはどうやって目標管理をしていましたか?
Tさん Studyplusのアプリとカレンダーアプリを使っていました。最終的な目標から逆算をして中長期的な目標を立て、それをカレンダーで1カ月単位で見えるようにして、計画を可視化しました。学習計画を立てると楽しくなってたくさん目標を作ってしまいました。
Z会山邊 学習計画は時間ではなく、いつ何に取り組むかで立てていたということですね。その計画の立て方をZ会東大・京大入試応援LINE(※)でお伝えしていましたが、参考にされたということでしょうか?

※2022年度の大学受験生向けには「東大・京大受験応援」LINEとしてお届けしています。

Tさん そうではないです(苦笑)。
Z会山邊 自分で考えて実行されたのであれば、凄いと思います。どうしても「計画=時間」と考えがちですからね。ところで、振り返りはどのようにされていましたか?
Tさん Studyplusの勉強記録機能を用いていました。Studyplusはやった記録がそのまま可視化できるところがよかったです。友達の勉強状況も把握できるので、比較して「やばい」と感じてがんばることができました。周りの友達から刺激ややる気をもらえるツールです。

Studyplusはモチベーションアップにもつながった。

司会 Sさんはいかがでしょうか?
Sさん 受験以外のことに突っ走ってしまう癖がありました。受験には関係のない難しい勉強を始めたり、数学の問題を作ることにハマったりしてしまいました。数学は塾でものすごくできる人に力が及ばずに嫌いになりそうな時期がありました。そこで、数学の問題を解くことを止めて、逆に問題を作ることで嫌いにならないようにしました。もともとは片手間で始めたのですが、気づけば70問も作っていました(笑)。
Z会山邊 理解したことを定着させる最もよい方法は、人に教える・説明することだと言われていますが、問題を作ることもこれに通じます。1題の問題を作るためには、周辺知識も含めてたくさんの要素を理解している必要があるので、Sさんはかなり力があったのだと思います。

1題の問題を作ることは、10題の問題を解くことに匹敵する効果があるので、数学の問題を解かなかったとしても、結果として数学の力が落ちなかったのではないかと思いますね。

司会 Studyplusは使っていましたか?
Sさん 受験勉強期間は、半分くらいStudyplusに救われました。Studyplusがあるから勉強するようになったと言っても過言ではありません。記録が積み上がっていくのが楽しく、円グラフを見て科目ごとに勉強時間のバランスをとっていました。基本は勉強記録に使っていましたが、Studyplusで知り合った東大志望の友達やフォロワーも多く、彼らと切磋琢磨することがモチベーションにつながりました。

3:受験勉強でやっておけばよかったと思うこと

受験勉強と大学での学びはつながっている。

司会 自分なりの勉強法を確立し、うまくいかないことも対策をして見事東大合格を果たしたお二方ですが、最後までうまくいかなかったことはあるのでしょうか?
Tさん 東大模試の判定もよく、学校での校内順位からも「合格できるかな」という感じでしたが、少しビビっている自分もいました。合格できる位置につけていたとしても、例外になってしまうことも無きにしもあらずなので……。

振り返ると、もう少しハイレベルな勉強をしておけばよかったと後悔しています。というのは、大学に入ってから、大学の勉強と高校の勉強は繋がっていると感じたからです。大学で世界史や日本史の勉強を進める上で、東大受験の論述対策は役に立ちます。大学受験でもう少し細かいところまで勉強しておけばよかったです。

また、個人的に興味があって大学では数学の講義を受講しているのですが、数Ⅲの知識を前提としているものも多いです。文系でも数Ⅲの一部を履修したという友達に聞くと、文系数学の受験で役に立ったと聞いています。さらに広い視野で数学の問題を考えられたのではないかと思います。

司会 大学の勉強は面白いですか?
Tさん 高校は大学受験の範囲内の勉強ですが、大学はリミッターがなくとことん好きなことを突き詰められるので面白いです。

事前準備の積み重ねが不安解消につながる。

司会 数学の問題を作ってしまうほど突っ走ってしまうこともあったということですが、Sさんはいかがでしょうか?
Sさん 余裕があったので自分の好きな勉強に手を出してしまったことも反省点ですし、あとは、なんと言っても本番に弱いのが悩みです。
高3の1年間は、どれだけ失敗しても合格できるように勉強をしていました。それでも共通テストはテスト本番でもうまくいかなかったです。共通テストの次の日に胃腸炎になってしまい、精神的にも辛かったです。
胃腸炎になってしまった最中に受験直前の模試があったのですが、行きの電車の中で一橋大の数学の問題が解けなくて、「俺大丈夫かな……」と涙が出そうになりました。普段はポジティブなのですが、大一番でネガティブになってしまいます。
本番でも、物理で問題を読み間違えて点数を落としてしまいました。本番に弱いのは、今後にもつながる反省点です。
Z会山邊 本番で緊張してしまうということですが、何に対して緊張するのですか?
Sさん 失敗することに対する恐れだと思います。
Z会山邊 社会に出れば、受験勉強のような正解のある問題ばかりに取り組む訳ではないので、当然のように失敗します。しかし、その失敗を次に活かせば十分なので、大丈夫ですよ。Sさんの場合、失敗しないように事前準備をしっかり行ってきたことはとてもよいことなので、今後も準備はしっかり行うようにしてくださいね。

4:受験生時代の家族や友達との接し方

家族の後押しで安心して受験に臨めた。

司会 受験勉強で、家族や友達など周りのサポートはいかがでしたか。
Tさん 家族は、受験だからといって、特別な対応はなく普段通りに接してくれていました。それがよかったです。余計に気を遣われることもなく、周りからも「合格は大丈夫でしょ」という雰囲気がありました。
学校では、友達から問題の解き方を訊かれることがありました。友達に解き方を教えることで、自分の理解も深まったので、成長につながったと思います。
Sさん 東大をめざして合格する人が多い高校に通っていたのでそれが刺激になりました。東大模試で上位に入っている友達もいたのですが、そういったライバルと対等な立場で勉強できる機会がありがたかったです。周りがすごい人たちばかりだったので、よい意味で怖気づかなかったところはあります。
家族は東大受験を後押ししてくれました。東大しか受験しないと決めており、その考えに対して親に反対されるかと思ったのですが、「東大に行きたいなら東大だけでよいと思うよ」と言ってくれたので、安心して受験に臨むことができました。

5:この先東大でやりたいことは?

東大は自分の興味を深めることも広げることもできる。

司会 東大に入って興味を持った勉強や、今後やりたいことを教えてください。
Tさん 最終的には、日本史を研究していく仕事に就きたいです。日本史が好きで京都に住みたかったので、もともと京大に行きたかったのですが、東大には史料編纂所があって、日本各地から情報が集まってきます。日本史を研究するのに絶好の環境なので、これから研究を深めていきたいです。
Sさん 都市工学に興味があって、物理にも興味があります。ものづくり全般が好きなので色々取り組んでいきたいです。

今は東大独自の進振り(進学振り分け)制度が魅力です。1、2年生のうちに色々な勉強ができるという点が自分に合っているところも、東大を選んだ理由の1つです。今のうちに様々な分野に触れていきたいです。

Z会山邊 私も大学時代には、所属学部の専門科目だけでなく、様々な分野の授業を受けました。多様な知識・考え方に触れることで成長できたかなと思うので、知的好奇心をもって色々なことにチャレンジしてほしいですね。

6:先輩から東大をめざす受験生へ

司会 貴重なお話をたくさんありがとうございました。最後に、東大をめざしている受験生にメッセージをお願いします。
Tさん 受験勉強は、合格ハチマキをして物々しい昭和の漫画のイメージを抱いていたのですが、全くそんなことはなかったです。コツコツやるべきことをやっていたら合格できたので、気負いせず受験勉強に取り組んでほしいです。
Sさん 勉強は試行錯誤することが面白いところなので、自ら勉強の仕方や工夫を考えて、楽しんで取り組んでほしいです。

7:Z会から東大をめざす受験生へ

Z会 山邊圭祐(大学受験指導担当者)

今回参加いただいたお二人とも、自分でやるべきことを考え、実行して合格した模範のような受験生だといえます。しかしその分、最短ルートを通っての合格ではなく、他の合格者よりもたくさんの勉強を行うことで、合格できる力を磨いてきたのかなと思います。

東大受験は、Tさんもおっしゃっていたように、「大学に入ってからの勉強をスムーズに行うための力を試す」という性質があります。それゆえ、「東大の求める学生像」や「東大でできる学び」を見据えて学習を進めるのがよいでしょう。

Z会の東大対策講座は、長年の入試分析により東大合格に必要な力を見出し、戦略的に力を高めていけるように設計しています。Z会で東大合格、そして合格後の大学での学びにも通用する力を身につけていただければ幸いです。

◆東大対策講座(通信教育)
Z会の東大対策講座は1科目から受講可能。毎年、東大合格者を輩出しているZ会ならではの「合格直結の東大対策」ができます。

    CVエリア

    「Z会の通信教育」では、東大受験生向けの講座を多数開講中!

    無料の資料請求も受付中!